2021/11/22更新0like2472view

著者:佐藤ゆうか

家づくりでカウンターはどこに設置するのがいい?計画方法と5つのポイント

この記事を書いた人

佐藤ゆうかさん

2級建築士。
工業高校卒業後、中小規模の建設会社に勤務。
木造住宅を中心に新築やリフォームの設計に携る。
現在は3児の育児を中心に在宅ワークに励み、いつか現役復帰を夢見ながら建設業界にしがみつく日々。

注文住宅の楽しさは、好きな場所に好きなものを設置できること。なかでもカウンターは、設置する場所によっていろいろな使い方ができるおしゃれで便利なアイテム。あると便利な場所や、主な素材の種類、プランのポイントを紹介します。

SUVACOが専門家をご提案

家づくり・リノベーションはどこに頼むのがいい?SUVACOがご要望に合ったプロを提案します。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

カウンターがあると便利な場所7選

まずはカウンターを設置するにのおすすめな場所をご紹介します。

玄関に設置したカウンターはカギなどの小物を一時的に置く場所として、また土間からホールに上がる段差(玄関框)を越える際に手を添える場所としても使えます。

幅の狭いカウンターやニッチは飾り棚にもなり、印象的な玄関を作るのにも有効。飾り棚や小物置きとしてカウンターを設置するなら、その高さは土間から100~120cmがおすすめです。
キッチンとダイニングの間に設けたカウンターは、空間を仕切る役割のほか、ミキサーやトースターなどの小さな家電を置く場所、軽食スペースとして役立ちます。
リビング・ダイニング・キッチンがひとつの空間にある間取りでキッチンとダイニングの間にカウンターを設ける形はすでに定番と言えるでしょう。

キッチンカウンターの高さは床面から110~120cmが目安ですが、座って作業をしたり、軽食をとったりするなら床面から70~80cmがおすすめです。
リビングのカウンターは、軽食、家事、学習やパソコン作業など、たくさんの使い方が想定されるため、高さ設定が重要です。
椅子に座って使う場面が多いなら床面から70~80cm、立って使う場面が多いなら100~120cmを目安にしましょう。

いずれ邪魔にならないか心配なら、折りたためる金具と組み合わせて必要な時だけカウンターとして使える形もおすすめ。設置スペースに限りがある場合にも有効な方法です。
トイレ内のカウンターは、設置する幅や高さによって、小物置き、ひじ置き、立ち上がる際の手掛けとして役立ちます。
高さを検討する時は、便器に座った状態の目線を基準とするのがポイントです。
洗面室に設置されるカウンターの用途は、一時的な着替え置き場や、洗面用具置き場、洗濯用の作業スペースなどさまざま。

一時的な着替え置き場として使うことが多いなら脱衣スペースに、洗面台としてなら洗面ボウルをカウンターに置いたり埋め込んだりして水回りに、洗濯用の作業スペースとしての使用がメインになりそうなら洗濯機付近に設置するなど、自身や家族がどんな使い方をするかをよく検討して決めましょう。
壁を一部くぼませて作るニッチ。ここにカウンターを設置すると耐久性が上がり、ホコリの拭き取りなどの掃除もしやすくなります。

(7)共有スペース

二宮博・菱谷和子「BENTO(ベント)」
廊下など、家族みんなで使う共用スペースへのカウンター設置も場所の有効活用としておすすめです。ワークスペース、飾り棚、読書などの趣味スペースとしてなど、いろいろな用途が考えられますね。

住まいのカウンター材質の種類と特徴

カウンターに使われる主な材料の種類と、特徴を解説します。

カウンターに使われる木材は、大きく無垢材・集成材・積層合板に分けられます。

木製カウンターに共通した特徴は以下の通り。
・樹種によって雰囲気が異なる
・温かみがある
・さまざまなインテリアになじみやすい
・安価なものから高級品まで、価格帯が幅広い
・水まわりで使う場合、水濡れに注意が必要
・へこみや傷がつきやすい
・汚れが浸みやすい
・変色しやすい
人工大理石カウンターの素材は、樹脂系・アクリル系が一般的です。

人工大理石に共通した特徴は以下の通り。
・高級感がある
・見た目の美しさ、耐久性に優れる
・色柄が豊富
・掃除がしやすい
・水まわりに安心して使える
・耐熱性、耐摩耗性に劣る
・汚れが浸みやすい
天然石を切り出して作られるカウンターには、主に御影石が使われています。

特徴は以下の通り。
・重厚感がある
・見た目の美しさ、耐水性、耐熱性に優れる
・重い
・硬い
・加工が難しい
・耐汚染性、耐薬品性に劣る(コーティング加工がおすすめ)
・値段が高い
メラミンカウンターとは薄いメラミン化粧板を木製合板などに張り合わせ、カウンター材にしたものです。

