2023/04/20更新0like1102view

著者:岩間光佐子

快適で心地のよいリビングづくりに大切なプランニングのポイント&アイデア

この記事を書いた人

岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

住まいの中でも家族のだんらんの場所として長い時間を過ごすことの多いリビング。最近では、ダイニングやキッチンとつながるワンルームのプランが多くみられます。ここでは、リビングスペースをより快適で居心地よくするためのポイントやアイデアをまとめました。

SUVACOが専門家をご提案

家づくり・リノベーションはどこに頼むのがいい?SUVACOがご要望に合ったプロを提案します。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

ワンルームのLDKでは空間のつながり方に注意を

リビングは家族が集まる大切な空間。来客を招くスペースとしても使われることもあるでしょう。最近では、ダイニングやキッチンとつなげたひとつの空間としてプランニングされるケースも多くみられます。家づくりの際には、LDK空間全体として検討することが大切です。

ダイニングやキッチンとつなげたひとつの空間にリビングをプランニングする場合は、LDKのつながり方がポイント。その方法は、すべてを見渡せるようなオープンな空間とする、格子などの建材である程度の目隠しを設ける、LDKそれぞれを角度をつけて配置したり、天井高や床高を変えることで緩やかに区切るなど、家族構成やライフスタイルによって多様に考えられるでしょう。

例えば、幼いお子さんがいる場合は、どこにいても子どもの様子が分かるよう目の行き届くオープンなプランニングが向いています。
また、リビングでゆっくりと過ごすことが多かったり、客間としても利用する場合は、リビングとダイニングキッチンのスペースを少しずらして配置し、空間を分けることも考えられるでしょう。
リビングスペースでは、誰がどのように過ごすのか、過ごしたいのかを考慮してプランニングを検討していきましょう。

吹き抜けなどで縦方向のつながりも意識して

限られた条件の中で広々としたリビングを実現するための方法のひとつに吹き抜けを取り入れることが考えられます。吹き抜けとは、多層階の建物で、2層以上の高さにまたがって設けられる空間やスペースのこと。一般的な住宅では、1階の玄関ホールやリビングなどに設けるケースが多くみられます。

吹き抜けの魅力は、プランや条件にもよりますが、光や風を取り込み、開放的な空間が実現できること。天井が高くなることで、縦方向に広がりが生まれ、ゆったりとした心地よさを得ることもできます。
また、屋根形状を生かしたり、梁や小屋組みなどをみせるなど変化のある空間づくりも可能。上下階の空間につながりが生まれるため、家族の気配を感じることもできるでしょう。

腰越 耕太「大屋根の家」

テレビの配置も重要に

リビングに設置することが多いテレビ。最近では、画面サイズも大きくなり、インテリアにも大きく影響するアイテムのひとつです。テレビの設置にも関わる配線計画は、家づくりの中でも早めに決定しなければならないため、間取りプランと同時に設置する位置や方法を検討することが大切です。

考え方としては、まず、誰が、いつ、何時間ぐらい見るのか、家族の視聴スタイルを明確にすること。それによって、テレビの位置はもちろん、ソファのレイアウト、照明プランなども変わってきます。特に、ひとつの空間であるLDKプランの場合、リビングだけでなくLDK全体で検討することが重要です。ダイニングからも視聴するのか、対面キッチンなどのカウンター越しにも画面を見ることがあるのか、によっても設置位置は変わってくるでしょう。

また、注意したいのは生活動線。テレビとソファなどの間に、家族が行き来しないようにすることで落ち着いて鑑賞することが可能です。同時に、画面の見やすさにも配慮を。窓から射し込む光や照明が画面へ映りこまないように配慮が必要です。

収納スペースを確保してすっきりとした空間に

リビング空間では日常的にテレビを見たり音楽や読書を楽しんだり、さらには幼いお子さんの遊び場……といった、さまざまな過ごし方や作業をする場所となります。
そのような空間には多種多様なモノが集まるため、それらに適した収納スペースを確保しておきたいもの。すっきりと片付いた空間とするためには、家族構成やライフスタイルに適した収納プランを検討することが大切です。

「使うところにしまう」という収納の基本をもとに、リビングで家族がどう過ごすのか、必要となるモノは何かをピックアップ。そのためには、どの程度の収納スペースが必要かを明確にするようにしましょう。

例えば、テレビやAV機器、周辺機器の設置や収納から検討を。周辺機器やソフトを収納しテレビを置くことができるキャビネットなどが考えられます。取扱説明書やリモコンなどの収納スペースを確保しておくと重宝するでしょう。また、新聞や雑誌、子供のおもちゃや絵本などの置き場も確保しておきたいもの。大きめの本棚をプランニングすることで、ファミリーライブラリーとしても、飾り棚としても利用できます。

そのほか、アイロン、裁縫道具、家計関係、学校の書類、掃除用具など、多様な物を収納できる物入れは、来客時に散らかった物を一時保管できるスペースとしても使い勝手がよいでしょう。

空調計画にも配慮したい

ゆったりとくつろぐ空間づくりには、空調計画も重要なポイント。住まい全体の断熱性を確保しておくことは基本ですが、特にLDKがひとつの空間であったり、吹き抜けを設ける広い空間の場合は十分に検討したいものです。空調計画にあたっては専門的な知識が必要なので、希望や不安な点などは担当者に相談するようにしましょう。

