住宅購入の際、多くの人が利用するのが住宅ローン。しかし、大きな借金を抱えることに不安を感じる人も少なくありません。住宅ローンを20代から組み、住宅を購入するメリットは? 頭金を貯めてから組むべき? ここでは、20代で住宅ローンを組むメリットを紹介します。
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家賃vs住宅ローン、どっちが安心?
頭金を貯める時間がもったいない?今の住宅ローン事情
家賃vs住宅ローン、どっちが安心?
家賃が毎月8万円、住宅ローンの返済が毎月8万円。
家に住むために引き落とされるお金はまったく同じ金額。でも、両者は別物です。
住宅ローンの最大の不安点は、「支払えなくなったらどうしよう」ではないでしょうか?
住宅を購入するためはいえ、大きな借金を抱えるのは不安になるものです。
しかし、賃貸に住み続けるとして、家庭を支える立場の人が大きな事故やケガで働けなくなった場合、家賃を一生払い続ける役割は誰が担うのでしょうか?
以前より家賃の安い賃貸を探す、実家に戻る、さまざまな方法はありますが、そういった対処ができない場合はどうなるのでしょう。
住宅ローンの多くは、そういった「万が一」のケースに備えた保険を付帯できます。
団体信用生命保険(団信)というもので、住宅ローンを支払う義務のある人が、死亡や高度障害の状態になった場合、住宅ローンの残債を保険で支払うことができるのです。
この保険は、住宅ローンのプランに自動的に組み込まれているものもあれば、任意加入のものもあります。
保険料は上がりますが、がん、3大疾病、8大疾病などを患った際のプランもあり、さまざまなリスクに備えることも可能です。
賃貸の場合は、そういったリスクを一般的な生命保険で補う必要がありますが、万が一の事態はいつ起こるかわかりません。
つまり、一生の家賃総額が不確定なので、どの程度の保険料を受け取ればよいかわからない状態で保険に入る必要があるのです。
若いうちに住宅を購入してローンを組めば、家族を守る住まいが手に入り、万が一何なにか起きたとしても家族は住む場所には困らず、安心して暮らせます。
頭金を貯める時間がもったいない?今の住宅ローン事情
住宅ローンを組む際、頭金はできるだけ多い方がよいでしょう。
住宅購入は大きな借入となるため、その額を少しでも減らすことができれば、利息も抑えられます。
では、あまり貯蓄がない場合はどうでしょう。
頭金が貯まるまで賃貸で暮らしてから、購入に踏み切った方がいいのでしょうか?
近年の答えは違います。
住宅ローンの金利はバブル崩壊以降、数十年かけて下がり続けてきました。
8%のバブル時代から、今では1%前後まで下がっています。
バブル期は、4000万円借りた場合、35年の借入期間の総返済額が9000万円を超えていました。
ところが今では、4000万円借りたら総返済額が約4800万円前後。利息だけでも4000万円以上も下がっています。
しかし、金利は0%になることはありません。
1%前後の今、これ以上の金利が下がる幅は少なく、もし仮に下がったとしても、0.数%というわずかな数字です。
では、頭金を貯める期間が2〜3年として、その間に金利が1%上昇したら、どういった現象が起きるのでしょうか。
●4000万円の借入で金利が1%(ボーナス払いなし、35年返済)の場合
総返済額 47,423,753円
月々 112,914円
●同じ条件で、金利が2%の場合
総返済額 55,651,861円
月々 132,505円
このような結果になります。
たった1%の上昇で総返済額は800万円以上、月々は19,000円ほどの差額が生じます。
1%の金利の上昇は、2〜3年単位で考えれば十分に可能性のあることです。
頭金を蓄えても、金利の上昇により総返済額の差額が貯蓄を上回ることも考えられるのです。
20代で住宅購入のメリットを、住宅ローンの面からお話しました。
住宅ローンにも保険が付帯できるため、若いうちから返済の心配を軽減でき、安心して長く住める家を手に入れられます。また、近年の金利を考慮すると、頭金を貯めるよりも購入に踏み切った方が、金利上昇のリスクを回避できる可能性が高い。若いうちに購入することで、返済時の年齢もその分若くなります。
引っ越し費用や、諸費用の用意ができるのであれば、住宅購入に踏み切るのもいかがでしょうか。