第4回目は、キッチンについて。僕ら夫婦の想いと、アイデアを詰めたキッチン建築で求めたこと、暮らしの中でのキッチン役割について書いていきます。
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キッチンづくりでこだわった4点とは?
キッチンに求めたその1●隠せる収納棚
キッチンに求めたその2●モザイクタイルとライトアップ
キッチンに求めたその3●そこそこ広めのキッチン通路
キッチンに求めたその4●屋外へとつながる動線
わが家の暮らしの中でのキッチンの役割
キッチンづくりでこだわった4点とは?
よいキッチンとは、値段が高いプロ仕様……ではなく、自分に合っているかどうかだと思います。機能性、収納、動線、そしてデザイン。料理をする人にとっては、家づくりの中でも一番力を入れる場所かもしれません。
そんな僕はというと……ほとんど料理をしません。
だからといって全て妻にお任せしたわけではなく、ちゃっかり口を出しました(笑)。
キッチンについて「建築」面で求めたのは、
●隠せる収納棚
●モザイクタイルとライトアップ
●そこそこ広めのキッチン通路
●屋外へつながる動線
以上の4点です。
では、一つずつ見ていきますね。
キッチンに求めたその1●隠せる収納棚
玄関編でもお話しましたが、僕は基本的に「ものをしまいたい派」。
生活感は極力出したくありません。
ですから、隠せる収納は大事なポイントでした。
生活感の出やすいものといえば、「家電」、「食器」、そして「ゴミ箱」。
やはりしまいたい。
ただし、家電といっても全て隠したいわけではありません。
コーヒーメーカーのように自分基準で「インテリア」として扱えるものは置いてもOKです。また、レンジのようにサイズが大きく重量もあり、しまうと明らかに使い勝手の悪いものは諦めています。
僕が隠したい家電を具体的に挙げると、「炊飯器、トースター、ブレンダー」など。でも、特に炊飯器のように日々使う家電については、隠したために使いにくくなってしまうのは、ちょっと違いますよね。
キッチンに置くものは、使い勝手、そしてそれらを収納する食器棚が、家のテイストに合っているかどうかも大切です。
このように、見た目と機能を同時に求めていくと、造作食器棚という結論に辿り着きました。
もう5年使っていますが、造作だからこそできる形とアイデア、そして家の一部かのような統一感がつくりだせたと思ってます。
ゴミ箱の造作収納もバッチリ。
隠しつつ使いやすく。
炊飯器を置く台(横の扉も同じ仕様)は、前方へスライドして引き出せるようになっています。
跳ね上げタイプの扉で、使わないときは隠せる仕様。
コンセントは抜き差ししなくてもよいように、差込口をふたつにしました。
作業台にもなる飾り棚は、使い勝手を考えて、両サイドにコンセントを設置。
アース線とLANケーブルを通してあります。
キッチンに求めたその2●モザイクタイルとライトアップ
キッチンの主役は妻なので、カッコいいキッチンよりも綺麗なキッチンを目指してタイルを選びました。
トーヨーキッチンの「デイジー」というタイルです。
このタイルの、ほんの少し青みがかかった、虹色のような光沢に惹かれました。
同じような色合いのタイルは他のメーカーにもあるので、数社から取り寄せて見比べました。でも、透明感や輝きの点で、このタイルが一番綺麗に見えました。
価格は他のタイルの数倍でしたが、こだわりたい部分に多少の出費は仕方ありません。
吊り戸棚の下に照明を仕込んで、夜はこのタイルの表情が変わるのを楽しんでいます。
キッチンに求めたその3●そこそこ広めのキッチン通路
わが家のキッチン通路の幅は95cm。
これは、将来子供と一緒にキッチンに立ちたいという妻の要望です。
幅については個人差があると思うのですが、僕や妻の感覚では、95cmという幅は一人でも二人でも使いやすいと思っています。
ただし、わが家の場合、キッチン通路を95cm幅にするとダイニングスペースの広さに影響するため、どちらを優先するかはかなり悩みどころでした。
たかが数cm、されど数cm。
できるなら、いろいろな通路幅をシミュレーションすることをおすすめします。建てた後で簡単に変えられない部分ですから、慎重に越したことはありません。
キッチンに求めたその4●屋外へとつながる動線
キッチンとダイニングの外にはバルコニーがあります。
ダイニング側は引き違い窓、キッチン側にはガラス開き戸を設けて、どちら側からも外へ出られるようにしました。
景色が見えるのも大切なポイントですし、バルコニーでバーベキューをするときはキッチン側の開き戸から食材を運べるので、とても楽です。
バルコニーを有効活用するためには、動線がとても重要だと思います。これが快適かどうかで、バルコニーの使用頻度が変わってきますから。
ちなみに、わが家のキッチンはパナソニックのI型システムキッチン。
背面を造作壁で隠し、対面式として使ってます。
実は、僕が当初ほしかったキッチンは予想以上に高価だったため、諦めました。そこで妻にお任せしたらこれを選んだのですが、今度は予想を下回る価格でした。予算を特に制限したわけでもなく、好きなタイプのキッチンを選んだらたまたま予算より安かった、それだけです(笑)。
そのおかげで、キッチンの他の部分に力を注げました。
建築に求めた収納、見た目、スペース、動線。
料理のしやすさはシステムキッチンのカスタム対応力にお任せ。
このように、コストやこだわりを差し引きしながら、トータルではうまくいったように思っています。
わが家の暮らしの中でのキッチンの役割
当たり前ですが、キッチンは料理をする場所で、暮らしに欠かせません。
そして、わが家のキッチンには近い未来の夢が詰まっています。たとえば、子供と一緒に並んで料理をする夢。子供たちがもう少し大きくなったら、家族でバルコニーバーベキューをする夢。
大げさかもしれませんが、わが家にとってキッチンは、家族の笑顔をつくるための場所という気がします。
また、キッチンは家の主役の一つ。お客さんが来たら、絶対に目が行く場所ですよね。
暮らしの一部を悟られるような場所だと思っているので、常々綺麗を保つように気をつけてます。食品を扱うので、インテリアでごまかすわけにもいきません。
建築の部分では、生活感が出るものをほぼ全て隠して、他に目線が行くように気を配りました。その結果、ふとしたときに見えるタイルの輝きや景色が、インテリア以上の癒しとなっています。
これは料理をしない僕の自己満です。ある意味、お客さんのような目線(笑)。
わが家にとってキッチンは、一番長い時間を過ごすリビングからもよく見える場所。
「いつでも気持ちよく暮らす」。そのためにも、重要な役割を担っています。
一口に「キッチン」といっても、システムキッチン、造作キッチン、フルオーダーメイドなど、選びきれないほどいろいろなタイプがあります。選ぶ基準も、料理のしやすさはもちろんのこと、デザイン、収納、メンテナンスなど、たくさんありすぎます。
そのほか、キッチンに立たない時間でも目に入るものや、収納棚、動線のことなど、こだわり始めたらキリがありません。
でも僕は、そのこだわりはとても大切で、時間をかける必要があると思っています。なんたって、家の主役の一つですから。ぜひ、夢のあるキッチンをつくってもらいたいと思います。
インテリア写真については、キッチンにはほとんど飾っていないので、次回のリビング編でお届けしたいと思います。こだわりのありすぎるリビング、ぜひ次回も読んでいただけるとうれしいです。