2024/09/02更新0like3124view

著者:SUVACO編集部

建具の既製品と造作、それぞれのメリット・デメリット

家づくりを検討するにあたって、楽しみのひとつでもある住宅設備や建材選び。機能面はもちろんのこと、デザイン性に優れた設備も多く、どれを選ぶか迷ってしまうという方もいらっしゃると思います。

今回は、ミラタップ(旧:サンワカンパニー)の松橋さんに、建具の既製品と造作の違いやそれぞれのメリット・デメリット、自社で開発した注目のハイドアや室内窓まで、その人気の理由や魅力について聞いてみました。[PR]

※2024年10月1日より「株式会社サンワカンパニー」は、商号が「株式会社ミラタップ」(英文表記:miratap inc.)に変わりました。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

今回、教えてくれた人

株式会社ミラタップ 松橋さん

株式会社ミラタップ 松橋さん

仙台SR・札幌SSR

仙台ショールームの接客スタッフとして、来場されたお客さまへの商品紹介や提案、見積りの作成などを担当されています。また、同社の無人ショールームである札幌スマートショールームでも、店舗内のモニター越しにお客さまとの対話ができる「アバター」として接客を行なっています。

同社は、キッチンや洗面化粧台、水回りの住宅設備から、タイルやフローリングなどの建築資材まで幅広い商品の企画開発・インターネット販売『ミラタップオンラインストア』を展開している住宅設備・建材メーカーです。

建具とは?

——まずは、一般的に「建具」という呼び方はあまり馴染みがないかもしれません。そもそもどのようなものを示すのか教えてください。

松橋さん

松橋さん

建具(たてぐ)とは、建物の開口部を仕切り、開け閉めできる設備の総称です。具体的には、ドア、窓、障子や襖、またクローゼットなどの収納扉も含みます。開閉方法もさまざまな仕様がありますが、間取りやその空間に合わせたアイテムを選ぶことで、室内の印象や生活のしやすさも大きく変わってきます。

建具にも造作と既製品が?それぞれのメリット・デメリット

——建具を造作を検討する方と既製品を取り入れる方がいらっしゃいますが、それぞれのメリット・デメリットはどのようなことがあげられますか?

松橋さん

松橋さん

造作の建具は、サイズやデザイン、材料や仕上げなどすべて自由に製作する特注品です。
一方、既製品の建具とはメーカーがある程度仕様を決め工場で大量生産する規格品となります。

それぞれのメリット・デメリットは主に以下のような点があげられます。

造作の建具を取り入れるメリット

・間取りや好みに応じて自由にカスタマイズできる
・家全体の建具をトータルにデザインできる

造作の建具を取り入れるデメリット

・既製品と比べてコストがかかる
・工期が長い
・仕上がりに施工力の差が出る

既製品の建具を取り入れるメリット

・大量生産される規格品のために安価
・工期が短い
・現場で取り付けが簡単
・安全性、耐久性など、品質が安定している
・メーカー保証がつく(※)
※保証の有無、条件などはメーカーによって異なります。

既製品の建具を取り入れるデメリット

・デザインが画一的
・規格サイズのため、間取りによっては設置できない場合がある(建具に合わせて間取りが制限される)

建具のトレンドは?

——最近では、どのような建具が人気ですか?

松橋さん

松橋さん

最近では、ハイドアと呼ばれる形の建具にとても人気が集まっています。ハイドアというのは、一般的な高さ2000mm程度の室内ドアよりも高いドアのことで、特に床から天井いっぱいまでの高さがあるドアを指すことが多いです。最近は、大半の方がこうした天井までのタイプをご要望されるという印象ですね。

ハイドアですと、サイズ的に造作も検討されるかと思いますが、当社の商品は高さ2700mmまで対応していますので、既製品でコストを抑えたいという方からのニーズが増えています。
2000mm以上の高さがあるハイドア『NOPPO /ノッポ』。ドアと天井の間に下がり壁がなく、天井まで届くものを指すことが多い(写真提供:ミラタップ)

2000mm以上の高さがあるハイドア『NOPPO /ノッポ』。ドアと天井の間に下がり壁がなく、天井まで届くものを指すことが多い(写真提供:ミラタップ)

——建具にも、家具のようなデザイン性を求めるようになってきているのでしょうか。
松橋さん

松橋さん

SNSの影響もあって「こういう雰囲気にしたい」と、建具にもこだわりを持つ方が増えてきていると感じます。なるべく建具の存在感が出ないすっきりしたものを探したいとか、1階と2階と建具を使い分けて雰囲気を変えたいとか、間取りへのこだわりとあわせて建具選びも重視するお客さまが増えています。

人気アイテムからさらに今のトレンドや商品開発のこだわりは?

