2022/02/16更新0like5713view

著者:佐藤ゆうか

カーテンやブラインドなどの窓まわりインテリアの種類と選び方

この記事を書いた人

佐藤ゆうかさん

2級建築士。
工業高校卒業後、中小規模の建設会社に勤務。
木造住宅を中心に新築やリフォームの設計に携る。
現在は3児の育児を中心に在宅ワークに励み、いつか現役復帰を夢見ながら建設業界にしがみつく日々。

カーテンやブラインドなどのインテリアは、快適な住まいづくりのために欠かせません。今回は、「ウインドウトリートメント」と呼ばれる窓まわりのインテリアについて、基本的な種類、特徴、選び方を解説します。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

窓まわりに使われるカーテン、ブライドの種類と特徴

窓周りに設置されるカーテンやブラインドにはインテリアだけでなく、目隠しや遮光の役割もあります。まずは快適な生活に欠かせないカーテンやブラインドの種類と特徴を解説します。

窓上に設置したカーテンレールに取り付け、左右にスライドして使用します。
厚手のドレープカーテンと薄手のレースカーテンを組み合わせて使用するのが一般的で、この使い方を「ダブルカーテン」、ダブルカーテン用に2列になったカーテンレールのことを「ダブルレール」と呼びます。

■向いている場所
大きな窓、広い部屋の窓、居室

■不向きな場所
小さな窓、狭い部屋の窓、水周り

■特徴
・商品ラインナップが多く、好みや予算に合わせやすい
・洗濯できる商品が多く、お手入れしやすい
・厚いドレープカーテンは遮音性・断熱性に優れる
・カーテンを左右に引いた際に「カーテンだまり」ができる
・ホコリがたまりやすいので、敏感な家族がいる場合は注意
「スラット」と呼ばれる薄い板(羽根)を水平に何枚も組み合わせたつくりのブラインドは、ヒモなどを使って上下に操作します。スラットの角度を変えることで、日差しの調整もできます。スラットの材質は様々で、木製・アルミ製・樹脂製があります。

■向いている場所
ほとんどの部屋と窓(水周りは樹脂製やアルミ製がおすすめ)

■不向きな場所
キッチン(油汚れが付きやすい)、掃き出し窓などの大きな窓(窓面積に比例して重くなる)

■特徴
・目隠しや採光の調整が簡単にできる
・スッキリした印象になる
・スラットやヒモの交換や修理がしやすい
・ホコリが積もると目立ち、掃除しにくい
・サイズが大きいと開閉が重くなり、比較的ヒモも切れやすくなる
・解放時、窓上にたまる
・比較的高価

縦型ブラインド(バーチカルブラインド)

遠藤 浩「中庭のある家」
レールにブラインドのスラットを垂直方向に並べ、ヒモを使ってカーテンのようにスライドさせて使います。ブラインド同様、スラットの角度を変えることで日差しの調整もできます。

■向いている場所
大きな窓、広い部屋の窓、居室

■不向きな場所
小さな窓、狭い部屋の窓、水周り

■特徴
・カーテンのように開いたとき左右にたまりができるが、カーテンよりすっきりしている
・普通のブラインドに比べて軽い
・ホコリが付着しにくい
・空気清浄機やエアコンなどの風で動く
・比較的高価
開ける際は窓の上部で巻き上げ、閉める際はスクリーンのように引き出して使います。
本体を引っ張って操作する「スプリングタイプ」とヒモ(コード)で操作する「コードタイプ」があります。くもりガラスと組み合わせるなど、他の目隠しが必要になります。

■向いている場所
廊下、玄関、階段、小さな窓、間仕切り

■不向きな場所
水周り(カビやすいため注意)

■特徴
・窓からの出っ張りが小さいのでスッキリした印象になる
・軽い
・操作が簡単で扱いやすい
・価格帯が幅広く、選びやすい
・洗濯できる商品もある
・開け、閉めの操作しかできない
・採光の調整がしにくい
布製カーテンを上下に操作するタイプの商品で、ヒモで操作します。ロールスクリーン同様にレースカーテンや曇りガラスなど、ほかの目隠しが必要になります。

■向いている場所
廊下、玄関、居室

■不向きな場所
水周り

■特徴
・開閉方法はブラインドやロールスクリーンと同様だが、豪華な印象になる
・カーテンと同じ生地で作ることができる
・左右にカーテンだまりができないため圧迫感が少ない
・上部にカーテンだまりができる
・大きい窓の場合、操作が重くなる
・開け、閉めの操作しかできない
・採光の調整がしにくい
・比較的高価
折り目がプリーツ(蛇腹)になっていて、上下に操作します。一般的に和紙などの紙製品で作られることが多く、厚みの違う2種類の素材を組み合わせて、操作の加減によって目隠しや採光を調整することができます。
折り目がハニカム形状(六角形)になっているものを「ハニカムスクリーン」とも言います。

