2022/10/26更新1like2410view

著者:tennto1010

あなたは古民家・町家リノベに向いている?古き日本建築の特徴から適正度をみよう

生活スタイルが多様化するなか、郊外や地方での住宅購入を検討する際の選択肢として、古民家や町家を目にする機会も増えています。とはいえ、特別な選択というイメージも強く、興味や憧れだけでは購入に踏み切れないのが実態ではないでしょうか。

そこでまずは、古民家や町家にはどのような住み手が向いているのか、適正度チェックをとおして、生活のイメージをふくらませることからはじめてみましょう。

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▽ 目次 (クリックでスクロールします)

季節の移り変わりを感じとれる人

古民家や町家の根幹となる特徴の一つに、居室が縁側や通り庭など半屋外的な空間と結びつき、自然との調和が感じられる点が挙げられます。そのため、季節とともに変化する空気の匂いや空の色、部屋に差し込む光の向き、そんな時の移ろいを敏感にキャッチできる感受性の豊かな人は古民家暮らしを楽しめる人です。

また、同じく自然との調和という観点から、家が建つ土地の気候風土に最適化された自然素材を選び、環境にも配慮したリノベーションを最優先にできるかどうかが問われます。

経年変化を慈しめる人

黒光りした柱や梁に圧倒された経験は多くの人がもっていることでしょう。年月を重ねることで刻まれる凝縮された美しさは、新しいだけの美しさには代わることができません。壊れたら補修する、汚れたら磨くというように、住み手が自分の手で慈しみ大切にしながら美しさを継承し、暮らし続けられるかが試されます。

可変的な間取りを活かせる人

古民家や町家は、垂直に立てた柱と、水平に渡す梁とで構成される木造軸組工法でできています。そのため柱間を建具で仕切って空間を分けたり、反対に取り払ってオープンにしたりと、季節や用途によってフレキシブルに対応できるのが強みです。こうした強みを最大限に活かし、可変性や回遊性といった古民家の本領を発揮できるリノベーションと、自分の理想の住まいとが一致している人となら相性はばっちりです。

小笠原建築研究室「住み継がれる町屋|街並みの再生 奈良の家」

細部に宿るこだわりやストーリーに価値を見出せる人

工業製品にはない、職人の手業が残されているのは古民家ならでは。細部にこだわった仕上げや造作に目を向けられる感性があれば、古い家の意匠は垂涎(すいぜん)もののはず。また例えば、「色ものを扱う織物業の職人の家の格子は採光に適した糸屋格子にする」などのような伝統建築の歴史やストーリーに触れることが好きな人にもたまらない魅力がつまっています。

木村哲矢建築計画事務所「嵯峨野の離れ」

便利なだけでは物足りない人

メンテナンスがしやすいものや便利さだけを優先したもので生活を満たしてしまうと、古民家ライフは彩りが半減してしまいます。多少の不便さは、自分の体を動かしてコントロールしてみようと試みるバイタリティや、創意工夫をするクリエイティビティも必要で、大げさでなく、家と共に生きている実感が持てるのが古民家ライフの醍醐味です。

そこで気になるのが、「不便さを我慢できない人は古民家を選んではいけないのか?」ということ。そんなことは決してありません。水回りなどはしっかり快適性を求めてメリハリをつけるのが正解です。

陰影を受け入れられる人

黒光りした天井のもと、ひんやりとした暗がりにほのかに障子からの光がさす……。そんな陰影が似合う古民家では、隅々まで明るい生活にノーといえる人が似合います。

木村哲矢建築計画事務所「小浜の民家再生」

自分が心地よいスケール感を知っている人

広大な農家の古民家や狭い路地奥の町家などは、新築マンションのように、誰もが納得できる一般的なスケールで考えられた住まいとは異なります。町家のようなコンパクトなつくりを、身の丈にちょうどいいと感じる人もいれば、窮屈と感じる人もいるでしょう。また、古民家の開放感を望む人もいれば、広すぎて手に余ると感じる人もいるでしょう。

リノベでできる範囲で、自分に心地よいスケール感の住まいが叶うのかどうか、生活のイメージができていることが大切です。

小笠原建築研究室「住み継がれる町屋|街並みの再生 奈良の家」

家は住むためだけのものじゃないと思っている人

住み心地が良いだけの家では物足りない人や、住まいからの刺激やインスピレーションを求める人に古民家はおすすめです。日常から切り離された、異次元の時間の流れが感じられるのも古民家の魅力です。

住まいに多面性を求める人にも向いています。通りに面し店舗を併設する町家のつくりには、現代においても、理想的な職住一体生活のヒントがありそうです。周囲に対してオープンに自身のワークスタイルを発信できる人は、近隣の人との交流が自然にうまれる場づくりが楽しめるでしょう。

その街や環境と関わりながら暮らしを楽しみたい人

老朽化した空き家は、安全性や治安悪化という問題から、建物や街並みの価値とは別次元の判断から取り壊しを余儀なくされる現状があります。そうした中、住み手がいなくなった古民家や町家を住み継ぐことで、各地で失われつつある日本の風景を残すという大きな課題に、主体的に関わることができます。

人との助け合いなくして成り立たないのも古い家での暮らし。多くの人と接することをプラスに捉えることができる人なら古民家暮らしがベストマッチでしょう。日頃のご近所とのお付き合いが、防災や防犯意識の高い地域をうみ、長く安心して暮らせる拠点づくりにつながります。
木村哲矢建築計画事務所「京丹後の民家」
適正度チェックの結果はいかがでしたか?自治体によっては、空き家解消対策や街並み保存の取り組みとして、購入や修繕への補助等を積極的に行っています。古民家・町家の購入に向けて背中を押す風が感じられる今こそ、古民家リノベへの第一歩をぜひ進めてみてはいかがでしょうか?
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