——ミラタップならではという特徴的な商品、人気の建具を見せてください

松橋さん

松橋さん

トレンドのハイドアと、SNSでも人気があるガラス建具をご紹介します。

豊富なラインナップでトータルにコーディネート『ノッポ』

『ノッポ』は、開き戸や引き戸、間仕切り、クローゼット扉と、室内で使う建具がトータルにそろうシリーズで、高さは2700mmまで対応(※)しています。

※間仕切りや一部のクローゼット扉を除く
例えば引き戸なら、片引き、アウトセット、引き込みというように、設置場所の条件に合わせて仕様を選べるので、高さの調整も含めてフレキシブルに対応できる商品です。

枠の見付け部分を細くしているのが当社らしいデザインのこだわりで、見付け21mmの通常枠のほかに、11mmのスリム枠のご用意があります。目につきやすい三方からの枠の囲みを細く、できるだけ目立たなくすることで、建具だけでもしっかりインテリアの一部として空間に馴染みます。

薄さにこだわっている点をご紹介すると、当社のことに詳しいお客さまなどは、「ミラタップらしいね」と納得される感じですね(笑)。
スリム枠は、11mmの薄い見付けがノイズレスな空間を演出(写真提供:ミラタップ)

スリム枠は、11mmの薄い見付けがノイズレスな空間を演出(写真提供:ミラタップ)

色味は当社でもバリエーションを豊富に展開しています。
『ノッポ』の表面材は、耐久性や耐摩耗性、耐水性に優れたオレフィンシートを使用しています。頻繁に開け閉めされるものなので、傷つきにくさは重要になってきます。

またオレフィンシートは、凹凸のある質感を表現できる点も優れた特徴で、色によって手触りや質感がかなり違っています。ブラックやホワイトは比較的さらっとした質感、ラフグレーはレザーっぽく、モルタルは塗ったようなざらっとした質感、木目は本物の木のような凹凸がある仕上がりになっています。WEBやカタログではどうしても分かりにくいのですが、ショールームへお越しいただき現物を触ってみると、「思っていたのより良い感じ!」と驚かれる方も多いです。
色味によって質感も異なる扉・枠カラー(写真提供:ミラタップ)

色味によって質感も異なる扉・枠カラー(写真提供:ミラタップ)

モルタルとラフグレーといった個性的なカラーに人気がありますね。ご用意しているカラーはどれもマットな質感で、高級感が感じられる仕上がりにこだわっています。

新築を建てる際には、全ての建具を当社のモルタル調の商品で統一すると、スタイリッシュな雰囲気にまとめることができます。
このように建具をトータルにそろえる方もかなり増えてきている印象ですね。

リーズナブルな木製建具『テゴーロ』

木製建具ではほかに、手頃な表面仕上げ材を使って、サイズも限定した『テゴーロ』という、その名のとおり手頃な価格でお求めいただける商品もあります。コスト調整で使っていただくことも多い商品です。

ガラス建具の人気商品『クアドロスリム』

ガラス製の『クアドロスリム』は、当社の建具商品の中でも売れ筋の商品で、見付け幅16mmのスリムなアルミフレームに、ガラスをはめ込んだミニマルなデザインが特徴です。
特に、廊下からリビングへのドアに選んでいただくことが多いですが、こちらもやはりSNSなどでガラス製の建具を知って、探していただいた方からのご要望が増えてきているという印象です。

フレームの色は、ブラックとホワイトの2色のほかに、新しくブロンズが加わりました。ブロンズはゴージャスな雰囲気でありながら、ギラギラしすぎていないので一般の住宅でも使いやすい落ち着いた色味となっています。
新登場の<ブロンズ>フレームはラグジュアリーな空間を演出(写真提供:ミラタップ)

新登場の<ブロンズ>フレームはラグジュアリーな空間を演出(写真提供:ミラタップ)

ガラスのバリエーションとしては、透明な「クリア」、ザラザラしたフロスト(半透明)ガラスの「ホワイト」、「ブロンズ」と「グレー」のカラーガラスの4色に加えて、凹凸がついたリブガラス素材(※)が新しく加わりました。
※リブガラスは、クリア・ブロンズ・グレーの3色展開となります。

フロストガラスですと完全に真っ白で曇った感じですが、クリアのリブガラスは、光は入るけれど丸見えにならないような、プライバシーが守られるちょうどいい透け感が叶います。
凹凸が生み出すドレープで程よく視線を遮る効果も(写真提供:ミラタップ)

凹凸が生み出すドレープで程よく視線を遮る効果も(写真提供:ミラタップ)

