子供の独立や定年退職など、人生のターニングポイントは、その先のライフスタイルに適した住まいを考える絶好のタイミングでもありますよね。「住まいを変えると、生き方も変わる」と、セカンドステージを迎えて、リノベーションや住み替えを経験した人の多くが、その変化を実感しているそう。生き方を変える家づくりの秘訣とは、一体どのようなものでしょうか。
SUVACOが専門家をご提案
家づくり・リノベーションはどこに頼むのがいい?SUVACOがご要望に合ったプロを提案します。
> 詳しく見る
▽ 目次 (クリックでスクロールします)
セカンドライフは『楽』がキーワード
基本の備えは気負わずに
家の中でもオープンマインド!快適動線と明るい日差し
片付けに追われないゆとり
生活感を一掃!大人インテリア
夫婦のちょうどいい距離感は?
セカンドライフは『楽』がキーワード
セカンドライフを見据えたシニアリノベーションというと、水まわりの改修やバリアフリー化など、どちらかというと「マイナス」→「ゼロ」にするリフォームが中心と捉えられがちでした。でも、もう少しアクティブな「マイナス」→「プラス」に進化させる家づくりができたら、これからの毎日の生活が確実に変わるはずですよね。
「子育てに必死だった」「仕事が忙しく家で過ごす時間がほとんどなかった」、そのような人にこそ、自分のために楽しく、楽できる住まいづくりをおすすめしたいです。
基本の備えは気負わずに
毎日の生活の中で感じるちょっとした動作への負担は、シニア世代ならずとも、年齢を重ねていけば日々付き合わざるを得ません。高齢=バリアフリー、というちょっと後ろ向きなイメージを捨て、『楽』するための前向きな一歩として気負わずに、でも欲張ってバリアフリーな考え方を取り入れてみてはいかがでしょう。
ゆとりの備えがモットー
部屋を手すりだらけにする必要はありませんが、手すりが必要になった時に備えて下地をいれておくだけで安心です。水まわりや廊下のスペースを広めに確保したり、段差を解消するなど、体に楽なことを選んでいけば、自ずとそれが将来の備えにつながっていきます。
【プランニングのポイント】
玄関とLDK以外の開口部はすべて引き戸に変更。段差ゼロの室内、車椅子利用や介助を想定したスペースと動線の確保、玄関のベンチなどあらゆる備えが万全に、且つさりげなく施されています。
暖かい家で健康寿命をのばす
バリア=障壁は、目に見えるものばかりではありません。冬の寒さ、夏の暑さも身体に負担をかける大きな障壁です。急激な温度変化によるヒートショックの危険性はよく知られていますが、他にも、寒くて立つのが億劫になるような住まいと、室温差のストレスなく家中を動き回れる住まいとでは、健康寿命が格段に変わってきます。
「住まいを変えると、生き方も変わる」ことを何より実感できるのが断熱改修。冬の全室内を18℃(長時間滞在する部屋は21℃)以上の一定温度に保つことを目安に、断熱改修の優先順位は可能な限り高く設定して、住まいと家族の健康寿命をのばすことをおすすめします。
【プランニングのポイント】
LDから廊下を介さず直接水まわりにアクセスする動線で、室温差が生まれにくいプラン。断熱改修により快適な室温が保たれることで、室温差による体へのストレスが減るほか、結露やカビの解消など健康に関わるメリットがいっぱいです。他にも冷暖房費の削減など、目に見える効果も実感できるのがうれしい。
家の中でもオープンマインド!快適動線と明るい日差し
住み心地をランクアップさせると、気持ちが軽くオープンになる→人に会いたくなる→人を招きたくなる→整った住まいをキープできる→住まいがさらにランクアップする……。そんないい循環が生まれるのもシニアリノベの醍醐味です。
動線の整理
家で過ごす時間の質がこれまで以上に問われるセカンドライフ。住み心地を変える大きな要素となるのが、整理された動線の確保です。家の中でのストレスを除き、無駄を省いた合理的な動線計画は、共働き世帯など忙しい生活リズムの家庭に合わせたものとシニアライフとで、基本的な考え方に違いはありません。
【プランニングのポイント】
2人だけでは広すぎると感じれば、思い切ってシェイプアップ!減築という選択肢も。程よい空間にサイズダウンし、リビングと洗面、クローゼットをダイレクトに結んで動線を短縮。コンパクトなうえに回遊性あるプランでとにかく楽!
