2019/11/14更新0like4270view

著者:SUVACO編集部

専門家フィーチャー

施工監理は家づくりのゴールキーパー | LOHAS studio(ロハススタジオ)インタビュー

大切な家づくりを考える時、皆さんは何を重視されるでしょうか。デザイン?間取り?…それも、もちろんとても大切な要素です。一方で「よくわからないからお任せ…」と見逃されがちなポイントに「施工」があります。

「施工」とは家をつくる際の工事のこと。細部までこだわったデザインを実現することも、地震や気温の変化に強い構造も、施工力の有無で大きく結果が違ってきます。

そんな家づくりの大事な要素の1つ、「施工」とその工程に携わるお仕事を知ることで、専門家選びの基準も変わってくるかもしれません。そこでSUVACO編集部が突撃インタビューを決行! 施工力に定評のあるリノベーション会社や工務店でお話を伺いました。

今回はその第1弾として、LOHAS studio(ロハススタジオ)をご紹介します。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

今回お話を伺ったLOHAS studio(ロハススタジオ)

LOHAS studio(ロハススタジオ)は、デザインの美しさと環境や健康への配慮を兼ね備えたリノベーションを得意とする会社。無垢材や珪藻土などの自然素材にこだわり、「光と風、断熱、省エネ、自然素材、愉しむをデザインする“パッシブデザイン”」を提案しています。

社内には、意匠(いしょう)設計を担当するインテリアデザイナー25名と構造設計を担当する設計事業部のメンバーが2名、施工監理22名が在籍し、工事に携わる多くの職人さんと一緒に心地良い家づくりを進めています。

それぞれのお仕事内容について、最高技術責任者で施工を含めた各部を統括する澤田 亮(さわだ りょう)本部長と、意匠設計を統括するデザイン部の小山 祐理子(こやま ゆりこ)部長にお話を伺いました。
最高技術責任者 澤田さん(右)と、デザイン部 小山さん(左)

最高技術責任者 澤田さん(右)と、デザイン部 小山さん(左)

「設計」のお仕事って?実は2種類あるんです

―― インテリアデザイナーが担当する「意匠設計」と設計事業部の「構造設計」とは、それぞれどのようなお仕事ですか?

小山さん:
「意匠設計」では、お客様とお話ししながら間取りやデザインを細部に至るまで計画・設計していきます。また、LOHAS studio のインテリアデザイナーは、意匠設計に加えてインテリアのコーディネートまでご提案をしています。

澤田さん:
「構造設計」を担当する設計事業部は、意匠設計が作成した図面のチェックと、構造などの検討やチェックを行う部署です。耐久性がある建物を作るための構造計算なども行います。

意匠設計と構造設計は建築の分野でも分かれていて、意匠設計の図面だけで進めると構造について十分に検討されず、弱い建物・現在の基準にマッチしない建物をつくってしまうことにもなりかねません。そのためLOHAS studio では、意匠設計と構造設計を分けて確認をし、施工監理が確認した現場の状況も共有しながらダブルチェックを行っています。

現場監督だけじゃない。リノベーション前の物件確認や費用の算出も施工監理の仕事

―― 施工監理の方はいわゆる工事中の現場監督的なことだけではなく、もっと前段階の現場チェックからプロジェクトに入られるのですね。

澤田さん:
営業担当が検討初期のお客さまとお話をし、デザイナーがヒアリングをした後で、現地へ確認に伺うのですが、その際に施工監理が一緒に伺うケースが多いかなと思います。ですので、施工監理の担当もご契約前からお客さまとお顔を合わせることが多いですね。

既存の建物の状態を施工監理が調査し、その結果報告を元に設計事業部が検証・検討をします。また、工事でかかる費用の算出も施工監理が行い、それを元に営業が見積もりを作成します。

お客様が中古物件を購入される際に、物件探しから施工監理が同行する場合もあります。物件を買う時は、物件価格だけではなくリノベーションの費用感も分かっていないと、なかなか決めにくいですよね。

そこで、この物件でご希望のリノベーションが可能なのか、またリノベーションに必要なおおよその費用感などを施工監理が確認するんです。

―― なるほど。物件探しにもご同行いただけると心強いですね!

