2019/11/22更新1like3972view

著者:SUVACO編集部

専門家フィーチャー

お客様の笑顔のために、現場で知恵を絞る | One’s Life ホームインタビュー

「施工」とは家をつくる際の工事のことです。デザインや間取りの設計に比べて目立ちにくい工程ですが、施工力の高さは専門家を選ぶときの大切なポイントの1つ。家づくりのトラブルを防げるのみならず、仕上がりや住み心地まで変わってくるんです。

そこでSUVACO編集部は、施工力に定評のあるリノベーション会社や工務店にインタビューを行い、各社の取り組みや配慮を伺ってきました。

シリーズ第2回目の今回は、One’s Life ホームをご紹介します。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

今回お話を伺ったOne’s Life ホーム

One’s Life ホーム は選りすぐりの建築家とコラボレーションし、自然素材を用いたこだわりのリノベーションを実現する会社。One’s Life ホームの営業担当と現場監督、そしてパートナーの建築家や登録制の職人集団「一生会(いっせいかい)」が、お客様に寄り添い、要望をかたちにしてくれます。

現場監督は6名。リノベーション新築 のどちらを専門とするかによって、チーム分けをされています。今回はリノベーションをご担当されている、営業の中山 梓(なかやま あずさ)さん、現場監督として活躍する粟生 賢司(あおう けんじ)さん、三上 太賀吉(みかみ たかきち)さんにお話を伺いました。
営業の中山さん(右)、現場監督 粟生さん(中)、現場監督 三上さん(左)

営業の中山さん(右)、現場監督 粟生さん(中)、現場監督 三上さん(左)

建築家とコラボレーションして、お客様に最適な設計提案を実現

―― 建築家とコラボしているとのことですが、設計のご担当者も、社内にいらっしゃるのですか?

中山さん:
自社内に設計担当は置かず、デザインや間取りなどプランニングの工程のみを、パートナーである建築家の方々にお願いしています。

スケジュール管理、コスト管理、工事の現場管理を自社内で行い、お客様とのメインの窓口はご依頼を頂いてからお引き渡しまで営業が一貫して担当するため、ご契約は弊社との直接請負契約となります(※)。私たち営業がメインの窓口となり、フォローやサポートしていきますので「直接建築家の先生に依頼するのは敷居が高いかも…」とお考えの方にもおすすめです。

※リフォーム・リノベーションの場合はOne’s Life ホーム との直接請負契約。新築の場合はお客様と建築家さんとで設計契約を別途結んでいただきます。

―― 契約している建築家さんは何人くらいいらっしゃるのでしょうか。

中山さん:
50人以上ご登録いただいていて、常に一緒にお仕事をさせていただいている方だけに絞っても20~30人いらっしゃいます。その中から、お住まいの状況やデザインのご要望を私たちがしっかりと伺い、最適な建築家の先生をご紹介しています。あえてよりすぐった1名をご紹介し、お客様と1対1でしっかり対話して設計を進めていただきます。

もちろん、ご紹介した建築家さんとお話があまり合わない場合などは、途中で改めて他の方をご紹介することもできるので、安心してお任せいただければと思います。

工事の要所では、営業や建築家もお客様と一緒に現場に立ち会う。 そのタイミングを考えるのも、現場監督の仕事。

―― 粟生さんや三上さんは「現場監督」というお話でしたが、お二人のお仕事内容を教えていただけますか?

粟生(あおう)さん:
お客様を中心として建築家の先生と弊社の営業とでお話を重ね、それが1つの図面となって出てきます。私たち現場監督は、その図面を元に営業や建築家の先生と充分に対話し、お客様の思いやこだわりを共有したうえで現場に入ります。そしてどのような工事や進め方をするとお客様のご希望に合うかを考えながら、現場を進めていきます。

―― 現場を見たお客様が「やっぱりここのデザインを変えたいな」と考えるケースもあるかと思います。そのような要望はどのように営業さんや建築家さんにフィードバックするのでしょうか。

中山さん:
設計・デザインに関係する部分は、基本的に建築家さんにご判断を頂くので、現場に入ってからも随時、要所・要所でお客様が立ち会われるときに、建築家さんを交えて一緒にお話をすることが多いです。

また、他の会社さんの場合、着工後のお客様とのやり取りは現場監督がメインとなることも多いと思いますが、One’s Life ホーム ではお引渡しまで、基本的なお客様とのやり取りは営業が行うんです。工事に至るまでの間、お見積もりのお話を含めて密にお話をしているのが営業担当なので。

ですから、お客さまにご確認をお願いするタイミングには、営業も必ず現場に立ち合います。

―― 建築家さんに立ち会ってもらうタイミングは、現場監督さんが設定されるのですか?

