2024/03/10更新1like1617view

著者:岩間光佐子

部屋のイメージを左右する木質フローリング。用途に合わせた選び方と貼り方(デザインパターン)

この記事を書いた人

岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

住まいの床材として多くの方が取り入れる木質フローリング。多様な建材商品がそろいますが、選び方や貼り方(デザインパターン)によっても空間のイメージが大きく変わるものです。

ここでは、住宅事例と合わせてそれぞれの魅力を紹介しながら、取り入れる上での注意点をまとめました。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

フローリングの種類と特徴

一般的な住宅の床材として多く用いられる木質フローリング。多種多様な建材商品がありますが、木質素材などの用い方によって、無垢材(単層フローリング)と複合(複層)フローリングに分けることができます。

無垢材フローリング

切り出した天然木の一枚板を加工したもの。豊富な樹種がそろい、それぞれに特徴がありますが、一般的に、保温性や断熱性が高く、調湿作用があり、樹種によっては弾力性も。また、塗装などによって、風合いやお手入れのしやすさなども変わります。

複合フローリング

合板などの基材の表面に化粧材を張り合わせたもので、用いる化粧材によって、化粧シートタイプ、突板タイプ、挽き板タイプなどに分けられ、一般的に広く用いられているフローリングです。

いずれも建材商品としてのバリエーションが豊富で、素材やデザイン、価格など多様な商品がそろいます。

木質フローリングの選び方のポイント

新築でもリフォームでも住まい全体の床をフローリングに、というプランも多くみられます。家じゅうをすべて同じ素材にすることで統一感をだしたり、部屋や用途ごとに変えるという方法もあるでしょう。
商品によって、水まわり用やペット用など機能性を高めたタイプもそろっています。使用する空間ごと、必要な機能を持つタイプを選ぶことも大切です。

また、インテリアイメージに合わせて色や木目、風合いなどを意識しながら検討したいものです。貼り方・デザインパターンも空間のイメージを左右するポイントでしょう。

木質フローリングの貼り方・デザインパターンの種類

木質フローリングの貼り方・デザインパターンにはいくつかの種類があります。
(現場で実際に素材を貼り、パターンを作る場合と、建材商品として工場でデザインを施す場合があります)

・定尺(ていじゃく)貼り

同じ長さと幅の材を、部屋の壁に対して垂直または水平方向に一定間隔で並べていくもの。シンプルですっきりとした印象の空間になるでしょう。

・乱尺(らんじゃく)貼り

長さが異なる材を組み合わせて貼る方法。ランダムなつなぎ目が空間にリズムを生み出せるのが魅力です。

・斜め貼り

壁に対して斜めに材を配置して貼る方法です。動きのある空間が生まれるでしょう。三角形など変形した空間に取り入れられるケースもみられます。

・ヘリンボーン

ヘリンボーンとは、短い材をV字型に組み合わせて重ねていく貼り方。特徴的なデザインは高級感のある空間を実現します。

・フレンチヘリンボーン

短い材の端を45度にカットしたものを用いるデザイン。カットした端部分が直線に見えるのが特徴で、すっきりとした雰囲気と奥行きを感じることも。

・市松貼り

小さな材を組み合わせた正方形を交互に配して貼る方法。落ち着きのある空間に仕上がります。色味によってはレトロな雰囲気を醸し出すデザインです。

・そのほか(朝鮮貼り・すだれ貼り)

朝鮮貼りは、短い材を一定の間隔で並べ、つなぎ目に縦向きの材を組み合わせる、朝鮮半島の古い民家の板貼り床にみられる貼り方です。
またすだれ貼りは、同じ長さの材を、巾方向の接合面をそろえて貼る方法。和室の天井の貼り方にも用いられます。

貼り方・デザインパターンを考える際のポイント

どのような貼り方・デザインパターンを選べばよいのかは、空間の広さやインテリアイメージなどによっても異なります。ナチュラルな空間であれば、シンプルな貼り方が馴染むでしょうし、クラシカルなインテリアであればヘリンボーンや市松も印象深い空間になるでしょう。どのような家具やファブリックをコーディネートするのか、空間全体のイメージを明確にして、デザインや色味を考慮することが大切です。

同じ貼り方・デザインパターンでも、材の幅によって印象が異なることも。例えば、幅の広いタイプであれば、つなぎ目が減るのですっきりとした雰囲気になるでしょう。

また、貼る方向も重要なポイント。部屋のどちらの壁と平行に貼るのかによってイメージは大きく変わるものです。部屋の長手方向と平行に貼るのが基本ですが、廊下や隣室との関係から、短手方向が適する場合もあります。

室内全体のバランスによって、斜めに貼ることで伸びやかな空間となるケースもあるでしょうし、廊下のような空間の先まで定尺で貼ればより奥行きを感じられるでしょう。部屋の形やほかの空間とのつながりなどを考慮して検討することが大切です。
そのほか、作業性やコストバランスも考慮したいもの。無垢材など現場で貼る場合では、ヘリンボーンなど難易度が高い貼り方では工期が長くコストが高くなることを理解しておきましょう。斜め貼りなどプランによっては材料に無駄が出てしまい、コストに影響する場合もあるので注意が必要です。
具体的に建材商品を選ぶ際には、ショールームなどでできる限り大きな見本で確認しましょう。小さな見本で見た時の印象と部屋に貼られた時の印象は異なりがちなので注意が必要です。
また、せっかくこだわって選んでも、ソファやテーブルでフローリングがほとんど見えない、という失敗談もよく聞きます。設計を依頼する際に、施工例の写真などを参考に、具体的な空間全体のイメージを伝えることも重要なポイントでしょう。

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