2023/08/25更新0like1301view

著者:岩間光佐子

「リビング階段」のメリットデメリット。検討時に知っておきたいプランニングのコツとは?

この記事を書いた人

岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

家族がくつろぐリビングに設けられる「リビング階段」。家族が顔を合わせる機会が増える、限られたスペースを有効活用できる、といったメリットから子育て世代にも人気のプランです。ここでは「リビング階段」を検討する際に知っておきたい基礎知識をまとめました。

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▽ 目次 (クリックでスクロールします)

「リビング階段」とは

建物の上下階をつなぐ階段。階段の形状やスタイルにはいくつかありますが、最近多くみられるプランが「リビング階段」でしょう。「リビング内(イン)階段」とも呼ばれることもありますが、リビングやダイニングなど、プライベートスペース内に設けた階段プランのことで、玄関からリビングなどを通過する階段を含むこともあります。

建築的な用語というよりは、従来の間取りにみられるような玄関や廊下近くに設けられる階段とは異なる階段スタイルを表す名称。最近の間取りの場合、LDKをひとつの空間とするケースが多いので、「LDK内階段」という方がイメージしやすいかもしれません。

「リビング階段」のメリット

「リビング階段」のメリットは、敷地条件や住まい全体の間取りなどにもよりますが、以下のようなポイントが挙げられます。

1. コミュニケーションが取りやすい

子育て世代に「リビング階段」が注目されている理由のひとつに、子供とのコミュニケーションが取りやすい、という点があります。例えば、1階にLDK、2階に子供部屋を設けたプランであれば帰宅時や外出時に、家族のいるリビングを通り顔を合わせることができる、玄関から自分の部屋へ直行することを防げるため安心感があるという訳です。

しかし、家族がリビングにいれば、顔を合わすことができるかもしれませんが、コミュニケーションが深まるかどうかは別問題。共働きなど生活スタイルによっては不在の場合も。新しい家での毎日の暮らしをイメージして、検討することが重要でしょう。

2. スペースの有効利用

一般的に「リビング階段」のプランの場合、階段部分のスペースをリビングの一部に取り込むことができるので、空間の有効利用が可能と言われています。もちろん、さまざまなプランが考えられるので、すべて有効利用できるかは一概には言えませんが、上手にプランニングすることで、敷地に限りがある狭小住宅などにも向いていると言えるでしょう。

3. 空間的な広がり

「リビング階段」とすることで、上階からの光を下階に取り込むことができ、明るい空間が実現するケースもあります。階段の設け方によっては、より空間に広がりを感じることも可能でしょう。

また、デザイン性の高い階段とすることで、空間のポイントとなる場合も。例えば、螺旋階段やスリット階段などであれば、空間イメージも変わるでしょう。手すりのデザインがインテリアのアクセントとなるケースもみられます。

リビング階段のデメリットとは

「リビング階段」のデメリットは、目に見えない空気やにおい、音など、下記のような問題が挙げられます。

1. 空調効率が悪くなりがち

プランニングによって異なりますが、「リビング階段」が通り道となって冷暖房の効率が下がってしまうことも。階段のスタイルによっては、上階か下階に扉を設けたり、スクリーンを設置するなどの工夫が必要かもしれません。扉であれば、普段は開けておくことができる引き戸タイプが向いているでしょう。

2. キッチンからのニオイ

LDKワンルームの場合、キッチン近くに階段が設けられていると、調理中のニオイが2階まで届いてしまうこともあるようです。階段の配置には十分な配慮が必要でしょう。

3. 上下階の音

音も問題も注意しておきたいポイントのひとつです。階段の配置や設置状況によって、リビングのテレビの音が2階まで聞こえてしまったり、2階の子供部屋で遊ぶ声が響いてしまうといったケースも。それぞれの居心地を考慮して、扉を設けるなど音の対策を施しておきたいものです。

プランニングの注意点

住まい全体で考える

「リビング階段」に限らず、階段は単体ではなく、住まい全体の間取りを検討する中でプランニングするものです。「リビング階段」という言葉に左右されず、取り入れたい目的を明確にして設計担当者と相談することが大切です。

配置や動線に注意を

階段の考え方の基本は、配置や動線、もちろん安全性に配慮することが重要なポイントです。「リビング階段」にこだわるあまり、使い勝手が悪くなっては意味がありません。特に、LDKがひとつの空間の場合では、くつろぎや食事、調理とさまざまな機能を持つ空間の中に階段を設けることになるので、十分に配慮してプランニングするようにしましょう。

適したデザインの建材商品も

以前は、現場で造作されていた階段も、最近では、建材メーカーが工場で加工した踏板や蹴込み(けこみ)板、手摺などがセットされた商品を用いるケースが多くみられます。

商品には、多様なタイプがあり、施工性はもとより、デザイン性の高い商品もそろっています。インテリア部材とのコーディネートも可能なタイプやアルミと木質材を組み合わせたデザイン、螺旋階段などバリエーションも豊富です。

将来のライフスタイルを考慮

「リビング階段」に限らず、間取り全体に言えることですが、プランニングの際には、現在の暮らしだけを考えるのではなく、将来的な家族構成やライフスタイルの変化を考慮することが重要です。幼い子供を育てるには魅力的なプランでも、成長時には適さない場合もあるものです。5年後、10年後の暮らしをイメージし、長期的な視点で検討することが大切でしょう。

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岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

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