特徴は以下の通り。
・耐水性、耐磨耗性、耐熱性に優れる
・色柄のバリエーションがとても多い
・加工しやすい
・カウンターの寸法や厚みを細かく指定できる
・値段が高い
・代表商品はアイカ社のポストフォームカウンター
耐水ベニヤなどの木製の下地材に、お好みのタイルを貼ったカウンター材です。

特徴は以下の通り。
・高級感がある
・タイルの張り方や種類によってオリジナリティのある仕上がりになる
・耐久性、耐熱性、耐汚染性に優れる
・水まわりに安心して使える
・重い
・タイルが割れることがある
・値段が高い
薄いステンレス材を木製の基材に張り、カウンターにしたものです。

特徴は以下の通り。
・ステンレスならではの雰囲気がある
・耐水性、耐熱性、耐汚染性に優れる
・掃除しやすい
・傷がつきやすい
・冷たい

住まいのカウンター計画 知っておきたい5つのポイント

(1)理想の空間をイメージする

カウンターを設置する空間を、どんな雰囲気にしたいですか?
存在感あるカウンターは、空間の雰囲気を大きく左右します。
具体的にイメージしたうえで、理想とする雰囲気に合うカウンター素材を選びましょう。

温かみのあるカントリー調のインテリアにしたいなら、木材が合うでしょう。ホテルのようなラグジュアリーな雰囲気にしたいなら、天然石やメラミン化粧板がおすすめです。

インテリアの事例写真などから、素敵だと思うものを設計者にシェアしてイメージを共有すると、要望がより伝わりやすくなります。
カウンターは使う場所によって、水に塗れたり、熱にさらされたり、鋭利なものが当たったりします。
特にキッチン、洗面脱衣室、家事室、トイレ、窓まわりなどで使われるカウンターは、水分に触れる機会が多いため、耐水性に優れた素材を選びましょう。
表面が滑らかで光沢のある素材は、お手入れしやすく清潔に保ちやすいです。

(3)硬い素材に気を付ける

トリーニ ヤコポ「大阪・大理石の家」
カウンターの素材に使われる天然石や人工大理石は、とても硬いです。
頭をぶつけると命に関わるケガをする恐れがあるため、まだ視野の狭い小さな子供やお年寄りに特に注意が必要。健康な大人でもぶつけることはあるので、高さ設定や素材選びは安全に配慮して検討したいものです。

(4)実物を見る

カウンター素材はカタログでも選べますが、印刷物や画面で見た色合いと実物ではかなりイメージが異なることもしばしば。
見た目だけでなく、質感や掃除のしやすさ、傷のつきやすさなども含め、必ず実物を見て選びましょう。カットサンプルを取り寄せるのも良いですが、大きなものを見たいならショールームへ足を運んでみるのもおすすめです。

(5)高さや奥行は用途に合わせる

カウンターを計画する際は、用途をよく考えましょう。
立って使う場合と座って使う場合で適切な高さは大きく異なりますし、行う作業によって必要な奥行も変わります。
カウンターの使用用途を検討し、適切な高さや必要な奥行を考えて設置してください。
カウンターはおしゃれで便利なだけでなく、実用性に富んだ優れもの。
間取りを見ながら、どこにどんなカウンターがあれば便利か、イメージを膨らませてみてはいかがでしょうか。
お気に入りに追加

この記事を書いた人

佐藤ゆうかさん

2級建築士。
工業高校卒業後、中小規模の建設会社に勤務。
木造住宅を中心に新築やリフォームの設計に携る。
現在は3児の育児を中心に在宅ワークに励み、いつか現役復帰を夢見ながら建設業界にしがみつく日々。

SUVACOは、自分らしい家づくり・リノベーションをしたいユーザーとそれを叶えるプロ(専門家)とが出会うプラットフォームです。

家づくりについて学ぶ

「自分らしい家づくり」に大切な、正しい家づくりの知識が身につくHowTo コンテンツ集です。

専門家を無料でご提案

家づくり・リノベーションはどこに頼むのがいい?SUVACOの専任アドバイザーが全国1,000社以上からご希望に合うプロをご提案します。

住宅事例をみる

リノベーション・注文住宅の事例を見たい方はこちら

家づくりの依頼先を探す

リノベーション会社や建築家、工務店など家づくりの専門家を探したい方はこちら

会員登録を行うと、家づくりに役立つメールマガジンが届いたり、アイデア集めや依頼先の検討にお気に入り・フォロー機能が使えるようになります。

会員登録へ

同じテーマの記事

住まいの記事 カテゴリー一覧

専門家探しも、家づくりのお悩みも
SUVACOのアドバイザーに相談してみよう

専門家紹介サービスを見る