澤田さん:
物件選びから同行させていただければ、その建物の状態が良いのか、あるいはそうでないのかも含めてお伝えし、できるだけのアドバイスをさせていただけるのでお勧めです。

チーム間の情報共有だけではなく、本部や役職者によるチェック機能で安心・安全を担保

―― 設計、施工など社内のメンバー間での役割分担はどのようにされていますか?

澤田さん:
お客さまから家づくりのお話を頂いたら、営業とデザイナー、施工監理がチームを作り、お客様のご要望を共有する最初のミーティングを行います。

そして現地調査を経てお打ち合わせが進んだところで、ご契約前に内容確認のチームミーティングを行います。その先はチーム内での綿密な情報共有に加え、会社全体でのチェック体制に入ります。

チームとは別に、本部の設計事業部による図面チェックや、着工前の現場の確認、解体後検査など、たくさんのチェック工程があります。

さらに工事中は、施工監理の担当者に加えて、部署の役職者(部長、課長、主任)が、見逃しを防ぎ品質を担保する目的で、「着工前・解体後・中間・完了前」の4回、規定のチェックシートを元に現場のチェックをしていきます。

高いコミュニケーション能力が必要な LOHAS studioの施工監理

―― 御社の「施工監理」というお仕事の特徴を教えてください。

澤田さん:
「他社とちょっと違うかもな」と思っているのは、高いコミュニケーション能力が必要だということ。

LOHAS studio の場合、ご契約後の工事進行中は、施工監理がメインのお客様窓口になるので、お客様から変更のご希望を頂いた場合には、その対応やどのようにしたいかの具体的なヒアリングも行っています。現場の管理や進行だけを行えばよいわけではないんですね。

また、現場でも職人さんとのコミュニケーションはとても大切ですし、新しい職人さんが増えた場合には、弊社の工事の手順や方法を施工監理が教えて、守ってもらう必要があります。

施工監理は家づくりの進行と品質を守る「ゴールキーパー」

―― お客様との接客から工事の進行やクオリティ管理まで行う施工監理のお仕事ですが、例えば家をつくってしばらく経ち、お客様が「もう一度一部リノベーションしたい、メンテナンスで工事をしたい」という場合に、施工監理の方を指名されるケースはありますか?

澤田さん:
デザイナーは指名があるのですが、施工監理は「きれいに仕上がって当たり前」と思われてしまう仕事なので、デザイナーに比べるとかなり少ないですね。それぞれの施工監理が、こだわりと矜持を持ってしっかりと工事を進行し、詳細なチェックをしているからこそ、良い家に仕上がるのですが…。

自社による施工品質が保たれているからこそ、細かなデザインも含めた計画が実現できる。これが例えば、社外の施工会社に丸投げしているような会社さんだと、せっかくディテールなどをお打ち合わせしたとしても、現場にきちんと伝わらず意味がなくなってしまうくらい大切な仕事だと思います。


―― 施工監理は「縁の下の力持ち」ですね。

澤田さん:
ある施工監理の担当者が「僕の仕事はゴールキーパーなんです」と言ったことが、今も心に響いています。

「きちんと工期通りに、予算内できれいに仕上がった」。それは“当たり前”なので誰にも評価されない。目立たないんですよ、ゴールキーパーって守って当たり前のポジションなので。

どんなに現場をきれいに納めても、タイルをきれいに割り付けても誰も気づかない。だから設計したデザイナーが「こんなにきれいにやってくれたの!?」と褒めてくれた時には、すごくうれしいと思います。

小山さん:
「たまには褒めてあげてください」とお客さまにもお伝えしたいです(笑

ブランド力の向上には、職人さんの協力が欠かせない

―― 職人さんとのおつきあいで、良い工事をしていただけるよう工夫していることはありますか?

