せっかくオーダーメイドで注文住宅を建てるなら、家族にぴったりの家をつくりたい。でも、家づくりは初めてだし、何が良いのか分からなくなってしまいそう……。
家づくりの過程で多大な情報やまわりの意見に振り回されないためには、ブレない「軸」を持つことが重要です。
そこでオススメなのが、「家づくりノート」をつくること。理想の暮らしや今の家の不満を書き出していく中で、自分たちなりの軸を見つけることができます。
さあ、ノートとペンを用意して、一緒につくってみましょう。
▽ 目次 (クリックでスクロールします)
そもそも、家づくりの「軸」とは?
STEP1 家族の生活スタイルを振り返ろう
STEP2 現在の不満やお困りごとを書き出そう
STEP3 これからはどんな暮らしをしたい?理想を書き出そう
STEP4 「WISHリスト」をつくろう
STEP5 住宅事例を見て検証しよう
STEP6 ここまで集めた情報をもとに「WISHリスト」を整理しよう
そもそも、家づくりの「軸」とは?
家づくりの「軸」とは、「どのような暮らしをしたいか」「家でどのような時間を過ごしたいか」「暮らしの中で大事にしたいことは何か」などの、理想の暮らしかたを表現したものです。
皆さんにも、「丁寧な暮らしがしたい」「仕事を忘れてゆっくり過ごしたい」「家族とのコミュニケーションを大事にしたい」など、理想とする暮らしかたがあるはずです。
これらは、言わば皆さんの中にある「暮らしの価値観」。根底にあるこの価値観(=軸)さえハッキリしていれば、選択肢の多い家づくりの過程で選択を誤ることを減らせるはずです。
「軸」を見つけるには、頭の中を書き出すのが1番
理想の暮らしを頭の中でぼんやり考えるだけだと、抽象的になってしまったり、うまくまとまらなかったりするもの。手を動かしながら紙の上にアウトプットするのが断然オススメです。
専用の「家づくりノート」をつくれば、初期の想いや設計中のちょっとしたことまで、まとめて記録に残すことができます。迷ったときにこのノートを開けば、「そうだった、私の理想の暮らしかたはコレだから……」と軸に立ち返ることができるのです。
STEP1 家族の生活スタイルを振り返ろう
例えば、以下のような項目はどうでしょう。
▼仕事や学校がある日の流れ
・朝、家族はそれぞれ何時に起きる?
・それぞれ身支度はどこでする?
・それぞれが家にいる時間帯は?
・夜はそれぞれ何時に寝る?
▼家事のスタイル
・洗濯は外干し派?部屋干し派?
・料理はどのくらいの頻度でする?
・食材の買い出しは週に何回する?
▼家での過ごしかた
・家にいるときはそれぞれ何をしている?
・布団派?ベッド派?
・入浴はシャワーだけが多い?浴槽につかる頻度は?
・ペットはいる?ペットはどんな生活をしている?
・休日は家にいる?外に出る?
・友人や親戚を家に招くことが多い?
▼持ち物の量
・それぞれの趣味は?必要な道具は?
・それぞれの服はどれくらいある?
STEP2 現在の不満やお困りごとを書き出そう
次に、今の家に暮らす中で困っていることや不満に思っていることを書き出してみましょう。
例えば、以下のような不満です。
・朝、洗面所やトイレが渋滞する
・家の中を行ったり来たりすることが多い
・家事に時間がかかる
・すぐ散らかってしまう
・洋服がタンスに入りきらない
・食料品のストックが入らない
・夏暑くて冬寒い
・結露がひどい
・冬、廊下・風呂場・トイレが寒い
・地震のとき結構揺れる
・人を招けない
・なんだか落ち着かない
実はこれらの不満は、「軸」(本当はこうしたいという理想)の裏側にあるものなのです!
