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2021/05/01更新|0like|2144view
『外壁で囲われた その内側』と『デザイン』だけを見て、家の想像を膨らませてはいませんか。
外壁のその外側・敷地境界の内側だって、れっきとした我が家です。ココを意識するかしないかで、居心地も、我が家の見栄えも街並みも、まるで違うものになり得ます。
見落としがちな「外」の視点と捉え方、今すぐマスターしませんか。
何見て暮らす?窓の向こうに何を見る?
家をつくることは、街の景色をつくること
年月の経過を楽しむ
見慣れた街に新しい店舗ができたり、既存店がリニューアルしたり看板がかけ変わったりすると、それだけであたりの雰囲気が変わったように感じるものです。ましてお店であれば人の動きにも影響しますから、街の活気や近隣のお店の人入りにまで影響を及ぼします。
家は店舗やオフィスと違って人の動きを左右するものではありませんが、それでも新たに家ができれば、景色や通りの印象になんらか影響を与えるものです。あたりが垢抜けたように感じることもあるし、なんだか重苦しく感じることも、味気なく感じることもあったりします。
一方で、持ち主は自分の家に気を取られるせいか、その変化や与える影響には案外鈍感。思った通りにできているか、他の家と比べてどうか、という観点に縛られがちです。
でも、敷地の前から数十歩 歩いて離れ振り返って見てみれば、家は違う見え方をすることに気づくはず。家と折り重なって見える庭の木々や隣り合う家と影響しあい、“単独”で完成させたはずの我が家は周囲の影響を受けながら、近場で見るのとはまた違った表情を見せているのです。
家は一つひとつ違っていいし、それぞれ個性があって然るべきではありますが、街並みを構成する一翼を担っているのも事実。家を考えるとき、自分の家にだけ意識を集中させるのではなく、周りを見渡し景観としての我が家を意識することができたなら、単独で完結させることを考えていた時よりずっと素敵な、“周囲と共鳴し合う家”ができるはずです。
そんな視点で捉えてみると、改めて庭や外構の重要性が見えてきます。
四季折々の表情を見せる木々や草花たちは家を引き立ててくれるだろうし、建物との連携を図ってデザインされた塀や門扉は調和を感じさせてくれるはず。家と庭を一体的に捉えた家づくりが叶ったなら、街の景観に花を添え、家の内側からも外側からも楽しめる素敵な住まいになりそうです。
家は、完成したその瞬間から経年変化を始めます。5年、10年と時間を追うごとに少しずつ何かが変化し、ゆっくりと印象を変えていきます。時間が流れている以上、「変化」は避けて通れないものですが、それは必ずしも嘆くことではありません。むしろ、素材やつくり、その後の取り扱いによっては、変化を好意的に捉えて楽しみにすることだってできるのです。
時間が経てば、自然色で仕上げた木部は徐々に飴色やこげ茶色に変化していくだろうし、床には“思い出のキズ跡”だって増えているはず。庭に目をやると、木々が枝を伸ばして建物とのコラボレーションをより感じられるようになったり、足元には四季折々いろいろな花が咲くようになったり。真新しい時には味わえなかった、魅力ある姿が待っています。
掃除やメンテ、水やりや剪定など、家を持てば増える仕事もありますが、手をかければかけるほど結果はわかりやすく表れるもの。特に庭は、みずみずしい命をもって変化・成長しながら多様な表情を見せて楽しませてくれるのだから、やりがいもひとしおです。時間をかけて育てていけば、年月を経て風合いを増した家と緑豊かな庭が重なり合って、なんとも言えない雰囲気を醸しだす、味わい深い我が家に出会えるはず。道ゆく人の足をも止める姿になるかもしれません。そう考えると、手入れすることも年月を経ることも楽しみでしかたないと思えてきませんか。
経年は、家も庭も美しくし得るものです。それを丸ごと楽しめたら、家をつくる楽しみだって倍増します。建物の壁で囲われた内側だけ区切って考えていたらもったいない!壁の向こうの庭先だって、敷地丸ごと我が家なのですから。
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