2021/07/29更新0like7471view

著者:tennto1010

「片付け資格」はたくさんあるのに収納に悩む人がいまだに多いのはなぜ?

収納法や整理整頓に関わる資格の数は、調べきれる範囲だけでもなんと20以上!片付けは家づくりの永遠のテーマであり、いつの時代も変わらぬ関心の高さがうかがえます。でもなぜ、さまざまな片付けノウハウがあるにもかかわらず、多くの人がいまだに整理整頓がうまくいかないと悩んでいるのでしょうか?一筋縄ではいかない片付けとの付き合い方を、こうした資格を参考に探ってみましょう。

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片付け、収納関連の資格は20以上ある!

片付け関連の資格は、所定の講座を受講し認定試験に合格することで、アドバイザーやコンサルタントとしての認定を受けます。その後は、実地でスキルを磨いたり、認定講師となってノウハウの普及を担うというのがモデルパターン。また、自宅の片付けに役立てたいという思いから講座を受講する人が多いのも、これらの資格の特徴です。

主な資格は以下のとおり

・整理収納アドバイザー
・整理収納インストラクター
・住空間収納プランナー
・ライフオーガナイザー
・こんまり®流片づけコンサルタント
・収育士
・家事セラピスト etc.

さらに、ほとんどの資格は「一級〇〇」や「〇〇マイスター」、「シニア〇〇」というようなランク付けがされているので、総数はさらに倍以上に!

片付け⇄リバウンドのループは、まるでダイエット

片付けはダイエットに似ています。「コレは効く!」とさまざまなダイエット法を手当たり次第に試してはリバウンドの繰り返し……。片付けも同様に、数多くのノウハウがあるにもかかわらず、整理整頓が定着せずにリバウンドを繰り返してしまう原因はどこにあるのでしょうか。

※画像はすべてイメージです。

理由の一つとして、片付けのゴールが明確になっていないことが挙げられるのではないでしょうか。

ダイエットでもゴールは人それぞれ。例えば、着たい服のためにとにかくサイズダウンさせたい、健康維持のために、食事から生活習慣までドラスティックに改善させる必要がある、など人それぞれですよね。

ゴールが違えば、そこを目指すための方法も変わるはず。明確なゴールの設定と、それに応じた方法の選択を見極めて取りかかる必要がありそうです。
数ある片付け資格が目指すゴールは、実はフォーカスする部分の違いによって微妙に違っています。
・雑誌に載っているような、きれいに整った空間をつくる
・モノと向きあうことで、自分の価値観に気づく
・どのような暮らしがしたいのか、心の整理をする etc.

このように、整理のスキルや見栄えにより重きが置かれているもの、モノに対する自分の価値観を見直すことに主眼をおくもの、整理後の生活をイメージさせるもの、など。

「自分はなぜ片付けたいのか?どう片付けたいのか?」を自問自答し、目的にあった合理的な手段だと納得すること。そして何より、自分に無理のない方法を探すことがリバウンドさせない片付け達成への第一歩です。
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まずはモノの選別から

片付けの初めは、モノを選別して減らすこと。モノを仕分けして配置する「整理」とは分けて、まずは自分の全ての持ち物の把握から取りかかるべし、というのは多くのメソッドに共通した考え方です。

でも「選別」の基準は、片付け資格ごとに少しずつ異なっており、この違いこそがそれぞれのメソッドの真骨頂とも言える部分です。

要不要・頻度

選別の基準は、必要なモノと不要なモノとを区別すること、というのが王道のメソッドでしょう。日常的に使うモノ、必要な時にすぐに出したいモノ、使わないモノ、という使用頻度に応じた区別の基準は合理的で、最も一般的な選別基準と認識されているのではないでしょうか。使用されるモノとしての機能を果たしていなければ、ただの所有物。これを思い切って処分していくのが基本姿勢です。

ときめき

整理に必要なのは、捨てるモノを選ぶ基準ではなく、「残すモノを選ぶ」基準である、というメソッドもあります。選ぶ基準は、触れたときに「ときめき」を感じるかどうかという、超主観的な基準であるがゆえに、誰にでも「できそう!」と思わせる説得力があります。

