中古物件を買ってリノベーションするときに、どういう物件を選べばよいのか。リノベーションで変えられるところと変えられないところについて、どうやって知ればよいのか。図面から物件を読むコツについて、解体現場の実例とともに解説していきます。今回は天井の仕上げについてご説明します。
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「直天井」と「二重天井」の違い
和室を広々リビング空間にリノベ
こんにちは。東京・恵比寿にあるリノベーション会社のEcoDeco(エコデコ)です。この連載では、リノベーションを検討する方々へ向けて、「物件を読むコツ」について解説しています。
対応業務 注文住宅、リノベーション (戸建、マンション、部分)
所在地 東京都渋谷区 (ほか全2拠点)
主な対応エリア 埼玉県 / 千葉県 / 東京都 / 神奈川県 / 福岡県
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リノベーションにおける物件内見時のコツ、今回は「天井」です。
「直天井」と「二重天井」の違い
先日新たに工事がスタートした物件の解体後の現場に行ってきたのですが、解体後の表情って解体しないと分からないですよね。
でも、ちょっとした知識があると解体しなくても解体後の表情がなんとなくイメージできるので、それについて書きたいと思います。
まず、皆さんに知っておいてもらいたいコトは「天井の仕上げには2種類ある」というコト!!
それは「直天井」と「二重天井」と言われるものなのですが、何が違うのか!?
皆さんご存じでしょうか?
「直天井」とは、コンクリートの天井面に直にクロスを貼ったりして仕上げている状態のこと。
「二重天井」とは、コンクリートの天井面に天井組みをして、少し下げたところに仕上げ面を設けている状態のこと。
(天井組みはLGSと言われる軽量鉄骨組みや角材を使用した木組などがありますが、この骨組みにボードを貼って仕上げ面をつくり、電気線などを通す天井裏スペースを設けている状態です。)
下の現場画像を見てもらうと分かりやすいかと思います。
こんな感じですね。
リノベーションの場合、この二重天井を解体してスケルトン状態とすることで、天井裏
スペースがなくなり、その分天井高さがアップするということになるのです!
物件によって違いはありますが、約10cm〜15cmくらい高くなるケースが多いですね。
(“N様邸@清澄白河”の物件も天井をスケルトンにすることで14cmアップしました!)
ちょっと余談ですが、先ほどの画像中に「断熱材」と書きましたが、最上階の部屋の場合、上は屋上となりますので、天井を解体すると断熱材が出てくるケースがほとんどです。(外断熱している場合は別ですが。)
このような場合はスケルトンのままにすることは難しいので、解体後に新たに天井組みをして二重天井を新設する必要があります。
ですので、スケルトンで天井を高くしたい!!という方は最上階物件は避けた方がいいですよ。
和室を広々リビング空間にリノベ
では、ここからが本題です!
今回解体後の現場を見てきた物件ですが、もともとの状態(リノベ前)はリビングの横に和室がある物件だったのです。それをリノベーションで和室をなくして広々リビング空間にする計画です。
平面で説明すると、、、。
リノベ前の室内の様子はこんな感じでした。
そして、ポイントは「リビング側は直天井」「和室は二重天井」ということです。
直天井の場合、先ほどの画像からも分かりますが、直接クロスを貼っているので面をフラットにするためにモルタルで薄塗りがされています。逆に、二重天井の場合は躯体の下に仕上げ面を設けるので、コンクリートはそのままです。
今回のプロジェクトの場合、この直天井のエリアと二重天井のエリアが1つの空間として
計画されたため、2つの異なる躯体天井面が出現し、混在するということになるのです。
解体後の様子はどうだったかと言いますと、、、。
こんな感じでした。
二重天井だったリビング側の画像なので、フラットな天井が見えますが、手前側はもともと二重天井の和室だったので、ちょっとザラザラした感じになってるのが分かるかと思います。
(接写した様子)
もともと2つの異なる空間だったという歴史が残っている状態ですね。
これもリノベの醍醐味!!
これをどう活かすか!というコトを考えるのもまた楽しいですね〜♪
実際にその空間にいるとそんなに違和感ないですが、気になるなぁ〜という方はこれもまたチェックポイントとして知っておいてもらえると良いのでは!?と思います。