2019/01/15更新0like1344view太田みお

マイホーム計画にトラブル発生!「隣地境界線50cm」ルールの障壁【心地よい暮らしのレシピvol.22】

料理研究家・太田みおが10年住んだフルリノベ中古マンションから、注文住宅への住み替えを決意。夢のマイホームの完成までの実録です。今回は、購入した土地の境界線をめぐって実際に勃発したトラブルについて、お届けします。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

トラブル発生!設計やりなおし

わが家のマイホーム計画。以前の記事で約半年間のミーティングを経てだいたいの設計が固まり、この連載で間取り公開まで済んだところでした。

ところが!
その後、まさかのトラブルが起きて、設計をガラリと変えることになってしまいました。

そのトラブルとは、「隣地境界線50cmルール」に関するもの。

隣地境界線から50cm後退のルールとは?

隣地境界線とは、所有する土地と隣地(ご隣人の保有する土地)の境界を定める線のことです。

住宅の外壁は民法第234条において、隣地境界線から50cm以内に進出してはならないとされています。つまり、「建物を建てるときは、隣地に近づけすぎてはならない」という規定があるのです。

隣人に許可なく隣地境界線から50㎝以内に外壁を設けた場合、建築の中止や変更を求められたり、損害賠償を求められたりする場合があります。

隣家との距離が近すぎると、部屋に陽が入りにくく、お互いに日照を阻害してしまったり、声などが丸聞こえで騒音トラブルになる可能性があり、このようなトラブルを事前に防ぐために、民法で家を近づけすぎないように定められているのですね。

都市によってはもっと厳しく、50㎝ではなく1m、もしくは1.5mの後退が定められている場合もあるので注意が必要です。

私が購入した土地は50cmの規定の地域でした。しかし、東京都内の土地は狭く非常に密集しているため、すべての民法上のルールを守って理想の建築物を建てるのは難しい場合が多くあります。

そういった場合、隣人から了承が得られれば、隣地境界線から50cm以内に外壁が進出した設計も可能となります。民法上の規定はあくまで一般的なルールであり、隣人との合意や地域の慣習が優先される、とされています。
↑隣地境界線は、このように印が打たれてある場合が多いです

↑隣地境界線は、このように印が打たれてある場合が多いです

隣人が50cmルールを守っていない

さて、私が購入した土地ですが、実は隣人がこの50cm規定を守っていません。
了承なく、近いところでは境界線から20cmの近さにまでわが家側に外壁が迫っており、さらに配管パイプはこちらの土地に越境しているのです。

わが家の設計を進める中で、道路斜線制限(道路の日照や採光、通風に支障をきたさないよう、また周辺に圧迫感を与えないように、建築物の高さを規制したルールのこと)を天空率(一定の基準を満たせば、従来の道路斜線制限、隣地斜線制限、北側斜線制限に関係なく、より高い建物を建築できるようになったもの)でかわしながら、何十通りもシミュレーションしましたが、隣地境界線50cmルールを守ると、ほんの10cmや20cmのところで、理想とする設計がかなわなかったのです。


そこで、隣地境界線については、「お互いさま」の姿勢で話し合い、合意するのが慣例だから、おそらく隣人に相談すれば、規定よりも少しだけ境界線側に寄ることは、9割がた隣人も了承してくれるだろう(隣人はかなりこちらに寄っている上、パイプを越境させているから)という、土地販売会社と建築設計事務所の方の読みで、設計を詰めていたのです。

交渉スタート!ところが……

半年かけてようやく設計が固まり、さてお隣に交渉、というところでトラブルは発生しました。

隣人は「50cmのルールを1cmたりともこちらに寄ることは許さない!」と、断固とした姿勢でした。

内心、「え……そちらが先に、こちらの了承もなく、だいぶこちら側に寄せて建てていることは棚にあげて? しかも、お宅のパイプ、こっちの土地に越境してますけど、それ忘れてますーーー!?!?」という気持ちでした。

が、一言でもそれに触れると火に油を注ぐような空気でしたので、一切口にすることはできませんでした。
お会いすることも拒絶され、話し合いすらもてない状況なのです。

世の中にはいろいろな人がいらっしゃいますね。読みが甘かった、のひと言に尽きます。これには、建築設計事務所の先生も、非常に頭を抱えていました。
↑私の土地にあるサザンカの木。綺麗な花を見て、トラブルで疲れた心が癒されます(笑)

↑私の土地にあるサザンカの木。綺麗な花を見て、トラブルで疲れた心が癒されます(笑)

穏便に、平和に暮らしたい

新居に住み始めたら、隣人とは長い付き合いが始まります。
入居前からトラブルの溝を深めたくない……なるべく穏便に、平和に暮らしたいと願うのは、人として当然のことです。

このような場合、これ以上話し合おうとしてトラブルを発展させるよりも、ここはぐっとこらえて、こちらは50cmルールを守ってなんとか別のプランで家を建てよう…という姿勢に変更することになりました。

そうして、半年詰めてつくりあげたプランは白紙に…。たった10cmそこらの問題で、家づくりは大きく変わってしまうものなのです。
とても難しいですね……。

10年前、中古マンションのリノベーションをしたときには体験しなかったこの苦労。
やはり注文住宅を建てるのは大変!と改めて実感した出来事でした。

果たして目標とする着工時期に間に合うのか!?
消費税増税前に、工務店と契約を済ませたいところです。
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この記事を書いた人

太田みおさん

料理家/ライフスタイルデザイナー。おもてなし料理とテーブルコーディネートの教室lifestyle atelier MAGNOLIA主宰。企業へのレシピ提供やコラム執筆も行い、「暮らしを美しく、心をゆたかに」をモットーに、食卓から幸せを創り出す活動を行っている。

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