■向いている場所
居室、和室、大きな窓、間仕切り

■不向きな場所
小さい窓、水周り

■特徴
・開けた時の布だまりがコンパクトなため、スッキリした印象になる
・採光の調整ができる
・断熱性に優れる
・比較的和風な印象になる
・操作が難しい
・お手入れが難しい
・比較的高価

窓まわりインテリアの選び方6つのポイント

カーテンやブラインド選びを成功させるために、知っておきたいポイントを解説します。

好きな色柄や素材だけで選ぶと、部屋と調和せず窓まわりだけが浮いた印象になってしまいます。

例えば、アンティーク調の家具を置いたシックな雰囲気のお部屋にはカーテンやローマンシェードが似合いますが、ロールスクリーンやアルミ製のブラインドは適しません。内装材の色や、設置予定の家具の色合いや素材と調和するものを選びましょう。

設計士やインテリアコーディネーターに相談し、提案してもらうと安心です。

(2)部屋の広さや窓の大きさとバランスを考える

部屋の広さや窓の大きさに応じて商品を選びましょう。

例えば、狭い部屋や小さな窓には、開けても邪魔になりにくいロールスクリーンやブラインドが適していますが、厚手のカーテンを設置してしまった場合、カーテンを開けてもカーテンだまりで窓がつぶれてしまったり、部屋が圧迫されてしまうことが考えられます。

また、一般的に暗い色は圧迫感があり、薄い色は膨張して見える効果があります。色合いで圧迫感を軽減させることもできるため、狭い部屋には明るい色合いのものがお勧めです。

(3)機能性を確認する

カーテンやブラインドは外からの視線を避けたり採光を調整したりするほかに、以下の機能を持たせることも可能です。

・断熱
・遮熱
・紫外線カット
・遮音
・遮光

部屋の方角や使い方に応じて適切な機能のものを選ぶことで、住まいの快適性をアップできます。
部屋の雰囲気に合うものを選ぶのと同様に、部屋を使う人に合わせることも大切です。

例えば昼に寝ることが多い夜勤で働く人の寝室なら、遮光性の高いカーテンを設置することで睡眠の質を向上できます。

掃除が苦手な人の場合、濃い色のブラインドはホコリが積もってしまい、窓周りが見苦しくなってしまうかもしれません。色合いを薄めのものにしたり、カーテンなど他のものを選んだほうが日々のストレスを軽減できるでしょう。

ペットが過ごす部屋や子ども部屋に縦型ブラインドを設置すると、ヒラヒラ動く様子をおもしろく感じて、遊んで壊してしまう可能性があります。カーテンなど、シンプルで操作が簡単なものの方が安全です。

窓周りのインテリアは毎日使うものですので、ショールームや実際に操作できるお店に足を運び、操作性を確認することも大切です。

(5)実物サンプルを確認する

窓周りのインテリア商品はネットショップやカタログからの注文でも手に入りますが、カタログやスクリーン上と実物の色合い・質感が大きく異なることもあります。
部屋の中でも大きな面積を占めるインテリアですので、必ず実物のサンプルを取り寄せましょう。カットサンプルは大きければ大きいほどイメージが膨らみやすいです。

また、光の当たり方によって印象が変わることもあります。取り寄せたサンプルを窓に張り付けて室内と屋外から、そして昼と夜で時間帯を変えて、見え方を確認してください。
窓周りのインテリア商品には、規格品と特注品があります。特注品やサイズが大きいもの、珍しいサイズのものは、比較的高価なので、早い段階から予算を確保しておく必要があります。

予算に限りがある場合や、窓周りにお金を掛けたくない場合は、窓のサイズ選びから気をつけましょう。特注品の窓にしてしまうと、必然的にカーテンやブラインドも特注品になり、費用がかさみます。

窓は住まいが完成したあとに設置されるため「なんとなく」で予算を組まれがちですが、快適な生活のためには必要不可欠なパーツです。早い段階で商品の目星をつけておくと、予算が調整しやすくなります。
毎日使う窓周りのインテリアは、気に入ったものを選ぶことがいちばん。
予算内で便利に使えて、暮らしの快適性をアップさせてくれるものを選びたいですね。
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