粟生さん:
はい。お客様によって大事にされているポイントが異なるので、One’s Life ホーム は、決まった工事の進め方を持たず、お客様に合わせてフレキシブルに変えているんです。

週1回定例ミーティングを設けているケースもありますし、お客様が大事にされているポイントに重点を合わせて「ここで建築家さんに来てほしい」など、現場に応じてお願いしています。

また、家の構造に手を加える場合は、構造が終わった段階で建築家さんに確認してもらってチェックをする、お客様がデザインにこだわりを持つ部分を工事する場合は、その工程の途中で何度か来ていただこう…など、考えながら対応をしていますね。

流れ作業ではなく「このお客様にとってベストな工事」を考える

――「工事に決まった進め方がない」というお話を伺いましたが、職人さんへの施工マニュアルなどはあるのでしょうか。

粟生さん:
マニュアルにまとめられないほど、お客様ごとに細かい部分を変えるので…。私たちは小さい会社ならではのアットホームなコミュニケーションを通して、1つ1つの住宅でベストなやり方を見つけていけるところも強みだと思っています。

いわゆる大量生産的なことをしたくない、決めたセオリー通りに流れ作業を行うやり方は、One’s Life ホーム には合わないかなと。

例えば「ここに棚をつくりたい」というとき、簡単につくるなら、一枚の板と脚をビス(らせん状のネジ溝が付いた留め具)で留めたり、「受け桟(うけざん)」という桟(さん)をつけてその上に棚を載せる方法をとると思いますが、そうするとビスの頭が見えてしまったり、桟が見えてあまり美しくない。そういう場合、我々はよく「壁に飲み込ませる」という方法を使います。

壁の中に棚を埋め込んでしまい、その中で補強を取って、足や桟をつけずにあたかも壁から棚が生えているような…。そういう部分は、どんな平面図・展開図・立面図でも書ききれないので、私たちが現場で職人さんにやり方を伝えています。

ケースバイケースで「ここはこれをつけるときれいに見える」「ここではむしろ省いた方がいい」というように、現場で考えながら提案します。営業や建築家さんにも「ここはこういう風にしたいけれどどうだろう」と提案し、建築家の先生から「いや、そこはお客様がこうおっしゃっていたから、こうした方が良いのでは…」というように、相談しながら進めていますね。

中山さん:
「現場監督」というと、工事の段取りを取って指示を出すのが基本的な仕事だと思うのですが、弊社の場合は納まりを建築家さんが監修されるで、ご予算の範囲でいかに一番美しく、そしてお客様のご希望に近いものをつくるかを考えることが、現場監督の大切な仕事なんです。

三上さん:
誠心誠意、心を込めて現場を進めていくと、お客様から新たなご意見が出てくることもあります。そこにいかに柔軟に応えられるか。それは私たちの規模だからこそできることだと思います。

例えば細かい部分の色ひとつでも、事前の打ち合わせで決めた色が、現場で見て「うまく言えないけれどイメージと違った」というお客様の相談を受けることも。最初に決めた色が濃い色なら、一度はがしてから再度塗り、それでもまだちょっと違う。職人さんに何度もやり直していただいた末に「そうそう、これです!」と笑っていただけたときには本当にうれしくなりました。

とにかく「いかにお客様に家づくりを楽しんでいただけるか」に思いを置きながら、工事を進行しています。

職人さんや建築家さんと一緒に、お客様に寄り添う家づくり

―― 職人さんの「一生会(いっせいかい)」について教えてください。
中山さん:
「一生会」は One’s Life ホーム の登録業者会です。弊社の施工はすべて、一生会の登録業者さんにご担当いただくので、リノベーションやリフォームをお任せする職人さんは、ほぼ決まってくるんです。皆さん技術がとても高く、私たち営業が現場に行っても意思疎通がスムーズにできる関係性が築けているので、安心してお任せできています。