明るい部屋
家のどこかに足が向かない部屋があるとしたら、それは暗くて居心地の悪い部屋だからでしょう。家で過ごす時間が長くなれば、家のどこにいても快適でありたいもの。暗い小部屋をつくっていた壁を取り払って、大きな空間に作り替えられるのも、部屋数を減らせるシニアリノベのおいしいところです。
【プランニングのポイント】
部屋の隅々まで光が届くワンルームに。通風も抜群です。冷たい空気が留まりやすい廊下をなくし、しっかり断熱を施すことで、家中の温度を一定に保ちやすくなり室温差がない快適な温熱環境をつくれます。
片付けに追われないゆとり
家族で過ごした日々は、毎日が片付けに追われる日々。片付けにまつわる悩みや不満を解消して、必要なものだけがあるべき場所におさまった理想の家を目指したいですよね。
持ち物整理のタイミングでもあり、またこの先、持ち物が増え続けることが考えにくいシニア世代なので、はじめに収納プランさえしっかり検討しておけば、整理整頓は決して難しくないはずです。
適材適所で見える化
持ち物を把握しておく→家族がそれを共有し→持ち物に合わせた収納場所を確保して→見える化(どこに何があるかが一目瞭然であること)させ→出したら、元あった場所に戻す。このプロセスがすべてです。ものが収まるべきところに常に収まっている状態がキープできれば、片付けは必要なくなりますよね。
生活感を一掃!大人インテリア
子供優先から、大人優先へ。子供が汚しそうだからと敬遠してきたホワイトインテリアや、傷つけてはだめと叱ってしまいそうな高級家具を気兼ねなく使えるのも、シニアならではの贅沢ですよね。子供がいると実現が難しかった生活感の一掃と憧れのインテリアの実現を、今こそめざしてみましょう。
明るいテイストのインテリアは気持ちを上向きしてくれますし、庭やベランダのグリーンの取り入れ方も気分に大きく影響します。心身にとって心地よく、深呼吸をしたくなるような清々しさを住まいに取り入れたいですね。
素材は上質で長く使えるもの、メンテナンスが容易なものを選択しましょう。安全性を考えた滑りにくい床材や、足腰への衝撃が少ない無垢材やクッションフロアなど、素材の選択は住み心地に直結しますので、慎重に検討が必要です。
本当に同じ家?毎日の慌ただしさが滲み出ている住まいにも愛着がわくけれど、やっぱり生活感が見えない、いつでも人がよべる家って素敵ですよね。
夫婦のちょうどいい距離感は?
心地よいと感じるお互いの距離感は夫婦それぞれ。これから先の長い人生を共に過ごすのに、距離の取り方でストレスをためてしまうほど不幸なことはありません。長年連れ添ってきたからこそ、ここは遠慮なく自分の希望を伝えて、納得いくプランを検討しましょう。
夫婦それぞれの城をもつ
二人で同じ時間を共有したい場面もあれば、別々に過ごしたい時もあります。使わなくなった個室やリビングの一角など、夫婦それぞれが自分の居場所を持ち、理想の時間が満たされることで、お互いが大切にしている時間も認め合うことができるのではないでしょうか。
寝室を分ける
寝室スタイルは重要な検討ポイントです。寝起きのリズムのちょっとした違いで起こる、音や光のストレスは案外深刻なもの。睡眠の質を優先するなら、同室にこだわる必要はないかもしれません。さらに、夫婦間のエアコンの温度差問題⁉︎も解消です。
【プランニングのポイント】
L字型に大きな一室をつくり、死角となる絶妙なポジションにそれぞれ寝室エリアを配置。お互いのエリアが交差する場所を広間として共有しています。引き戸によって場面に応じた空間分けも可能に。
寝室を緩やかに仕切る
寝室は別々の方がリラックスできそうだけれど、完全な個室をつくるスペースの余裕がない場合もあるでしょう。何より年齢的に、お互いの気配が全く感じられないことに不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
寝室は一室としながら、2人のベッドの間にパーテーションや収納家具などを挟んで、緩やかに仕切る「セパレート寝室」は、同室のつながりと個室のプライベート感を併せもったハイブリッドなスタイル。就寝中の異変などお互いの気配が感じられるので安心です。
【プランニングのポイント】
隣接する寝室を引き戸で仕切ったプランなら、将来的に子供が使わなくなれば、そのまま夫婦用の「セパレート寝室」としても活用が可能になります。
セカンドライフの住まいづくりは、理想の生活を描きやすいために迷いがなく明快!「住まいを変えると、生き方も変わる」そんな究極の家づくりを知らずに歳をとってしまうなんて、もったいないですよね。