2021/07/08更新1like7787view

著者:岩間光佐子

今どきの住まいに畳を上手に取り入れるには?

この記事を書いた人

岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

コロナ禍、在宅勤務も一般化し、家で過ごす時間が長くなってきています。仕事とプライベートの場が混在する中、心を落ち着かせ、くつろぐことのできる空間づくりも必要でしょう。最近では、さまざまな用途に用いることができ、ごろっと横になることができる畳を用いたスペースが見直されてきています。ここでは、畳を用いた空間づくり、プランニングのポイントをまとめました。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

畳空間を取り入れるメリット

リビングと和室をつなげたり、リビングの一角に畳コーナーを設けるプランは、一戸建てだけでなくマンションでも多く見られる間取りです。本格的な和室は少なくなりましたが、和モダン、民芸調などの和を感じさせる空間、床材として畳を用いた和洋折衷のインテリアなど、畳を取り入れた空間には多様なデザインがみられます。

畳を用いた場合の魅力は、床に直に座る「床座」の暮らしができること。ごろっと横になることも可能です。リビングの中に設けたり隣接させたプランであれば、くつろぎの場が広がるとともに、家族構成や暮らし方に合わせ、さまざまな使い方ができるのもメリットです。

畳の種類もさまざま

畳の大きさ・サイズは、地方によっても異なりますが、通常の用い方としては、一畳サイズもしくは半畳サイズを選ぶことになるでしょう。敷き込むタイプの畳だけでなく、自由にレイアウトできる置畳もみられます。

畳表(たたみおもて)の素材には、一般的なイグサの畳だけでなく、最近ではポリプロピレンなどと無機材料を混合したタイプ、和紙を用いた商品なども開発されています。耐久性や耐水性、耐汚性などが高められ、お手入れがしやすいもの、ダニやカビの発生をおさえるタイプ、クッション性を高めたタイプなども揃っています。また、多様な色や多彩な織柄などを揃えた商品もみられます。

その他、畳縁のデザインバリエーションも豊富になってきており、畳表とのコーディネートはもちろん、用途やインテリアに合わせて選ぶことが可能です。また、どんな空間にも合わせやすく、すっきりとしたインテリアが実現する、畳縁のないタイプも注目されています。

畳を取り入れたスペース実例

リビングに隣接させて

間取りプランとして多くみられるのは、リビングの一角を畳スペースとしたり、リビングと和室をつなげた空間。家族がいる場所からも様子が分かるため、幼い子供の昼寝スペースとして利用できますし、洗濯物を畳む場所としても重宝します。ひな人形や五月人形などを飾る空間としても適しているでしょう。

小上がりスペースとして

また、床材に畳を用いて小上がりのような段差のあるスペースとするプランもみられます。段差のないつくりに比べ、ある程度、独立した空間となるのも魅力。間仕切り(戸襖や障子、扉など)を設置すれば個室として独立性も高くなります。腰掛けることもできるため、くつろぎのスタイルも多様に広がりますし、段差部分を利用して畳下を収納スペースにすることも可能です。

子供室やプレイルームに

畳は子供部屋やプレイルームなどにも向いています。適度なクッション性もあり、座ったり寝転んだりすることができるので、幼いお子さんの遊び場として使い勝手のいいものです。自由な姿勢で読書をすることができるファミリーライブラリーなどにもいいでしょう。

フリースペースに

もちろん、予備室などに取り入れればさまざまな用途に利用することも可能。間仕切りを設けることで、客間や仕事部屋にもなります。フリースペースとなることも多い、ロフトなどに取り入れてもいいでしょう(地域によっては床材に制限がある場合もあるので事前に確認を)。

プランニングのポイント

目的を明確に。隣接する空間とのつながりに注意

畳を用いた空間をプランニングする際に注意したいのは、主となる使用目的に合わせた広さや配置、動線に配慮すること。家族のくつろぎの場なのか、お客様を招く場なのかによって、隣接する空間とのつながりも異なります。リビングとの一体感を重視するのか、玄関からの動線を優先させるのか、などさまざまな角度から検討するようにしましょう。

間仕切りの有無で使い勝手も変わる

多くみられるリビングに隣接するプランであれば、間仕切りを設けるかどうかも重要なポイント。間仕切りを設けるメリットは、開閉することでフレキシブルに使用できること。開ければリビングとつながり、閉めれば独立した居室として使うことが可能なので、寝室や客間としても利用できるでしょう。

間仕切りを設けないタイプは、よりリビングと一体感が生まれます。フローリングなどの床材と馴染むように、たとえば、縁なし畳を用いたり、半畳タイプを組み合わせても。壁材や天井材を含め、空間全体のコーディネートに配慮することが大切です。

段差を設ける場合には高さに注意

床面を少し上げ、他の床と段差を付けた小上がりの和室や畳コーナーとする場合は、段差の寸法に注意を。腰を掛けるのか、掘りごたつを設置したいのか、収納スペースを確保したいのか、目的に合わせた高さを確保するようにしましょう。また、幼いお子さんがいる場合には、安全な高さとしておくこと。プランによってはステップなどを設けてもいいでしょう。

フレキシブルに利用できる置き畳などを上手に活用して

畳を用いた空間は欲しいけれど、生活スタイルや将来の変化などに合わせてフレキシブルに使用したい、という希望に適しているのが置き畳。畳を敷きこまず、使用目的に合わせてフローリングなどの上に置くだけのタイプです。メーカーからは、半畳ほどの大きさの畳を組み合わせることができる、多様な商品が提案されています。素材やカラーバリエーションも豊富なので、空間に合わせてコーディネートを楽しむこともできるでしょう。

また、小上がりのような空間を実現する建材商品もみられます。箱畳のようなユニットを組み合わせることで畳スペースや椅子、収納などとしても使うことができるものです。リビングチェアや長椅子として、掘りごたつのようなプランも可能。間取りに合わせて取り入れることができるでしょう。

畳空間は多様な用途に用いることができる空間です。在宅ワークでの仕事部屋としても使用できますし、ごろっとできることで気分転換の場ともなるでしょう。プランニングの際には、設置する目的や優先順位を明確にして、それに適した広さや空間づくりを。現在のライフスタイルだけでなく将来の暮らし方をイメージすることが大切です。
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岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

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