第5回目は、リビングについて。ここは、家で最も長い時間を過ごす場所、そして暮らしの中心となる場所です。いかに居心地よく、快適に過ごせるか。そして楽しみがあるか。そんな思いを詰め込んでつくりました。
リビングはこだわった部分が多いので、2回に分けてお届けします。
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リビングづくりでこだわった点は?
インパクトのある大きな窓
床には無垢材を
スキップフロア
アイアン手すりの境界線
リビングの照明
リビングづくりでこだわった点は?
リビングをつくるにあたり、設計者にお願いしたのは
●インパクトのある大きな窓
●床には無垢材を
●スキップフロア
●アイアン手すりの境界線
●大きな画面で映画を見たい
●視界を遮らない工夫
●音響機器を自由に配置したい
以上の7点です。
今回は前編として、この中で最初の4つ
●インパクトのある大きな窓
●床には無垢材を
●スキップフロア
●アイアン手すりの境界線
について書いていきます。
インパクトのある大きな窓
「景色を眺めるための大きな窓」がほしい。
「開放感のある連なる窓」がほしい。
この家のすべては、ここから始まったといえます。
土地探しの基準は窓からの景色。そして、視線を外すためだけに2Fをリビングにし、窓を中心に家をつくりました。
「四季を感じられるのは日本ならではの特権だから、それを活かさないともったいない」
そんなことを思っていました。
家の目の前に広がる桜の開花、新緑、紅葉、そして落葉。家の中の快適な空間から臨める景色はひと味違い、”至福”のひと言です。
大きな5つのFIX窓の下には、滑り出し窓を使っています。
滑り出し窓は、開放したままでも雨はほとんど入ってきません。
正解でした。もちろん、風もとり込めるのでとても便利です。
この窓は特殊な組み方なので、水漏れの可能性があるという指摘が事前にありました。
そこを同意した上でつくってもらっています。
5年住んでますが、今のところは大丈夫です。
また、出窓にすることによって空間が広がりました。
植物や本、インテリアなどを、陳列用の家具を置かずに飾れるので、リビングスペースがより広く使えます。
床には無垢材を
わが家の床には、無垢のナラ材を使用しています。
こちらは、普通よりも幅が広いワイドタイプ。
このワイドタイプ、幅が狭くて細いタイプよりもどっしりと構えてくれるようで、お気に入りです。
床を素足で踏んだときの気持ちよさは、何といっても無垢材に尽きます。
なぜナラ材にしたかというと、まず、木目が綺麗で力強いこと。
加えて、使う家具が既に決まっていたからです。
わが家の家具のほとんどが、ナラ材かオーク材です(産地の違いでそう呼びます)。
木材は、種類が違えば全くの別物。
異なる種類の木を組み合わせてつくっていくインテリアは、色のトーンが変わるため、僕にとっては難しく、また統一感を出すには、家具と同じ材を使った方がよいと思っていました。
ちなみに天井はというと、レッドシダーが使われてます。「そこは違うんかよ!」と聞こえてきそう(笑)。
なぜレッドシダーにしたのか、それは理由があります。
天井の板張り。これは、設計事務所に契約前に手渡しした「したいことリスト」のひとつだったのですが、その後は話が進展せず、僕はすっかり他のことに気を取られていました。
そして家の建設が進む中、設計事務所から突如サプライズプレゼントとしていただいたのが、この天井板張りです。本当にありがたいです。
これが白い天井だと、リビングの雰囲気は全然違ってきます。床と天井を木材で挟むことによって、空間をグッと近づけ、引き締めてくれます。
ただし、白い天井よりも圧迫感を感じるので、もし検討される場合は、少し高めの天井高にしたほうがよいと思います。
ちなみにわが家の天井高は280cmです。
スキップフロア
空間を分けるためにスキップフロアを利用しました。
視界のズレひとつで、空間としての境ができます。わが家ではリビングとダイニングを分けています。
また、段差があるとそこに座るという使い方もできるので、息子のお気に入りの場所になっています。
子供は階段や段差が好きですよね。