粟生さん:
一生会へのご登録は、既に登録されている職人さんからご紹介をいただいたうえで、たくさんお話をし、一定以上の技能をお持ちの方々にお願いしています。

職人さんと営業がコミュニケーションをとることは、他の会社だとそんなにないと思うんです。お互いに低くはない壁があって。でも、うちでは私のような現場監督と連絡が取れず急ぎの時、職人さんが営業に直接確認をしてくれます。そして後から、職人さんからも営業からも報告がくる。その関係性がとてもうまく回っていますね。

中山さん:
弊社は毎年、ホテルで新年会をしているんです。社員の他に各メーカーの担当さんや建築家の先生、登録業者会の方も一斉に集まって。社員も含め円卓にランダムで座り、お互いに楽しく親睦を深められる機会になっています。建築家さんと職人さんも交流できる、とても良い場だと思いますね。

また新年会の宴会の前には、建築家さんは建築家どうし、一生会は職人さんどうしでお集まりいただいて、それぞれの経過報告や新年に向けてのお話をしたり、他の現場で出た問題点などを共有したり。毎年お顔を合わせるので、社員と建築家さん・職人さんだけではなく、建築家の先生どうし、職人さんどうしも仲がいいんです。

そのような親睦や現場を重ねることで、とても良い関係性が築けていますね。職人さんも面倒見がいい方が多いんですよ。私たちがいないときにお客様がちらっと漏らされた声を拾って伝えてくれたり、弊社以外の現場で工事をしたときのお客様の使い勝手をアドバイスしてくれたり。とても参考になりますし、助けられています。

登録いただいている建築家さんも、お客様のご要望に柔軟にご対応いただける方が多いんです。ただデザインするだけでなく、何度も現場に足を運んで根気よくおつきあいくださる。

また、お客様はプロではないので、適切なアドバイスを根気強くご説明くださる場合も。できあがったときにお客様が「建築家さんの提案どおりにして正解だった!」ということも多々あるんですよ。

建築家さんも職人さんも、みんなで一緒にお客様の気持ちに寄り添って進めているからこそ、満足いただける家がつくれるのだと思います。

「安全パトロール」で施工のクオリティをキープ

―― 施工時のチェック体制で工夫されていることはありますか?

粟生さん:
3ヶ月に1回ほどの頻度で「安全パトロール」というものを行っています。取締役の部長も含めた施工監理部のメンバー全員と担当以外の一生会メンバー数名が、動いている現場を抜き打ちで確認するんです。

その時は30項目以上のリストで現場の安全状況を確認するほか、パトロール後に必ず全員で総評をしていきます。改善が必要な箇所は早急な改善に向けて方針を決め、逆に良かったところも挙げて共有していく。現場ごとに反省会を行うので、良いチェック機能になっていると思います。

―― 改善点とは別に、良かったところも挙げるのはいいですね。

粟生さん:
現場の大工さんにもすごく喜んでもらえますね。面識の少ないメンバーから「ここすごくきれいに納まっていますね」「このやり方はすごくいいね」と評価してもらえることが、良い刺激になると思います。良い取り組みは、私たちも自分の現場に取り入れたいですし、続けていきたい取り組みですね。

お客様の喜ぶ顔と感動が現場監督の醍醐味

マンションに限らず、難しい構造の戸建てリノベーションについても、構造設計を得意とする建築家さんや職人さんの声を取り入れて、最良のかたちをご提案するというOne’s Life ホーム

今回お話を伺った現場監督お二人にお仕事の醍醐味を伺ったところ、「お引渡しのご説明の時、お客様が工事中のエピソードをうれしそうに振り返り “頼んで良かった” と喜んでくださること」(粟生さん)、「職人さんにもお客様にも、人に恵まれていることに感謝。チームワークが円滑に回っている充実感がうれしいです。これからも感動していただける家を目指したい」(三上さん)とのこと。

営業の中山さんの「検討中の方を、お引渡し後のお客様のおうちに案内する『OB宅訪問』は、検討中の方に向けてOBのお客様が何でも説明をしてくださるんです。私がほとんど話さなくてもいいくらい(笑)」という言葉も、お客様がとても満足されているからこそのエピソードですね。
対応業務 注文住宅、リノベーション (戸建、マンション、部分)
所在地 東京都世田谷区
主な対応エリア 埼玉県 / 千葉県 / 東京都 / 神奈川県
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