2017/01/07更新0like19822view

著者:tennto1010

ずらして、隠して、広がった!︎雁行型の間取りが叶えたあきらめない家づくり

「雁行(がんこう)型の間取り」という言葉を聞いたことはありますか?これは、雁の群が空を飛ぶ様子のように、建物や居室を斜めにずらした配置・間取りのこと。斜めにずらすことで、通風や採光が得やすいといったメリットが生まれます。でも、雁行配置のメリットはこれだけではありません!では、実際の間取り図や実例を見ながら、“ずれ”が叶える魅力的な住まいを考えていきましょう。

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▽ 目次 (クリックでスクロールします)

矛盾した家づくりの要望をどうやって解決する?

注文住宅やリノベーションの計画をするとき、自分あるいは家族の要望を洗い出してみると、どうしても矛盾する要素が含まれてしまうものではないですか?また、限られた敷地などの条件のなかで理想を実現させようとすれば、どうしても取捨選択が必要になりますよね。

でも、たとえワンルームであっても、そこが多面的な空間であれば、矛盾する要素を共存させた家づくりの可能性はひろがります。では、どうやって?

例えば、間取りにおいて直線や矩形(長方形)を“ずらして”視線を操作することで、平面的だった空間を、多面的で奥行ある空間にかえることができるのではないでしょうか。

雁行(がんこう)配置とは?

矩形をずらしてつくる住まいを考えるうえでのキーワードが“雁行配置”。プランニングの解説などで時々目にする言葉です。これは字のごとく、鳥の雁が飛ぶ様子にならって、建物や居室を斜めにずらして計画すること。採光や通風に有効な配置とされています。

採光などのメリットはもちろん、あえて見せない場所をつくることによって、見る人にその先を想像する自由を与え、期待感をもたせる…。日本人の美の感性を刺激する奥ゆかしさが宿っているように思われます。
このように、視覚がもたらす効果が、感性を刺激するとともに実用的な面においても多くの役割を果たしてくれます。

隠して、魅せる。雁行型のリビングダイニング

例えば、以下の雁行にずらしたリビングダイニングの例。部屋に入ったところでは、部屋の全てを見渡すことは出来ないので、かえって見えない先に奥行きを感じます。視線を、伸ばしたり、分断したり、と操作することで、部屋がもつ多面的な魅力が、チラチラッと見え隠れする、というわけです。
そして、このリビングダイニングでは、例えば次のような矛盾する要素が自然に共存しています。

一見、矛盾した要素が、ずらすことで叶えられる

■ 広々とした開放感⇄ほどほどの隠れ家感
矩形にくらべ、視線が対角線上に長くのびるために、実際よりも広さと奥行きを感じられます。壁が視線を遮り、見えない場所があるためにその先にも広い空間がつながっているかのような期待感にもつながります。一方で、壁で視線が狭まるために死角ができ、ほどよい個室感も生まれます。

■ つながりたい⇆一人になりたい
キッチンで作業する家族などからは見えない死角の位置に、子供の学習スペースをレイアウトすることで、つながった空間にいながらも、こもり感もある集中できるスペースをつくれます。また、常に目に入らない死角なので、片付けにも神経質にならずに使えそうです。

■ 片付けたい⇆散らかしたい
ダイニングは客人を招いた時などに過ごすパブリックスペースとして、少々よそゆきの室礼を心がけて、リビングは家族で過ごすプライベートスペースとして、子供の物が多少散らかっていても気にしない使い方をする等々、モードを切り替えることができます。

つづいて、SUVACOに掲載されている事例から、“ずらして”叶った魅力的な住まいの具体例を紹介しましょう。

住宅密集地でも伸びやかに

都内の住宅密集地の事例。周囲からの視線を遮りつつ、いかに日照を確保し、開放的な暮らしができるかが課題になってきます。雁行はその課題解決に一役買っています。

1階のプランニングでは、リビング−ダイニング−ワークコーナーを雁行させて配置し、奥行きを感じさせることで、実際の広さ以上に伸びやかな空間を生んでいます。さらに、中庭やハイサイドライトなど、様々な高さや方向から光を取り入れることで、冬でも家の奥まで光が届く配慮がされています。平面的にも断面的にも変化に富んだ豊かな空間です。

押し出してずらせば…

2階のリビングを敷地境界ギリギリまで“押し出し”、雁行にデコボコを増やすことで、矩形のプランニングでは難しかった開口を捻出しました。多方面に設けられた開口は、特徴的な外観のシンボルとしても際立った存在感がありますよね。

リビングとダイニングはワンルームでありながらも、それぞれ光の当たり方も見える景色も変わり、まるで異空間。行き来するたびに新鮮味が感じられそうです。空間に多面性をもたせる、雁行プランの為せるワザではないでしょうか。
北浦丈士「新川の家」
北浦丈士「新川の家」
開放的で変化に富んで、且つ、隠しながら魅せる…、こんなに盛り込めたらすごい!︎ 
欲張りな住まいづくり、あきらめたくないですものね。

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