ガラス製なので、小さなお子さまやペットがぶつかってしまうのではとご心配な方は、色付きを選ぶことが多いです。ガラスには飛散防止フィルムを使用しているため、万が一強い衝撃などで亀裂が入ってしまっても、ガラスが飛び散ることはありません。

また、振れや音漏れなども気になるポイントになるかと思います。動く扉の枚数が多いとどうしても遮音性が低くなるので、FIXタイプと組み合わせていただく、縦枠をつけて隙間をなくすなど、採用する目的や場所に合わせてクアドロスリムのバリエーションの中から最適なものを選んでいただけるようなご提案を心がけています。

仙台ショールームでは、3枚引き連動タイプ(※)を展示しておりますので、実際に見ていただいて振れなども確認し、毎日のご使用のなかでのご自身の使い勝手をイメージしていただくのが良いかと思います。
※ブロンズフレームは連動タイプには対応しておりません。
——ガラス建具は、どのような住まいで使われることが多いですか?
松橋さん

松橋さん

最近の採用事例では、リビングに隣接する部屋をクアドロスリムで仕切って、寝室やリモートワークのスペースにするなど、いずれもコンパクトな住まいでありながらも、それぞれの部屋を完全に閉じないことで視覚的な広がりがうまれていました。
また、床をタイルにする方も増え、玄関からリビングまでタイルが敷かれたひと続きの空間に見えるように、リビングドアをガラスにして抜け感を出す、というような使い方も参考にできると思います。
——限られたスペースでも、なるべく抜け感をつくって面積以上の広さを感じたいというニーズは、日本の場合、特に多いですよね。ガラス戸は日本の住宅事情に非常に合っているなと感じます。
松橋さん

松橋さん

リビングにできるだけ広いスペースを割きたいけれど、ほかとのスペースの取り合いになるような場合に、リビングと隣接する部屋や廊下ホールをガラス戸で仕切るだけで、面積以上の広がりが生まれますよね。ガラス戸は、一般の住宅でも簡単に取り入れられる空間の広げ方の一つだと思います。

カジュアルな室内ガラス窓『ソルタス』

『ソルタス』は、階段ホールのような吹き抜け空間や、室内の間仕切り壁に設置できる室内FIXガラス窓のシリーズです。
——室内窓は、10年近く前からトレンドワードとしてSUVACOでも人気が高いアイテムなのですが、ミラタップならではの強みやデザインの特徴にはどのようなところにありますか?
松橋さん

松橋さん

やはりスリムなつくりという部分が特徴で、枠、中残ともに見付けは16mmに統一しています。格子状のデザインがカジュアルで、当社にしては少し珍しい雰囲気かもしれません。スタイリッシュにというだけでなく、ナチュラルなお住まいにも合わせやすい商品かなと思います。

フレーム本体は、アルミ製で、ホワイトかブラックのシート貼りです。アイアンのような経年によるサビの心配がなく、安全性や清掃性にも優れています。開閉窓はなく、全てFIXタイプでのご用意となります。

取り入れる際の注意点と購入方法

——実際に取り入れる際の注意点について教えてください。
松橋さん

松橋さん

建具の設置が可能かどうかの判断は、建物の躯体にかかわることですので、専門家と必ず細部までご相談のうえ、採用の判断を行うようにお気をつけください。

また、ガラス製のクアドロスリムは、扉一枚で30キロから40キロぐらいとかなり重量がありますので、荷受は必ず2名以上で行なっていただくようお願いしています。お施主さまが購入して荷受けまでされる場合もあるようですが、荷受け後の段取りなどもしっかりご検討ください。

『ノッポ』は、種類や取り付け方法がフレキシブルに選べるという一方で、仕様もそれぞれに異なりますので、使う場所にあった建具の検討を慎重に行う必要があります。例えば、遮音性の必要性が高ければアウトセットよりも片引きを選ぶとか、鍵の設置の要否など、要望と使い勝手に合った商品の仕様を当社スタッフや専門家にご相談ください。
——大がかりなリノベーションでなく、一部だけに気に入った建具を購入して取り付けたいというような場合、施工先などは紹介していただけますか?
松橋さん

松橋さん

当社の商品の設置を依頼できる施工業者さんに登録いただいていている『Coziコンシェルジュ』という窓口があります。

お客さまの方で、登録業者の中からお近くの業者を選択し、工事箇所や希望商品などの情報を問い合わせフォームに入力していただきます。選択した業者で対応が可能であれば、具体的な工事のご相談に進むという流れです。
——リノベーションや注文住宅の計画を進めるなかで、ミラタップの建具を住宅に取り入れたいと思った場合の具体的な進め方を教えてください。
松橋さん