捨てる基準を多角的に捉える

必要か必要でないか、ときめくかときめかないかのように、合理的な判断か感情的な判断かといった二者択一で選択できるほど、モノの選別は簡単じゃないよ、と感じる方も多いと思います。そんな迷いがある方には、選別基準を多角的に捉える方法もおすすめです。

例えば、「思い出の重さ」と「使用頻度」の二軸や、「空間に合っているか」と「使いやすさ」の二軸など、自分が判断しやすい価値軸を見つけ、選択に加えていくのです。
出典:「ライフオーガナイズの教科書」(一般社団法人日本ライフオーガナイザー協会監修)をもとに作成

出典:「ライフオーガナイズの教科書」(一般社団法人日本ライフオーガナイザー協会監修)をもとに作成

整理に向いていない性格はある?

モノの選別の際には、「捨てられない性格だからモノが増える」などのように、性格別の得手不得手論を持ち出しがちです。ダイエットでリバウンドを繰り返すのは意志が弱いからだ、と考えてしまうのと同様ですね。片付けに性格は関係あるのでしょうか?

片付け資格には、どのような人にも一律の片付け方法を伝授するものと、(持って生まれた気質という意味での性格ではなく)片付け志向の違いで戦略を変えるべき、とするものなどがあります。

左脳タイプ?右脳タイプ?

片付け志向を、空間把握の脳タイプ別に分けるというユニークなメソッドをご紹介しましょう。例えば、文字でラベリングしてかっちり整理したい人は左脳タイプ、視覚的・感覚的に整理することがしっくりくる人は右脳タイプなどのように、その人にとって本能的にハマるやり方を許容することで、自分らしい片付け方を探っていくという考え方です。

収納の英才教育!子供時代から片付けを習慣づける『収育』

前述のタイトル「整理に向いていない性格はある?」という問いに対する回答とも言えそうなのが、こちらの資格。片付けられないのは、性格ではなく、幼い頃からの習慣づけの有無が大きく関わるとする考え方です。

片付けを学ぶことは、モノを分類する力や優先順位を決める力、自分で考えてできた!という達成感や自立心を得ることにもつながります。子供のころから身についた片付けの習慣は、ダイエットを繰り返さなくてもよい体質をもっているようなもの。

無駄なモノを増やさない、モノを大切にする、再利用して繰り返し使うといった所有するモノに対する根本的な姿勢も、子供時代から学んでいくべきでしょう。

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片付けは一人では達成できない

ここまで挙げてきた片付けに関わる考え方やメソッドは、あくまで「自分」という主体一人としてどう関わるか、に限定した進め方でしたが、住まいの整理整頓は家族全員が関わらなければ成立しません。にもかかわらず、自分の片付け方だけを問題視して、問題を解決しようとしてきませんでしたか?

そもそも「きれいに片付いて整った空間」というゴールを示しても、「整い方」の基準自体は人それぞれ違っています。家族どうしであっても、ゴールは違うかもしれません。

リバウンドの原因は家族だった⁉︎

家族のなかでただ一人の「整った基準」ルールで家族を縛るだけでは、家族の気持ちを整理へと向かわせることはできません。このような家族間での感覚のズレも、リバウンドを起こす大きな原因の一つになっているのではないでしょうか。

みんなが暮らしやすい片付いた住まいにするためには、家族の整理整頓に対する価値観を受け入れていくことも必要になってくるのです。

一般化には限界がある

片付け資格は、整理整頓のノウハウを最大限に一般化させて普及させているもの。家族でさえ同じ方向を向けない場合があるほどなのですから、一般化にはやはり限界があります。受け取る側は、多くの資格が乱立するメリットを活かし、自分好みのエッセンスを厳選したオーダーメイドのノウハウをつくってみる。そんなふうに上手に利用するのが最もお得な付き合い方なのではないでしょうか。
整理整頓とは、より良く住まうことを求める限り続く永遠のテーマ。自らの価値観のゆらぎや他人の価値観との衝突、様々な妥協や挫折を繰り返しながら、ベストな正解を探していきましょう。
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