小山さん:
モチベーションを高めるといいう意味では、「サプライヤー会」という私たちの取引業者さんの会があるのですが、そこで年に1回ホテルや会館などを借りて総会をしています。その中で、その年に多くの案件を担当してくださった方や、社員の投票によって決める「ベストサプライヤー賞」を数組発表しています。工事で着ていただけるトレーナーやブルゾンをプレゼントしているんですよ。

澤田さん:
その職人さんに一番お仕事をお願いしたスタッフからの感謝の声も、動画のビデオレターで流すんです。

―― それはうれしいですね!

澤田さん:
LOHAS studio というブランド力を上げることは、職人さんの協力がなければ絶対にできないので、その思いはサプライヤー総会の時などに伝え、感謝をしています。

職人さんは大切なパートナーなので、うちでは「下請け」「職人さんを使う」のような上下関係を感じる言葉は使わないんです。「協力業者さん」「サプライヤー」と呼び、「この大工さんに今回お願いしよう」と。

それも「一緒に良いものを作ろう!」と意識を高く持っていただけている理由の一つではないかと思います。

施工力に自信があるから、難しいご依頼でも「チャレンジ」が実現できる

―― リノベーション会社を選ぶときのアドバイスをお願いします。

澤田さん:
お客さまとお話する時に「お医者さんに内科や外科があるように、建築の分野でも木造が得意な会社、マンションが得意な会社…と、それぞれ得意な分野があるんですよ」という話をしています。


―― LOHAS studioはどんなお客様におすすめですか?

澤田さん:
マンションも戸建ても、自然素材を使った家もオールマイティにできるところが強みですね。また、デザインを重視される方や断熱性能を強く求めている方にも、おすすめしたいです。

―― 断熱は実際に住んでみるととても大切なのに、なかなか気づいていない方もいらっしゃるポイントですよね。

小山さん:
自然素材や光や風を取り入れて住みやすい環境をつくる、弊社のパッシブデザインや断熱改修は施工力がないとなかなか難しいんです。リノベーションであれば特に。

―― 自社の施工品質に自信を持たれていることは、設計やデザインにも反映されますか?

澤田さん:
例えば意匠設計だけしかできず、構造がよく解らない会社の場合だと「こういう間取りにしていいのか、できるのか」が判断できず、「できなかったら困るので、この壁を抜かないでおこう」など安全寄りに妥協した設計になってしまう可能性があります。

でも弊社には、社内に施工監理がいて構造設計の事業部もあるので、不安を感じたときにはすぐに確認が取れる。お客さまの意向に沿ったチャレンジも、実現可能性を確認した上で提案できるんです。

小山さん:
よくお客さまから「他社さんに無理だと言われたけれど、こういうことがしたいんです」というご相談を受けるのですが、うちでは普段から行っている工事内容なので、「全然問題ないですよ」とお答えするケースも多いです。

高い施工力で実現した心地よい家は、暮らし方まで変えてくれる

今回お話を伺ったLOHAS studio の家づくりでは、設計と施工の役割の違いや、高い施工力が実現できることについて、改めて気づくことができました。

そんなLOHAS studioがつくった家は、多くのお客様から「今までインテリアに興味がなかった夫が家づくりをきっかけに目覚め、毎週雑貨や食器を一緒に買いに行くようになった」「家でご飯を食べたりホームパーティをする回数が増えた。だってレストランより家の方が、雰囲気も良く寛げるから」「冬に暖房を入れなくても、パジャマで1階に降りてこられる!」などの声が寄せられているそうです。

高い施工力に裏付けられて実現したおうちは、そんな素敵なライフスタイルまで叶えてしまうんですね。
対応業務 注文住宅、リノベーション (戸建、マンション、部分)
所在地 埼玉県さいたま市大宮区 (ほか全17拠点)
主な対応エリア 埼玉県 / 千葉県 / 東京都 / 神奈川県
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