家づくりの学び舎

2019/08/15更新1like4763view

著者:SUVACO編集部

家を買うvs賃貸 どっちがいい?コスト・権利・住み心地・資産性で比較

住まいを買うか借りるかは、だれもが一度は悩む人生の大きなテーマといえます。どちらを選ぶにしても、それぞれの特徴やメリット・デメリットをよく理解しておく必要があるでしょう。
この記事では、持ち家と賃貸について、お金・権利関係などの特徴・住み心地・資産性の4つの観点から比較してみました。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

まずはお金で比較

住まいを買う場合と借りる場合とを、まずはお金で比較してみましょう。中古マンションを買ってリノベーションするケースと、賃貸マンションに住み続けるケースを比べてみます。いずれも30歳前後で住み始めると想定し、50年間にかかる住居費を試算しました。

中古マンションについては、以下の条件で試算してみます。3,000万円のマンションを買って800万円のリノベを行うケースです。将来の住み替えは想定しないものとします。

【中古マンションを買ってリノベーション】
・物件価格:3,000万円
・リノベーション費用:800万円
・購入時頭金:500万円
・購入時諸費用:180万円
・住宅ローン借入額:3,300万円(金利1.50%、返済期間35年)
・毎月返済額:10万1,040円
・管理費(月額):1万2,000円
・修繕積立金(月額):
 (1~10年目)1万円
 (11~20年目)1万2,000円
 (21~50年目)1万4,000円
・固定資産税※(年額):15万円
※都市計画税を含む

上記のお金をトータルすると、50年間でかかる金額は7,042万円となります。


一方、賃貸マンションは以下の条件で試算してみます。11年目と31年目に家賃の異なる賃貸マンションに住み替える設定です。

【賃貸マンションに住み続ける】
入居時費用:家賃3カ月分
更新料:家賃1カ月分(2年ごと)
家賃※(月額):
 (1~10年目)10万円
 (11~30年目)12万円
 (31~50年目)10万円
※共益費を含む

こちらのトータルの金額は、50年間で6,846万円となる計算となりました。


あくまでもざっくりとした計算ですが、50年間トータルの比較ではわずかに200万円弱の差となりました。もちろん物件価格や家賃の額などによりケースバイケースですが、持ち家と賃貸とで、住居費に大きな差は出ないと考えてもよさそうです。

とはいえ、お金のかかり方には明確な違いがあります。まず持ち家は購入時に頭金や諸費用など大きな金額がかかります。入居後は家賃の代わりに住宅ローンの返済があり、固定資産税などの税負担も。マンションの場合は管理費や修繕積立金も負担しなければなりません。ですが、住宅ローンは最長でも35年で終わるので、その後は住居費の負担が大幅に軽くなります。

一方で、賃貸は入居時の費用としては敷金や礼金など家賃数カ月分で済みます。入居後も家賃以外は2年ごとに更新料を支払う程度です。ですが、家賃はずっと払い続けなければならない点が住宅ローンの返済とは異なってきます。

権利関係などの特徴で比較

次に権利関係などを比べてみましょう。まず持ち家は土地が借地の場合も一部ありますが、それ以外は土地・建物とも自分の所有となります。自分の持ち物だから、リノベーションしたり、売ったりすることは自由。自分で住まなくなったら人に貸すという選択肢もあります。

ですが、売るにしろ貸すにしろ、それなりの手間とコストもかかることを覚悟しなければなりません。駅から遠い場所など買い手や借り手のニーズが低い物件の場合は特に負担が大きくなりがちです。将来の住み替えを考えるなら、売りやすく貸しやすい物件選びがポイントになるでしょう。

自分の持ち物ということは、なにかあったときの責任も自分で取らなければならないということでもあります。設備が故障したら修理しなければなりませんし、建物に傷みが生じたら修繕しなければなりません。地震で大きな損害を被った場合も同様ですし、災害に備えて保険に加入する場合も自己責任です。

一方、賃貸の場合は自分の持ち物ではないので、売ることはもちろん、リノベーションや模様替えも通常はできません。その代わり、基本的にいつでも気軽に引っ越すことができるのが大きなメリットとなります。

建物や設備に対する責任も限定的です。故意に壊した場合などを除き、修理や修繕の費用を負担する必要は原則ありません。地震で建物が損壊した場合は、そこに住むのをやめて住み替えればいいんです。

住み心地で比較

住み心地の違いはどうでしょうか。物件による違いはあるものの、一般的に新しい持ち家は断熱性や遮音性が高く、住み心地が快適だといわれています。もし築年が古く性能が劣る住宅だったとしても、リノベーションによって性能を高めることも可能です。

広さについては、一戸建ては基本的にファミリー向けがほとんどですが、マンションはコンパクトなタイプから100㎡を超える広いタイプまでさまざまです。ただし広めの住戸は価格が高めになり、数も限られます。

賃貸も近年は性能がアップしていますが、建築コストを抑えるという発想がどうしても働く傾向があるため、持ち家に比べるとグレードが下がるケースが多くなります。最近はカスタマイズ賃貸やDIY賃貸なども増えていますが、性能アップまで可能な物件はほとんどありません。

賃貸は単身者や少人数家族のニーズが高いため、広さは持ち家に比べて小さめな物件が多いです。ただし分譲物件を借りる「分譲賃貸」であれば、持ち家と差はなくなります。設備が古い場合は自分で取り替えることはできませんが、新しい家に引っ越すことができます。

資産性があるのは持ち家だけ

このように住居費や権利関係、住み心地で比較すると、持ち家を買う場合も賃貸を借りる場合も、それぞれメリットとデメリットがあることが分かります。ただもう一つ、決定的に違う点があります。それは資産性の有無です。

賃貸の家賃は単純なコストなので、いくら支払っても住宅が自分のものになるわけではありません。一方、持ち家は資産になるので、売却して住宅ローンを完済すれば、残りのお金は自分のものになります。ただし資産性の高さは物件によって異なり、建物は古くなるほどに価値が下がります。ですが、どんなに古くても使える建物と土地がある限り、価値がゼロになることはまずないといえます。

もちろん住宅を買うか借りるかは、お金の損得だけで決められるものではありません。自分のライフスタイルや好みなども考慮して選ぶようにしてください。
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