2021/11/11更新0like5958view

著者:tennto1010

ぬくもりや癒しだけじゃない。国産材を選ぶ一歩先の理由

木の家の優しさやぬくもりを家づくりに取り入れたい。そんな思いがあればもう一歩踏み込んで、木材の産地にも注目してみませんか?
特に今、検討に加えたいのが国産木材の利用という選択肢。この記事では、利用の価値や重要性が再認識されている国産材の魅力を事例とともにご紹介します。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

今なぜ国産木材?

それは、国内の森林資源の利用が、カーボンニュートラルの実現に有効なため。

地球温暖化の防止のためには、森林資源の安定的な循環利用を進めていくことが必要不可欠な課題です。木材を利用することで、“伐って、使って、植える”という循環が機能し、森林が守られることで、木々が持つ二酸化炭素の吸収作用を保つことができるのです。

2021年10月1日には「脱炭素社会の実現に資するための建築物等における木材利用の促進に関する法律」が施行され、これまでの公共建築物における木造化の動きに加えて、広く社会に木材利用への関心と理解が深まるよう、国をあげての動きが高まっています。

大沢宏「二世帯の木の家」

SDGsと家づくり

日本の国土の3分の2を占める森林。このうちの40%は戦後に植林された人工林で、今、この木々が十分に育ち伐採を待っている状態にあります。これらの国産材を積極的に利用することが、日本の森を元気にすることにつながるのです。

また、以下の図からは、森林を守ることが水源の涵養や林業の持続的な発展、山村そのほか地域経済の活性化など、様々なSDGsの達成目標につながっていくことが分かります。ひとりひとりの家づくりが、森を守り、海を守ることにつながっているなんて、ちょっとドキドキしますよね。

このように、住まいづくりにSDGs的な視点をもつことがこれからのスタンダートになっていくことは間違いないでしょう。

丸ごと日本の森で家を建てる

大空間に伸びやかに立つ杉の柱が、まっすぐ高く伸びる“直ぐ木(すぐき)”=杉、という名前の由来を感じさせるような清々しい住まいの事例です。

杉は柔らかで軽く、加工がしやすいオールラウンダー。日本の気候に適したスタンダード且つ優秀な構造材です。木造で家を建てることを検討するなら、杉は構造材以外の造作材などとしても絶対に外せない木材。まさに家ごと日本の森で建つ!のです。

参考:SUVACO記事「杉の魅力、徹底解剖。知らないともったいない万能の住宅建材」

米田横堀建築研究所「陽の家」

地産地消を家づくりにも

家を建てる地域で育った地域産の木を使うことにも、さまざまなメリットがあります。まずは、輸送距離が短いため、輸送時のCO2排出を抑えられること。もちろん輸送コストも抑えられます。また、地域の林業・木材産業の活性化や、森が整備されることで土砂災害などのリスクを減らすことにもつながります。

岡庭建設株式会社「みはらしだいの家|三鷹市(半平屋の暮らし)」
その地域で育った木は、土地の気候に適しているために、木に不要なストレスがかからず長持ちするとされています。「やっぱり地元は楽でいいなあ〜」と感じる点は、人間も木も同じなんですね!

地元産の木材利用にかかる助成や補助制度を整備している自治体も数多くあります。「地元で木が採れるなんて知らなかった!」という人も多いかもしれませんが、例えば、東京なら多摩産の木があるように、近隣の地域で使える森林がきっとみつかると思いますので、ぜひ調べてみてください。
茂垣 直樹「Yーhouse・R 友部」

国産材チャンネルをもった設計者や工務店と

これまで、主に価格や供給量の観点から外国産材を多用した住宅が量産されてきた日本で、国産材・地域産材を使いたいと希望しても、叶わないこともあるのでは?と感じる方もいるかもしれません。

国産材を使うことの意義を理解し、積極的に産地とのチャンネルを構築している設計者や工務店はこれからますます求められるようになります。SUVACOでも、国産材利用に積極的な専門家や地域産材に詳しい専門家をご紹介できますので、ぜひご活用ください。
山中 文彦 @ 木の家づくりネットワーク「珪藻土の自然素材リフォーム」

使えるところから使いたいだけ

木造で一軒丸ごと、ばかりが国産材利用の全てではありません。木は内装材としても欠かせない材料であり、加工が簡単な性質を活かして意匠の面白さを感じることができます。家づくりのどこかで「国産材が使えないかな?」と意識してみることが、はじめの一歩です。

家具は、国産材を選択肢に入れやすいアイテムですよね。豊富な木材の種類から、好みのインテリアイメージに合わせた家具を選ぶのも家づくりの醍醐味と言えるのではないでしょうか。

こちらは、国産タモ材の一枚板を大胆に使ったダイニングテーブルの事例です。テーブルに合わせているのは、有名な北欧デザインの椅子たち。日本と同じ木の国である北欧テイストは、国産材が放つ空間の雰囲気に最もマッチするインテリアテイストの一つです。
国産材の家を北欧家具でまとめるなど、ハイブリッドな使い方も楽しみながらの気負わない国産材利用がおすすめです。

もちろんリノベでも

無垢のフローリングもリノベーションなどでは人気のアイテムです。国産材のフローリングでは、スギの他にヒノキやナラなどがよく選ばれています。
事例に使われている無節の国産スギフローリングは、端正な表情と柔らかな踏み心地が、裸足で過ごしたくなる心地よさ。木の風合いがもつ温かさを余すところなく味わえる、贅沢な使い方ですね。

フローリングの他にも造作家具やキッチンの面材、薪ストーブや木質ペレットストーブの燃料としてなど、リノベーションでも木材利用の場面はさまざまです。

子供にも伝えていきたい。日本の木のこと

住んでいる家が、どのような材料でできているのか。そして、どのような理由で選ばれているのか。家に込められたさまざまな想いを、子供が毎日を過ごす家の中で自然と感じてくれたら。そして、自分が生きている社会が立ち向かっている問題を知ることにもつなげていけたら素敵ですよね。

竹中アシュ「瀬戸八王子の家」
日本生まれの木でつくられた家に住むという暮らしは、数十年前までの日本では当たり前だったこと。森の木々と同じように、この先ずっと私たちが健やかに暮らすためにも、住まいに日本の木を取り入れることに、目を向けてみてはいかがでしょうか。
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