減税制度や給付金といえば「新築」が対象であるという印象がありますが、中古住宅の購入やリフォームを対象とする制度も出ています。ここでは、意外と知られていないリフォーム等を対象とする給付金などについて紹介します。
※施工事例の画像はイメージです。
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消費税の増税対策である「住まい給付金」とは
リフォームでも対象となる住宅ローン減税とは
省エネ、バリアフリーリフォームで対象となる減税制度もある
消費税の増税対策である「住まい給付金」とは
住まい給付金とは、消費税の引き上げによる負担を緩和するために出来た制度で、平成26年4月以降に引き渡しになった住宅から、収入によって給付額が変わる仕組みになっています。
消費税は2019年10月以降、現行の8%から10%に引き上げられる予定になっています。住宅取得の際に、この消費税の引き上げによる負担はかなり大きなものになってきます。
例えば、単純計算すると、2000万円の住宅に対して160万円(8%)の消費税が必要でしたが、10%に引き上げられると200万円(10%)になり、40万円の負担増になります。住まい給付金はこうした負担を緩和する制度なのです。
住まい給付金は住宅ローン利用者も現金取得者も対象になります。支給されるには、いくつかの要件がありますので詳しく見てみましょう。
■給付金の要件
・住宅を取得し登記上の持分を保有している、且つ、居住している
・収入が一定以下
(8%時は目安が510万円以下、10%時は目安が775万円以下)
・現金取得者は年齢が50歳以上が対象
※収入の目安は夫婦(妻収入なし)及び中学生以下の子供2人のモデル世帯になります。
■給付対象となる中古住宅の要件
・引き上げ後の消費税が適用されること
・床面積が50平米以上であること
・耐震基準を満たす住宅であること
・売買時に第三者の検査を受けていること(住宅ローン利用時)
住まい給付金は、リフォーム工事のみの場合には給付の対象とされていないことに注意が必要です。中古住宅の取得に対して給付され、個人売買ではなく、宅建業者との取引が対象となります。もちろん、中古住宅を取得後にリフォームしても対象となります。
■給付額
給付額は消費税率と収入額で変わります。
【消費税率8%の場合】
・収入目安425万円以下・・・給付額30万円
・収入目安425万円超え475万円以下・・・給付額20万円
・収入目安475万円超え510万円以下・・・給付額10万円
【消費税率10%の場合】
・収入目安450万円以下・・・給付額50万円
・収入目安450万円超え525万円以下・・・給付額40万円
・収入目安525万円超え600万円以下・・・給付額30万円
・収入目安600万円超え675万円以下・・・給付額20万円
・収入目安675万円超え775万円以下・・・給付額10万円
上記の通り、消費税が8%から10%に引き上げられると、収入目安の上限が775万円までが対象世帯となり、給付額も増額されることになっています。
対象となる建物の要件や申請方法などについてはハードルが高いものではありませんので、収入目安額で該当になりそうならぜひ申告しておきたい制度です。
リフォームでも対象となる住宅ローン減税とは
新築だけではなく、リフォームでも住宅ローンの減税制度があります。10年以上の住宅ローンであることが必要となり、控除率は毎年1%で10年間の控除期間になります。その他の適用要件についても詳しく見ていきましょう。
■住宅の適用要件
・工事完了又は取得から6ヶ月以内に居住し、且つ、各年の12月31日まで引き続き居住していること
・工事費100万円以上であり、床面積50平米以上で1/2以上が専用の住居であること
・合計所得が3000万円以下であること
■控除内容
・控除期間は10年間
・控除対象限度額・・・4000万円
・控除率・・・その年末のローン残高の1%
最大で4000万円の1%が所得税から控除されますので、4000万×1%=40万となり、10年間で最大400万の控除額となる。(毎年控除するため1年の最大は40万円となる)
個人の確定申告で最大40万円の控除額となると、かなり大きな減税額となりますので、こちらも是非忘れずに申告しておきましょう。
省エネ、バリアフリーリフォームで対象となる減税制度もある
住宅ローンとは関連なく、リフォームするだけで所得税の減税対象となる制度もあります。部分的な比較的に小規模のリフォームであっても、要件に該当すれば対象となります。詳しくみていきましょう。
■耐震リフォーム(投資型減税)
・自らが居住する住宅で耐震工事を行ったもの
・昭和56年5月31日以前に建築された住宅であること
・現行の耐震基準に適合させるための耐震改修であることなど
・控除期間・・・1年
・控除対象限度額・・・250万円
・控除率・・・控除対象額の10%(最高25万円)
■バリアフリーリフォーム(投資型減税)
・自らが居住する住宅でバリアフリー改修工事を行ったもの
・50歳以上であること、介護認定であることなど
・控除期間・・・1年
・控除対象限度額・・・200万円
・控除率・・・控除対象額の10%(最高20万円)
■省エネリフォーム(投資型減税)
・自らが居住する住宅で省エネ改修工事を行ったもの
・省エネの一定基準に該当することなど
・控除期間・・・1年
・控除対象限度額・・・250万円(太陽光設備設置の場合は350万円)
・控除率・・・控除対象額の10%(最高25万円、太陽光該当は35万円)
■同居対応リフォーム(投資型減税)
・自らが居住する住宅で同居対応改修工事を行ったもの
・キッチンなどの設備の増設など一定の要件に該当すること
・控除期間・・・1年
・控除対象限度額・・・250万円
・控除率・・・控除対象額の10%(最高25万円)
上述のように、リフォームでの住宅ローンを利用しなくても対象となる投資型減税制度は、大規模リフォームでなくとも利用できる制度ですので、バリアフリーや省エネのリフォーム工事をしている、またはこれからリフォームを検討している方はぜひ積極的に利用したい制度ですね。