2017年02月25日更新

おしゃれな部屋事例(その他)

床の間を現代の住まいに生かすには

昨今の新築住宅では和室の計画さえしないケースも見られますので、床の間にあまり馴染みのない方も多いかもしれません。しかし日本人が昔から大切にしてきた「風情」を感じることができる床の間が家にあるというのも、とても心地が良いものです。ここではそんな床の間について、どのような工夫をすれば現代の住まいに生かすことができるのかを考えてみたいと思います。


なぜ床の間が作られなくなってきているのか

昔と比べて床の間が作られなくなった理由として、一つ目は一般的な住宅において床の間の役割や必要性を感じにくくなったためです。華道や茶道などをされているお宅であれば和室はもちろん床の間はとても重要ですが、そうでない(和室を計画するか否か自体を迷われているような)方々にとっては、どうしても必要のないものとして位置づけられてしまう傾向にあります。

もう一つはスペースやコスト面です。予算や建蔽率または敷地面積等の関係で床面積を削るはめになってしまった際に、最初に削る選択を迫られるのが和室や床の間だったりします。

では作るとどんな利点があるのか?

実用性が低いと思われがちな床の間ではありますが、床の間の無い、畳だけ敷かれた和室だと殺風景に感じることもあります。何か飾り付けようにも、洋室とは違って絵画や雑貨も合わせにくそうですよね。せっかく和室をつくるのであれば床の間も設けて、季節の花を生けたり、陶器を飾って風情を感じてみるのも良いのではないでしょうか。

またインテリアの世界に、「アイ・スポット」というキーワードがあります。これは「視線を集める場所」というそのままの意味ですが、例えば絵画、和室の場合は床の間や掛け軸がこれにあたります。これらの飾り物に人は自然に目を向けてしまいます。このアイ・スポットをうまく計画すると、人は目のやりどころに困らずリラックスができると言われています。

先ほど床の間の必要性は感じにくくなっていると言いましたが、こう考えると重要な場所に思えてきませんか。それでは現代の住まいに生かす方法を見てみましょう。

その1.間取りを圧迫しない、最小限のスペースで計画してみる

床の間が間取りを圧迫するのであれば、それを最小限に抑えるため本来の床の間の半分の奥行きにしてみてはどうでしょうか。奥行きをなくすことで、ニッチのようなモダンでスッキリとした印象になります。

またこちらの床の間は懐の両側が出窓で、二方向から光が入ります。飾るだけではなく、光を取り入れる実用性も兼ねた造りになっています。

少し引いて和室の入り口から見てみましょう。床の間部分が出窓になっていることは写真からでは確認できませんが、自然光をうまく操って丁寧に計画されているのが伝わってきます。

その2.照明やデザインにこだわり、癒しの空間に

昔の床の間は照明計画などされることはほとんどありませんでしたが、現代に取り入れるならばぜひ照明(または自然光)をうまく利用して幻想的に「魅せる」工夫をするのもおすすめです。こうすることで格段に和室の魅力が増し、床の間があって良かったと思えるはずです。
こちらの床の間は間接照明の光が、優しい女性的な雰囲気を演出しています。

一変、こちらは金箔貼の床の間とその横の違い棚には日本刀のような飾りがとても力強さを感じる、男性的な雰囲気です。間接照明と地窓からの光も相まって壁一面がアートのようです。

シンプルモダンがお好みの方は、壁面をシャープに四角くくり抜いたような床の間はいかがでしょうか。華美な装飾はせず、白一色で統一された床の間はおしゃれでモダンな仕上がりに。また間接照明が幻想的な雰囲気を演出しています。

戸建リノベーション・リフォーム事例

K House / 清州の住宅 木造築37年のリノベーション

700万円、60㎡

空間全体がモダンにコーディネートされた和室。襖の市松模様と床の間の青の珪藻土壁の組み合わせが素敵です。床の間は床框(ことがまち)や床柱(とこばしら)をあしらった、床の間の基本的なしつらえの「本床」のスタイルを空間に合わせてモダンにアレンジ。間接照明が上品に床の間の魅力を引き出しています。

床の間と一言にいっても本当にたくさんのバリエーションがあります。馴染みの薄かった方も少し床の間の魅力を感じていただけたのではないでしょうか。
現代の住宅にも十分に順応できますので、床の間をお気に入りのスタイルに仕上げて風情ある空間を手に入れてみませんか。

専門家紹介サービス

この記事を書いた人

eritoさん

北欧、南欧建築も好きですが、昔ながらの日本建築も大好きです。

最近お気に入りされた写真

  • リビング3
  • リビング1
  • リビングダイニングキッチン
  • 地窓のある和室
  • 造作洗面

知っておきたい家づくりQ&A

自分らしい家、誰とつくる?