一般的なエアコン以外で、リビングで用いられる暖房機器には、輻射熱で部屋全体をムラなく暖め空気を汚さない床暖房や温水パネルヒーターを採用するケースが多いでしょう。空間全体が暖まるため、心地よく過ごすことができます。床暖房にはいくつかの種類があり、住まいの全体の熱源にも関わるので、取り入れたい場合は早めに検討することがポイントです。

また吹き抜けプランの場合、上部に溜まってしまう冬場の暖気は、部屋の空気を撹拌(かくはん)するシーリングファンを天井などに設置することで、循環させることができます。夏場は、冷房のムラを少なくすることも可能です。

照明やコンセントの配置は計画的に

照明計画も快適さを左右するポイントのひとつ。多様な使い方をするリビングでは、一室一灯ではなく、ダウンライトやブラケット、スタンドなどを組み合わせたり、明るさを調節することができる調光機能付きのタイプを取り入れるなど、シーンに合わせた照明スタイルを検討しましょう。
読書や作業をする時には明るめに、ゆったりとくつろぎたい時は暗めに、といった演出することが可能に。複数の照明をリモコン一台で操作できるものやスマートフォンで操作できるものなどもあるので、使い方に合わせて取り入れてみてもいいでしょう。

また、テレビや周辺機器、充電機器など、リビングまわりでは多くのコンセントが必要になります。必要な数を洗い出すとともに、間取りや動線に合わせた位置に設置することが大切です。日々使用するものなので、使い勝手を十分に検討し計画するようにしましょう。

家づくりの中で、照明やコンセントなどの配線プランを検討するのは、おおよその間取りが決まった時期になります。設計担当者の提案する電気配線(設備)図を確認する際には、まず、図面の中で家族の日々の動きをイメージすること。朝起きてから眠るまで、どのような過ごし方をするのか、動きをするのかを考えてみることが大切です。その上で、必要な照明やコンセント、設置する位置が適しているかを確認するようにしましょう。

内装材選びのコツ

心地よい空間づくりには、内装材も重要なアイテム。特に床材は足触りがよく、疲れない素材を選びたいものです。リビングの床材として多く用いられるのがフローリング。大きく無垢材(単層フローリング)と複合(複層)フローリングに分けられます。

無垢材(単層フローリング)

単一の無垢の木材でできた無垢材は、自然な木のもつ重厚な素材感や温かみ、年月が経つほどに味わい深くなっていくのが大きな魅力。素材や塗装方法に合わせたお手入れ、傷などへの配慮が必要なことを理解した上で選ぶようにしましょう。

複合(複層)フローリング

合板などの基材の表面に化粧材を張り合わせたものが複合(複層)フローリング。化粧材によって、薄く削った天然木の単板(突き板)を用いるタイプ、化粧シートなど特殊加工の化粧材を張ったタイプがあります。デザイン性や機能性(耐水性、防汚性、耐傷性、ペット配慮など)を高めた商品が多くみられます。
その他、クッション性の高いコルクタイル、カーペットやラグなどを敷いてもいいでしょう。清潔さを保つことができる、お手入れしやすい素材を選ぶことが大切ですが、リビングだけでなく、ダイニングやキッチンなど、つながる空間も考慮して選ぶことがポイントです。
また、壁にはクロス(壁紙)や塗装仕上げなどがあります。それぞれの特徴や空間全体のイメージに合わせて選べるとよいでしょう。

クロス(壁紙)張りの壁

最も多く用いられるのが壁クロス。ビニールクロスや紙クロス、織物(布)クロスなどがありますが、一般的な住宅では、塩化ビニール樹脂などを主な素材とするシートに紙などを裏打ちしたビニールクロスが主流でしょう。色やデザインのバリエーションが豊富なだけでなく、耐久性や清掃性、防汚性や防カビ・抗菌、耐水性、ペット対策などの機能を高めた商品多くみられます。

左官塗装仕上げの壁

伝統的な左官塗壁工法である、塗壁仕上げ。その中でも、環境や健康への配慮から、珪藻土(けいそうど)や漆喰(しっくい)壁などは人気の素材。調湿性、断熱性、防火性、防音性などに優れていると言われています。仕上げの方法によって凹凸ができ、自然な陰影が生まれ、仕上がりに継ぎ目が無いことも魅力でしょう。
お気に入りに追加

この記事を書いた人

岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

SUVACOは、自分らしい家づくり・リノベーションをしたいユーザーとそれを叶えるプロ(専門家)とが出会うプラットフォームです。

家づくりについて学ぶ

「自分らしい家づくり」に大切な、正しい家づくりの知識が身につくHowTo コンテンツ集です。

専門家を無料でご提案

家づくり・リノベーションはどこに頼むのがいい?SUVACOの専任アドバイザーが全国1,000社以上からご希望に合うプロをご提案します。

住宅事例をみる

リノベーション・注文住宅の事例を見たい方はこちら

家づくりの依頼先を探す

リノベーション会社や建築家、工務店など家づくりの専門家を探したい方はこちら

会員登録を行うと、家づくりに役立つメールマガジンが届いたり、アイデア集めや依頼先の検討にお気に入り・フォロー機能が使えるようになります。

会員登録へ

同じテーマの記事

住まいの記事 カテゴリー一覧

専門家探しも、家づくりのお悩みも
SUVACOのアドバイザーに相談してみよう

専門家紹介サービスを見る