松橋さん

気になる商品はショールームで現物や色のサンプルなどご確認いただくかと思いますが、その際に、工事予定のお住まいの平面図をお持ちいただければ、ご要望や提案を踏まえた仮のお見積もりをその場でお渡ししています。後日改めて図面と見積もりを作成したうえでメール送付いたしますので、その図面を見ながら、施工業者さんを入れて設置可能な建具や、詳細な寸法等をすり合わせながら確定していくという流れになります。

建具の納期は、おおよそ3週間から1ヶ月ほどになりますので、工期に合わせてご連絡いただくようお願いしています。

ご担当者に聞いてみました「わたしだったらこれを選ぶ」

——松橋さんご自身が買いたい!というおすすめの商品を教えてください。

松橋さん

松橋さん

自分の家に選ぶとしたら、建具はやっぱりハイドアにしたいですね。お客さまの施工事例などみると、素敵だなと思います。

『ノッポ』のドアで、本体も取っ手もブラックを選びます。『ノッポ』は墨っぽい黒のニュアンスがとても素敵なんです。一方、取っ手のブラックはツヤ感があって本体のブラックとは素材感が違うので、黒どうしの組み合わせでも真っ黒という印象にならず、家具のようなスタイリッシュなデザインに仕上がると思います。

黒×黒はあまり選ばれないですし、実際、黒にシルバーの取っ手の方がすっきりはするのですが、やっぱりこちらの組み合わせを選びたいです!

建具のお話を聞いてみて

SUVACO編集部

SUVACO編集部

日本の住宅において、空間に広がりと開放感をもたらすハイドアやガラス建具がトレンドになっている昨今の状況は、当然の流れなのでしょう。
SNSの影響は大きく、「カッコいい建具がある住まい」がますます拡散して、建具選びにこだわりを取り入れることも当たり前になってゆく未来も同時に感じました。

ミラタップ(旧:サンワカンパニー) 仙台ショールームについて

今回、お話を聞いた松橋さんがいらっしゃる仙台ショールームは、ミラタップらしい商品ラインナップをぎゅっと凝縮し、コンパクトながら、新築を計画中の方からリフォームを検討している方まで、東北6県をカバーするメインショールームとして幅広い要望に対応しています。接客対応は予約制となります。
ミラタップ 仙台ショールームの外観(写真提供:ミラタップ)

ミラタップ 仙台ショールームの外観(写真提供:ミラタップ)

所在地 〒980-0811 宮城県 仙台市青葉区 一番町2-4-1 青葉通パークビルディング 1F
電話番号 022-212-2272(受付時間:9:30~17:00 ※土日祝10:00~ ※休館日除く)
※ショールームに関する問合せ専用番号です。
※一部展示の無い商品、準備中の商品もございますので、ご来場前にお問い合わせください。
営業時間 10:00 ~ 17:00
休館日 毎週水曜日、年末年始、夏期休業期間

>>ミラタップ(旧:サンワカンパニー) 仙台ショールームのページはこちら

ミラタップ(旧:サンワカンパニー) 札幌スマートショールームについて

松橋さんが「アバター」で接客を担当している札幌スマートショールームは、接客スタッフが常駐しない完全無人のショールームです。対面接客に代わり、専用ルームにあるモニターをとおして専任のスタッフが商品の案内やお見積もりの対応を行なっています。また、館内3ヶ所に設置されたモニターでスタッフの「アバター」とのやり取りが可能な、接客なしの自由見学も受け付けています。
ミラタップ 札幌スマートショールームの外観(写真提供:ミラタップ)

ミラタップ 札幌スマートショールームの外観(写真提供:ミラタップ)

所在地 〒060-0002 北海道 札幌市中央区 北二条西4-1 札幌三井JPビルディング 17F
電話番号 022-212-2272 (受付時間:9:30~17:00 ※土日祝10:00~ ※休館日除く)
※ショールームに関する問合せ専用番号です。
※一部展示の無い商品、準備中の商品もございますので、ご来場前にお問い合わせください。
※札幌スマートショールームは常駐スタッフがいないため、仙台ショールームでの電話ご対応となります。
営業時間 10:00 ~ 17:00
休館日 毎週水曜日、年末年始、夏期休業期間

>>ミラタップ(旧:サンワカンパニー) 札幌スマートショールームのページはこちら
>>札幌スマートショールームは完全予約制となります。
接客が必要な方、商品のお見積りが必要な方は「見積接客予約」を、
接客無しで見学したい方は「自由見学予約」をお選びください。ご予約はこちら
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