2021/06/04更新1like3362view

著者:岩間光佐子

夜の印象も大切に。夜の外観も美しいわが家のつくり方

この記事を書いた人

岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

住まいの印象には、昼間の雰囲気だけでなく夕暮れや夜間の佇まいも影響します。美しい外観を実現するためには、エクステリア(外まわり)のつくりや照明プランに十分に配慮したいものです。ここでは、暗い夜でも素敵な外まわりプランのポイントや注意点をまとめました。

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▽ 目次 (クリックでスクロールします)

エクステリア照明計画の基本

住まいづくりを進めていく中で、外観やエクステリアを検討する際には、昼間の佇まいだけでなく、夜の雰囲気も考慮しておくことが大切です。夕暮れや夜間のイメージは、その家の印象にも大きく影響するものです。

夜間の外観イメージを左右するのは、エクステリア(外まわり)の照明プラン。プランニングの基本は、足元や周囲に明るさを確保すること、防犯効果を持たせることはもちろんですが、門まわりや庭などに適した光の演出も配慮しておきたいものです。最近では、建物を含めて外まわり全体を演出するようなプランも増えてきており、光源の使い方に工夫した提案も多くみられるようになりました。

スペースによって異なる照明プランの考え方

エクステリアの照明プランは、全体を考慮しながら検討することが大切ですが、空間スペースごとに注意したいポイントもあります。

■門まわり
門まわりには段差があることも多く、門扉の開閉などもあるため、安全性を重視した明るさを確保することがポイントです。また、表札やポスト(投函口)などの見やすさにも配慮したいものです。

門灯には、暗くなると自動で点灯し明るくなると消灯するセンサー付き、時間によって点灯・消灯するタイマー付きなどを用いれば、つけ忘れや消し忘れを防ぐことが可能。設置する方も多い機能門柱には、あらかじめ照明が組み込まれたデザインも多いため、プランニングによっては建材選びと照明計画を同時に検討することも必要でしょう。
■アプローチ
プランニングにもよりますが、門扉から玄関までのアプローチ空間も安全性を重視した照明計画が基本です。足元を明るくするためには、フットライトを組み込んだり、低めの高さの照明器具を設置するのもいいでしょう。

アプローチに距離がある場合は、玄関まで誘導するように複数の灯りを並べる、周囲の植栽をライトアップする、といった演出も考えられます。

■玄関まわり
玄関まわりは鍵の施開錠がしやすいように、また、ドアホン越しに訪問者の姿が認識しやすいように、玄関ポーチ全体を明るくすることが必要です。玄関灯やポーチ灯の照明器具は、玄関まわりのポイントともなるケースも多いので、空間に適したデザインを。メーカー商品には豊富なデザインが揃い、門灯とコーディネートできるタイプなどもみられます。
中島謙一郎「目神山の住家」
■駐車スペース
夜間の車の出し入れのための安全性を重視した上で、荷物の積み下ろしなどがしやすいような明るさを確保すること。車の誘導灯としてフットライトを取り入れてもいいでしょう。駐車スペースのプランにもよりますが、防犯面への配慮が必要な場合も。人感センサー付きのタイプも適しています。建材商品のカーポートやガレージには、照明を組み込むことが可能なタイプもあります。

■デッキ・ベランダ
デッキやバルコニーなどは、その利用方法などにもよりますが、ホームパーティーなどで使う機会が多い場合は、スポットライトなどを設置し、食事などがしやすい明るさを確保したいもの。また、プランによっては、段差や手すりの位置などが把握できる光も必要でしょう。

ベランダやデッキは、外観イメージにも大きく関わるため、作業性だけでなく、外壁に光を当てたり、植木鉢などをライトアップするのもいいでしょう。

植栽との組み合わせ、外壁の表情も意識したい

庭に明るさをもたらす照明は、さまざまなプランが考えられますが、植栽に光をあてたり、建物の外壁面を照らすなどの演出をすることで、より印象的な外観がうまれるでしょう。

植栽を照らす場合は、庭園灯やアッパーライトなどが適しています。庭全体というよりも、ポイントを絞ることでより印象深い雰囲気になることも。たとえば、シンボルツリーをライトアップする、樹木のシルエットを外壁面に映す、といった手法も考えられます。壁面に映るその陰影によって幻想的な雰囲気を演出することができるでしょう。また、灯りに高低差をつけることで、奥行きや立体感も生まれるもの。平面だけでなく、立体的に考えることもポイントです。

建物を照らす照明としては、下から上向きに照らすアッパーライト、壁面に設置するブラケット、部分的にはスポットライトなど。外壁面にシャワーのようにいくつかの光をあてるのもいいでしょう。

窓からの漏れる光も印象的に

夜間の佇まいの美しさを左右するのは、エクステリアの照明プランはもちろん、窓からこぼれる光も大切なポイントになります。

プライバシーを確保することは必要ですが、窓の形状や配置、カーテンなどを通した光などにも配慮したいものです。たとえば、高い位置の窓や連窓からリズミカルに光がこぼれるのも印象的な雰囲気を醸し出すでしょう。
また、窓辺やベランダ手すりなどに、格子のような光がこぼれる建材や建具を用いることで、空間に奥行きを感じることも。また、ある程度、閉鎖的な外観デザインでも、中庭など、内側を明るくすることで、光が上へと広がり印象深いイメージになるでしょう。内側からの光の用い方でも魅力的な佇まいを作ることが可能です。
岩瀬 隆広「Shipな家(in江津)」

ランニングコスト、近隣への配慮も考慮して

エクステリア照明に限ったことではありませんが、プランニングの際には、無駄なエネルギーを使用しない計画としたいものです。イニシャルコストだけでなくランニングコストを考えた機器選びを。LEDを用いることはもちろん、明るさセンサー付きやタイマー付きのタイプを選ぶことも大切です。

また、ライトアップなどの照明プランとする際は、近隣への影響も配慮しておきたいもの。近隣のお宅の間取りなどにもよりますが、終夜点灯する場合などは、光の方向や明るさなどに注意をするようにしましょう。

外まわりの照明は、わが家だけでなく周辺の灯りともなるもの。周囲の街並みに馴染むようなプランニングを心掛けることも忘れてはいけないポイントのひとつでしょう。
後藤孝「竹林の家」
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岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

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