「温故知新」古い事柄から、新たな発見をするという意味の熟語です。レトロモダンとは、まさにその言葉にならい、古きを楽しんだり、古きから新たな価値を見出したりしながら現代風のスタイルを心地よく進化させるインテリアテイスト。今回は、さまざまな可能性のあるレトロモダンなインテリアをご紹介します。
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レトロモダンの考え方
和の文化を楽しむレトロモダン
男前に伝統を味わうアメリカンスタイル
ヨーロッパクラシックにみるエレガントモダン
レトロモダンの考え方
レトロモダンなインテリアとひとくちに言っても、表現の仕方にはいくつかの考え方があります。
古民家リノベーションなどでも多くみられる、昔ながらの住宅にモダンな機能やデザイン家具・雑貨をコーディネートするパターン。
その逆の、最新機能やデザインをもつモダンな空間に、歴史的な価値や趣のある家具・雑貨をコーディネートするパターン。
また、レトロは「古いもの」という意味で解釈されがちですが、本来は「Retrospective(回顧・回顧主義」の略語。実際に古いものがあるわけではないけれど、質感や色合いで懐かしい雰囲気をプラスしたモダンな空間もまた、レトロモダンのひとつといえるでしょう。
さらに風土ごとに歴史や文化は異なるので、さまざまな楽しみ方の可能性を秘めているのがレトロモダンインテリアの魅力です。
和の文化を楽しむレトロモダン
古民家リノベーションによって生まれた、レトロモダンのお手本ともいえる空間。
重厚感のある梁現しの天井が、日本の伝統的な工法や建物の歴史をインテリアに投影しているのが印象的。
印象的な名作アームチェや落ち着いた色味のフローリングでコーディネートすることで、黒い壁と白い壁のコントラストが引き立たせ合います。
むき出しの梁をアクセントに、広すぎる部屋をR開口をデザインに取り入れることで、その時にぴったりな大きさの空間に感じてしまいます。あまり観ない形を取り入れると、それがアンバランスなものになってしまうことも多々ありますが、モダンな雰囲気のとても洗練された空間になりました。
古民家や古道具がなくても、日本のレトロを楽しむことはできます。たとえば、日本の古い家屋によく使われていた型ガラスをインテリアの一部に取り入れてみるのもよいでしょう。
ドアや室内窓に型ガラスを用いると、レトロ感をプラスしてくれます。さまざまな細工入りの型ガラスは現代では生産が減っていますが、梨地や霞と呼ばれるオーソドックスな柄であれば、新しいものでも比較的手に入りやすいようです。
男前に伝統を味わうアメリカンスタイル
アメリカのレトロをインテリアに投影すると、日本のレトロとはまったく異なる味わいが生まれます。
アメリカの発展の背景には工業があるためか、真鍮やアイアン、革張りのような無骨で男前なアイテムが多くなるのも特徴です。
革製品や木材は「ムラ感」のあるものを選ぶと、古いものでなくてもレトロな演出ができます。また、アメリカ風のレトロモダンを楽しむ場合は、ミッドセンチュリー風に鮮やかな色をアクセントに取り入れてみるのも効果的です。
ヨーロッパクラシックにみるエレガントモダン
ヨーロッパのレトロモダンは、上品で優雅な雰囲気になるのが特徴。
シャンデリアや柔らかな曲線のある家具を用いるのもポイントです。濃い色味の木材を用いて空間そのものにクラシックな重厚感を演出すると、ヨーロッパの文化背景をベースにしたレトロモダンなスタイリングの完成度が上がります。
ヨーロッパの教会が発祥とされている、ステンドグラスを建具や装飾の一部に取り入れるだけでも、レトロな雰囲気をプラスすることができます。
新しく生まれる技術や意匠は、少なからず過去からなにかを学び、活かされているのではないでしょうか。レトロとモダンは意味は真逆でも、深いところでは通じでいるので馴染みがよいのかもしれませんね。