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2022/04/08更新|0like|4164view
一生に一度の家づくり、クルマや家具、家電と違ってそう何度も買い換えるものでもありません。となれば、力が入るのも当然ですが、こだわりによっては家が素敵でいられる時間をぎゅっと縮めてしまうこともあるものです。せっかくつくる家が、“誇れる我が家”であり続けるために、大きなスパンで家を捉えてみませんか。
オシャレの賞味期限
家族も時代も、変わっていく
欲しいのは、変化に耐えられる家
変わるのは、世のトレンドだけではありません。年月とともに、その家に暮らす家族の年齢も、構成も、ライフスタイルも、そして自分自身も変わっていきます。
30代半ばで家をつくった、ある施主の事例から。
ご夫妻は、小学2年生と年長さんのふたりの女の子がいる4人家族。奥さまはふんわりやわらかな雰囲気の方で、可愛らしいテイストが好みと言います。子どもたちもいつもかわいい服を着て打ち合わせについてきてはお母さんの後ろに隠れていました。ご夫妻はつくる家にも愛らしさを求めていましたが、「今の好みを反映しすぎるのはどうか」というこちらのアドバイスを受け、シンプルをベースにして、一部の照明器具や建具にだけ少し甘いニュアンスを含んだ家をつくりました。
それから5、6年後。ご自宅に伺うと、上の子は運動部に所属する中学生に、シャイで控えめだった下の子はハキハキ話す快活な少女になっていました。「すっかり反抗期で」と奥さま。「私の選ぶ服は全然着ないし、言うことも聞いてくれない」と笑い、「私もカワイイ系は選ばなくなった」と言います。確かに奥さまも以前よりさっぱりとした印象。あれだけふんわり可愛い世界観をまとっていたのに、大きな変化に驚きます。
聞けば、子どもたちが活発になるにつれ可愛い服を嫌がるようになり、次第に自分も興味を持たなくなったのだとか。「今はシンプルが好き。どうして家に甘いニュアンスを刻んでしまったんだろうってちょっと後悔しているぐらい。もっと強く止めてくれたらよかったのに」。そう聞いて、「やっぱり」と思うと同時に「もっと強く訴えたらよかった」とこちらも反省。
そう。人の趣味や好みは変わるのです。
わずか5、6年でも、小2の子は中学生に、年長さんは高学年に。家のなかに小さな子どもはいなくなり、ご夫妻だって40代になっています。どんな人も“ずっと同じ”ではいられないのだとすれば、家に趣味やスタイルを刻み込むのはよほど注意した方がいいと言えそうです。
家は、一度建つと何十年とそこにあり続けます。その間、時代の流行りやトレンドも、家族の趣味や思考もどんどん変わり、さらには住み替えや相続などで住む人だって変わるとすれば、家はできるだけキャパシティが広いほうがいいと言えます。「今どきの家」「自分らしい家」と合う時代や人を限定しすぎると、後々「住みたい」と思う人がいなくなることだってあり得ます。
こだわることは決して悪いことではありませんが、ベクトルが「今」と「自分」に向き過ぎるのは考えもの。あえてベクトルを向けるなら、「変化」と「余白」に向けてみるのもひとつです。変わることを見据えてつくられた家は、時代や家族の変化にたじろぐことなくその時々のトレンドも趣味も好みも受け止めてくれるはずです。
もし、「今」と「自分」に意識が向きすぎていると感じるなら、できたばかりの家だけでなく、10年、20年、30年と年月を経た家にも目を向けてみてはいかがでしょう。時代を感じる家とそうでない家、古びて見える家とそうでない家、個性の強い家とそうでない家。どうだといいということではなく、流れた年月を想像しながら色々な家を見てみると、新たな視点を築けるかもしれません。
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