2023/03/17更新0like1523view

著者:岩間光佐子

キッチン背面の活用術。対面キッチンをより使いやすくする収納プラン

この記事を書いた人

岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

最近のキッチンプランで多くみられるのが対面キッチン。ダイニングやリビングに向かって作業ができる人気のプランですが、より使い勝手を高めるためには、背後の壁面の活用方法がポイントです。ここでは、事例をみながらその工夫やアイデアをみていきましょう。

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▽ 目次 (クリックでスクロールします)

背後の壁面を有効活用して作業性を高める

新築やリフォームのプランニングで、多くみられるのが対面(型・式)キッチン。文字通りダイニングなどに対して(向いて)、シンクでの洗い物や加熱機器での調理作業などができるスタイルです。

対面キッチンにも多様なプランがある中で、背後の壁面をどのようにプランニングするかがその使い勝手やインテリアに大きく影響します。収納スペースとしての機能はもちろん、ダイニングやリビングなどから見えるため、デザイン性にも配慮しておくことが大切でしょう。

参考記事)対面キッチンのプランニングと設備選びの注意点

パントリースペースを確保する

キッチン収納として人気なのがパントリー(Pantry)でしょう。パントリーとは、キッチンのスペース内もしくは隣接させた収納専用の小さな部屋やスペースのことで食品庫とも呼ばれています。実際には、食品の貯蔵だけでなく、調理道具や食器などを収納するケースも多いようです。最近では、LDKをひとつの空間とした間取りも増えてきていることから、キッチン周辺を美しく保ちたいと希望する方も多く、バックヤードとしてのパントリーは注目されているようです。

間取りプランにもよりますが、対面キッチンの背後にスペース的な余裕が取れるのであれば、小部屋のようなパントリーを設けるのもひとつの方法です。食品の保存はもとより多様なキッチン用品なども収納でき重宝するでしょう。

パントリーをプランニングする際に注意したいのは、収納スペースとして、物がしまいやすく取り出しやすいかはもちろん、キッチン作業をしながら動きやすいか、キッチンとの行き来のしやすさなども重要でしょう。また、パントリーから勝手口や玄関などへ通り抜けられるプランであれば、買い物の後に収納しやすく、住まいの裏動線としても利用できます。どのような空間とするか、日々の動きをイメージして検討することが大切です。

手持ちの食器棚を置く

壁面部分を利用して、手持ちの食器棚、お気に入りのカップボードなどを設置する方法もあるでしょう。事前に活用を考えているのであれば、設計者にサイズ(幅、奥行、高さ)やデザインを早めに伝えておくこと。それらに適した壁面の確保、空間的なつくりだけでなく、キッチンキャビネットとのコーディネートなどにも配慮することで、まとまりのあるキッチンスペースが生まれるでしょう。

キッチン家電を置く(収納する)予定であれば、コンセントの位置や数にも影響するので、具体的な使い方をイメージしておくことも大切です。

棚やラックを設置する

壁面を利用して棚やラックを設ける方法も考えられます。造作でオリジナルの棚を設ける、DIYで制作してみてもいいでしょう。プランニングにもよりますが、比較的、収納量に限りがあること、簡易な棚の場合であれば収納物が見えてしまうこと、収納方法によっては雑多な雰囲気となってしまうこともあるかもしれません。ダイニングやリビングからの見え方も意識して、好みの食器や調理器具を並べるなど「見せる収納」を意識したプランとする方がいいでしょう。

カウンターを設ける

背後の壁面部分には、カウンターを設けるプランは多くみられます。下部に引き出しや棚を設け収納スペースとする、下部空間をオープンにしてストックの食品やゴミ箱などを置くスペースとするなど多様なプランが考えられるでしょう。

高さに配慮することで、作業用のカウンターにもなりますし、キッチン家電を置くスペースとしても便利です。また、ダイニング部分まで伸ばして多様な収納スペースを確保してもいいでしょう。

カウンターの使い方に適した素材を選ぶこともポイントです。キッチン作業に利用するのであれば、ステンレスや人工大理石、タイルなども考えられますし、インテリア性を重視して木素材を選んでも。ダイニングテーブルや椅子などとコーディネートした家具調のデザインとすることで、心地よい空間が生まれるでしょう。

システムキッチンのキャビネットを設置する

システムキッチン商品にも、背後の壁面の利用に適した周辺収納キャビネットが設定されています。食器やカトラリー収納、家電収納、食品収納など、収納する物に適したさまざまな提案がみられます。

最近注目されているのが、収納キャビネットに用いる大きなスライドタイプの扉。扉を開けると収納物をすべて見渡すことができ、閉めると壁のようになるため、すっきりと見えるのが魅力でしょう。
そのほか、細かな引き出しを選ぶことができたり、家電用のコンセントが設置されたタイプ、ゴミ箱を組み込むことができるプラン(以下、参考事例)、スライド(引戸)タイプの扉が設定されているなど、間取りやキッチンプランに合わせてコーディネートが可能です。

また、LDKをひとつの空間とする間取りが多くみられることから、システムキッチンにも家具のようなデザインが増えてきています。周辺のキャビネットも、ダイニングやリビングの収納として用いるケースもみられます。LDKをトータルでコーディネートができるので、まとまりのある空間が実現するでしょう。選ぶ際には、システムキッチンと同時にショールームなどで確認することが基本。機能性や使い勝手などを十分にチェックするようにしましょう。
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岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

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