STEP3 これからはどんな暮らしをしたい?理想を書き出そう
いよいよ本題です。これから建てる新居ではどのような暮らしをしたいか、書き出してみましょう。
どのような時間を過ごしたいか、暮らしの中で大事にしたいことは何か、といった観点でも考えてみてください。
例えば、以下のような声はよく聞かれます。
・料理や家事を丁寧にする暮らしがしたい
・仕事では人と一緒にいることが多いから、家では一人でゆっくり過ごしたい
・家族とのコミュニケーションを大事にしたい
・趣味のDIYを心置きなくしたい
・趣味のギターをガンガン弾きたい
・仲間を呼んでBBQしたい
・冬でもTシャツで過ごしたい
さらに、数年後に起こり得る家族構成の変化や、ライフスタイルの変化についても考えてみましょう。「将来的にはこうできたらよいな」と思うことはありますか?
例えば、以下のような声はよく聞かれます。
・子どもが増えたら部屋を増やしたい
・子どもが巣立ったら、子ども部屋を趣味部屋にしたい
・義母が同居するときに困らないようにしたい
このSTEP3で出てきたことが、まさに皆さんの家づくりの「軸」になります。
家づくりの途中で何か選択に迷ったら、「自分の軸を叶えてくれるものはどれかな?」という視点で選べば失敗がないはずです。
STEP4 「WISHリスト」をつくろう
STEP2では現在の不満を、STEP3では理想の暮らしを書き出しました。
では、一体新居に何があれば、もしくはどんな家ならば、不満を解決したり、理想の暮らしを実現できたりしそうでしょうか。考えられる範囲で書き出してみましょう。
◎例えば、不満を解消するなら……
・トイレを2つ設ける
・良い家事動線
・部屋干しスペース
・ワークスペースor書斎
・たくさんの収納
・適材適所の収納
・大きいパントリー
・断熱しっかり
・耐震しっかり
・広いLDK
◎例えば、理想を実現するなら……
・広々キッチン
・広々バルコニー
・カフェのようなカウンター
・ゆとりのあるサニタリーと洗面台
・玄関土間
・防音室
・仕切りが少ない間取り
・あとから間仕切り壁が付けられる設計
・介護で困らない設計
実際のプランニングの際にプロもさまざまなアイデアを提案してくれるので、ここでは皆さんがイメージできる範囲のことを書ければ大丈夫です。
STEP5 住宅事例を見て検証しよう
ここまでで、自分たちの「軸」と「WISHリスト」ができました。次は、雑誌・WEB・SNSを使って実際の住宅事例を見てみましょう。
また、SUVACOにはさまざまな専門家の手がけた住宅事例が掲載されています。
〈住宅事例を探す〉
リビングダイニング/キッチンなどの場所や自然素材/和モダン/北欧風といった特徴・テイスト、さらに価格帯や広さなどから絞り込んで探すことができます。
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WISHリストが形になっている事例は、どんどんスクラップ。さらに「こんなアイデアも良いな」という発見があれば、それもどんどんスクラップ。同時にWISHリストに追加しましょう。
例えば、SUVACOではお気に入りの画像は「ハートマーク」をクリックしておくと自分だけの事例集をマイページ上で蓄積していくことができます。
※会員登録(無料)後から使える機能です
ただし、スクラップする前には、実際にその家で生活している様子を想像してみる必要があります。一見良く見えるデザインでも、皆さんのライフスタイルには合っていない場合があるからです。
家は暮らすものだから、「ステキ!」だけでは終われません。その住宅事例の中で暮らしてみたら、実際はどうでしょう?
・その間取りで、家族とコミュニケーションは取れるか?
・その動線で、家事はやりやすいか?
・その内装で、冬快適か?
など、自分たちの「軸」に反していないかチェックしましょう。
あまり好みではないデザインも把握しよう
自分があまり好みではないものもしっかりと認識しておくことも大切です。「同じ書斎でも、こういう形は好きじゃない」「このデザインはとても苦手」というものがあれば、それもスクラップしておきましょう。依頼する専門家にプランニングしてもらう際に役立ちます。
STEP6 ここまで集めた情報をもとに「WISHリスト」を整理しよう
さまざまな実例に触れて、「WISHリスト」が充実しました。
最後は、「軸」をもとにリストの見直し。必要なものとそうでないものを取捨選択し、残ったものには優先順位を付けましょう。
ブレない軸が見つかる「家づくりノート」のつくりかたをご紹介しました。
最初にこの作業をするのとしないのでは、その後のプランニングのスピードや入居後の生活に大きな差が出てきます。ぜひ、家族みんなで取り組んでみてくださいね。