【SUVACO黒木が語る！】津野恵美子さん〜家づくりの正しい冒険をするベストパートナー〜

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SUVACO株式会社の創業者です。
ハコに合わせて暮らすのではなく、自分らしい住まいづくりが当たり前になるように！
外資系金融から一転、住まいのマッチングプラットフォームSUVACOを立ち上げました。
SUVACOは、お客様と専門家の「間」に存在することの価値を追求します。

SUVACOの創業者・黒木が、これまでお会いした専門家たちの素顔を「完全主観」でお届けするシリーズ。

「津野さんと初めてお会いしたのは2013年6月、東京の世田谷区成城のアトリエでした。SUVACOに参加してもらうにあたり、とても真面目に、お互いの仕事について話したと記憶しています。その後何度か、他の建築家の内覧会などでお会いし、設計者に熱心にディテールの質問などしているのを見て、真面目な方だという印象を深めていました。『真面目』というのはそれはある意味正しいと思っていますが、津野さんの真の魅力は、冒険心ではないかと思うのです」（黒木）

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

猫と本、好きなものに囲まれたアトリエ

真面目さと遊び心

ありふれた物から魅力を引き出す力

『枯木灘』

猫と本、好きなものに囲まれたアトリエ

撮影：西川公朗

住宅街にあるマンションの一室のアトリエに伺うと、猫ちゃんが出迎えてくれる。2019年にリノベーションされた自宅兼アトリエは、猫が回遊できるように設計されているが「せっかく作ってあげたトンネルをなかなか通ってくれないんです…」。きまぐれな猫ちゃんを手懐けるのは、津野さんでも難しいようです。

アトリエは、建具がわりの大きなL字型の本棚2つで空間が緩やかに仕切られています。本を中心に設計されたに違いないとすぐにわかります。本に囲まれた気持ち良い空間。建築関係、アートの書籍ももちろん多いのですが、小説や文庫本なども多いので親近感が湧きます。

真面目さと遊び心

見かけは真面目で優秀な学級委員タイプ（多分、実際もそうだろうと推測しています...）。ただし（だからこそ）相手の話をしっかりと聞いてくれるし、本当のニーズを把握さえすれば、一緒に正しい冒険をしてくれる最高のパートナーだと思うのです。

SUVACOを通じて出会ったお客様と手掛けた「猫リノベ」の事例は完全に猫目線で設計されているし、

津野恵美子

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「スキマのある家」の天井まで届く大きな本棚には圧倒されるし、

津野恵美子

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「光と風を共有する家」のスキマの書斎は小さいのにワクワクする。

津野恵美子

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津野さんとの家づくりの冒険が心地よく感じられるのは、その裏に、お客様の暮らしに合わせたサイズや素材選びなどの、緻密な計算があるから。

また、津野さんは「敷地に対してどういう空間構成の住宅を挿入するのがベストか」を説明するため、いちばん最初の提案時点で皆さんに模型を見て貰うことにしていると言います。

敷地の大きさによってスケールが変わることもありますが、よく用いるのは周辺状況がA3くらいの大きさの中で一望でき、全体像もわかりやすい1/100前後の模型だそう。

季節・天候・気分によって移り変わっていく「最適な空間」が、ちりばめられているような理想の家を提案する。そんな津野さんのちょっとした冒険は、数々の造作家具にも現れています。このページ、眺めているだけで楽しい気持ちになりませんか？

出典：津野建築設計室 Product

ありふれた物から魅力を引き出す力

オススメの建材を聞くと、「建材を使うときは商品名が際立つような特色のあるものではなく，ごく一般的でアノニマスなものをどう組み合わせるかということを重視するので、具体名で『これがよい』というものは特にありません」との回答。

派手なものを使うのではなく、一般的なものの魅力を引き出そうとする姿勢が、いかにも津野さんらしい。

別荘、注文住宅から、小さめのリノベーションやプロダクトデザインまで、幅広く手掛けています。リノベーションではどうしても限られたスペースで要望をどれだけ充たすか、空間の取り合いになることも多いのですが、津野さんは造作家具などを駆使することで、課題を「解決」するだけでなく「一つ上の満足感」を作り出すことにこだわっているようです。少し上を目指すのは、SUVACOのスタンスと近くて共感します。

天井まで届く本棚、小さな書斎、縦の空間を使った収納スペースなど...。
津野さんがもっともっとリノベーションに取り組んでくれたら住まいは面白くなるだろうな、と思っています。

『枯木灘』

経緯は正確には覚えていないのですが、なぜか中上健次の『枯木灘』を話題にしたことがあります。多分、私のFacebookへの投稿に、津野さんが突然食いついてきたような記憶が...（笑）。津野さんにとって、特別な本らしいです。

この小説は、私が学生の頃に読んで説明できない衝撃を受け、何度か読み返した本。「全体的に救いのないストーリーなのだけど、描写がキラキラして眩しい小説」という津野さんの表現は、自分がなぜこの本に惹かれたのか、モヤモヤしていたことを一言で表現してくれたのを覚えています。簡単に表現できる才能を羨ましく思ったりしました。