友人の子供たちもよく登っては降りを繰り返してます。
アイアン手すりの境界線
こちらも、空間の境界線にするためにつくりました。
たとえば、視界の抜けがない壁などで間仕切りをすると、どうしても圧迫感を感じてしまいます。たかだか棒一本ですが、仕切りとしての役割は充分。
それに黒い手すりは、空間を引き締めてくれます。
フックをかけて、簡易的な収納を付けたり、インテリアを飾ることもできるので便利です。
以上、リビングでこだわったポイント・前編の4つでした。
また次回へ続きます。
リビングの照明
インテリア事例として、今回はリビングで使っている照明をご紹介します。
まずはリビングの中心にある、セルジュ・ムーユの「シュスポンション トワ ブラ ピヴォタン」。
インテリア誌を見ていてこの照明に目を留めたのは、家を建てる数年前。
その見た目のカッコよさに惹かれ、将来絶対につけようと思ってました。
インスタグラムでもよく質問を受けるこの照明。自宅に入れたいという方も多いようです。IDEEショップで取り扱っています。ときどき10%OFFセールがあるので、その際の購入をおすすめします。
大きな照明なだけに、気になるのが天井高。
僕の感覚ですが、260cm以上ないと、圧迫感がかなりあるように思います。
アームが水平に動き、ヘッド部分で角度の調節ができるので、光の向きは自由につくれます。
ただ、見た目のかっこよさが大切な照明ですので、3つのアームが寄りすぎるようなバランスを崩す使い方はできないですよね(笑)。
ダイニングに比べると、リビングに大きな天井照明が使われることは、一般的に少ないように感じます。
でも、リビングにも大きな天井照明は似合いますよー。
そのほか、移動しやすいテーブルライトを使っています。
こちらはTRUCK FURNITUREのテーブルランプです。
このライトは100wまでOKなので、サブ照明としての光量は充分。わが家では、フィリップスのHUEシングルランプを付けています。
これはWi-Fiを通じて、ON、OFF、調光、変光、シーンに合わせたプリセットなどをアプリで操作できる便利な電球。
たとえば、こんな感じ。
どんな色にでも変えられます。もちろん、蛍光色にもできます。
そして、ネットにさえつないでいれば、家にいなくてもコントロールできるのも特徴。(アプリを操作するには、インターネットにつなぐための受信機が別途必要)
なかなか便利な電球です。
こちらはTRUCK FURNITUREの「T-IN1」です。
アイアンベースと麻シェードの異素材の組み合わせが特徴です。
サイズが手ごろなのと、シェードの向きを変えて光の向きをコントロールできるので、どこにでも使いやすく愛用しています。
窓際の椅子に座ったときに手元を照らすためのライトは、テレンス・コンランがHABITA社のためにデザインした、MACランプです。
こちらはイギリスのヴィンテージ品。
シンプルですが存在感があります。
海外のヴィンテージ品では、B22という電球のサイズが必要なのですが、今では大手ショップングサイトでも買えるので便利になりました。
数量が少ないと送料かかるので、まとめて買ってます(笑)。
以前にもわが家の照明の使い方をお話しましたが、暗めの空間の中で、座る場所ごとにひとつづつ灯りを置いていく、という使い方が好みです。
居場所をつくるためにはライトが必須、といっても過言ではありません。
照明は雰囲気をあたためてくれます。それは僕が「家に求める想い」にも近いように思います。
「安心感、リラックス、居心地のよさ」
同じ部屋でも、照明次第で雰囲気はがらりと変わります。インテリアにこだわるなら、絶対に外せないアイテムのひとつ。
形や大きさ、シェードや土台の素材、そして明るさ。
世の中には本当にたくさんの物があります。
照明好きの僕としては、たくさんの方がぜひ好みのライトを見つけて、灯りを感じる暮らしをしてほしいと思います。
次回は、リビングづくり後編です。
「建築」で求めたことの続き。写真だけでは見逃してしまいそうな部分です。でもそんな小さいこだわりが、もう間に合わない段階で「しておけばよかった……」という後悔をなくしてくれます。
ぜひ次回も読んでいただけるとうれしいです。