2019/08/08更新3like11702view

著者:岩間光佐子

キッチンシンクの種類と特徴・選び方のポイント

この記事を書いた人

岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

キッチンのシンクには、いくつかの素材、さまざまな形状やデザインがあります。最近では、デザインや使い勝手はもとより、お手入れのしやすさに工夫を施したタイプなども多くみられるようになりました。ここでは、キッチンシンクの種類と特徴、選び方のポイントをまとめました。

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作業のしやすさはもちろん空間デザインにも影響するシンク

キッチンプランを考える際には、対面式やアイランドなどレイアウトはもちろん、キャビネットの扉、カウンタートップやシンク、加熱機器や換気扇などのアイテムをひとつひとつ選んでいくことになります。新築やリフォームで多くの方が取り入れるシステムキッチン商品であれば、設定された中から組み合わせていくことになるでしょう。

その中でも、シンクは、キッチン作業全般にかかわる重要なアイテムのひとつ。水まわりの要素として、水栓金具やカウンタートップと同時に検討するものです。

最近はダイニングやリビングとオープンにつながるキッチンプランも多く、カウンターやシンクなどは、LDK空間のイメージにも影響を及ぼす場合も。選ぶ際には、キッチンだけを考えるのではなく、空間全体を考慮して検討することも大切です。色や素材、機能性はもとより、美しさを保つことができるようにお手入れのしやすさもチェックしておきたいポイントです。
クリスタルカウンターと色合いを合わせてシンクをコーディネート。ダイニングやリビングからも清潔感を醸し出すデザインに。 [ザ・クラッソ] TOTO

クリスタルカウンターと色合いを合わせてシンクをコーディネート。ダイニングやリビングからも清潔感を醸し出すデザインに。 [ザ・クラッソ] TOTO

キッチンシンクの主な素材

シンクの素材には、いくつかの種類があります。一般的なシステムキッチンで多く設定されているのは、ステンレスや人工大理石。最近では、メーカーごとに独自の素材を提案しているケースもみられます。

■ステンレス 
耐久性や耐熱性があり、サビにくく、お手入れも楽な素材です。メーカーや商品によって使用する厚みもさまざま。傷がつきにくく目立ちにくい凸凹のある表面仕上げを施したタイプ、傷や汚れが付きにくく落としやすい特殊な表面加工したタイプなどもあります。カウンタートップとシンクが一体となったタイプもみられます。
スクエアな形でシンプルなステンレスのシンク。個性的な水栓と組み合わせて。 [FR21072 キッチンシンク] セラトレーディング

スクエアな形でシンプルなステンレスのシンク。個性的な水栓と組み合わせて。 [FR21072 キッチンシンク] セラトレーディング

■人工大理石  
人工大理石は、天然大理石のように柔らかく温かみがあり、カラーバリエーションも豊富な樹脂素材。メーカーや商品によって、素材感や色合い、お手入れのしやすさなど異なりますが、大きくアクリル系とポリエステル系に分けることができます。

一般的には、アクリル系は透明感があり衝撃性などに優れ、ポリエステル系はアクリル系より比較的安価なものがみられます。商品によって、油や水をはじくコーティングが施されたタイプも。システムキッチン商品では、カウンタートップとシンクの継ぎ目をなくしたタイプもあります。
調理中の野菜洗いやお皿洗いの水で、シンク内ゴミを排水口に向けて流してくれる。シンクの流れる水を科学して誕生したシンク。[流レールシンク アクリストンシンク]  クリナップ

調理中の野菜洗いやお皿洗いの水で、シンク内ゴミを排水口に向けて流してくれる。シンクの流れる水を科学して誕生したシンク。[流レールシンク アクリストンシンク]  クリナップ

■ほうろう(ホーロー) 
ガラス質の釉薬(ゆうやく)を金属の表面に焼き付けたもの。鋼板ほうろうと鋳物ほうろうがあります。独特の滑らかな肌ざわりの仕上げ、美しい色合いなどが魅力。耐熱性や耐久性もある素材ですが、グラスや皿などを落とすと破損しやすいこと、欠けた場合にそこからサビが生じてしまうケースもあるので注意が必要です。

キッチンシンクの形状と設置方法

シンクのスタイルには、一層式と二層式(ダブルシンク)と分けることもありますし、サイズなどによって、ジャンボシンク、ミドルシンクなどと分類することもありますが、メーカーによってもその名称はさまざまです。

一般的にサイズは、間口は600~950mm、奥行きは400~450mm(最大奥行き450~550mm)程度。多くみられるのは、一層式で比較的大きめのタイプ。形状としては、一般的な長方形ばかりではなく、一部を奥まで広げた形やかまぼこ型のようなものも提案されています。

また、シンクの設置方法には、カウンタートップに開けた穴からシンクを落とすオーバーカウンター式、下から設置するアンダーカウンター式などがありますが、システムキッチン商品で多くみられるのが、カウンターとシンクを一体型するなどして、継ぎ目をなくしたタイプ。すっきりとした印象で、汚れも溜まりにくいでしょう。
デザイン、作業性、清掃性を兼ね備えたステンレスシンク。広々としたスペースのデッキ部と大型のシンク、自由に動かせるサポートプレートなどが特徴。 [クラフツマンデッキシンク]  クリナップ 

デザイン、作業性、清掃性を兼ね備えたステンレスシンク。広々としたスペースのデッキ部と大型のシンク、自由に動かせるサポートプレートなどが特徴。 [クラフツマンデッキシンク]  クリナップ 

キッチンシンクの最新傾向。お手入れや使い勝手がアップ

システムキッチンを中心に、洗い物やお手入れがしやすいことがシンクの傾向として挙げられます。

■作業性を高める工夫
最近のシンクは、広々としたスペースを確保するために、各メーカーさまざまな工夫を施したタイプを揃えています。幅や奥行きを確保し、鍋や洗い桶などを並べて置くことが可能なシンクも多くみられます。

また、まな板を置いたり、水切りができる取り外し可能なプレート(ラック)を設置できるタイプ、ラックやプレートそのものが段差をつけて組み込まれているようなデザインも。洗剤やスポンジなどの収納ラックを用意するなど、細かな工夫を取り入れた商品が多く提案されています。
2つのレーンとシンクサポートを組み合わせて調理も後片付けも楽に。 [Wサポートシンク] LIXIL

2つのレーンとシンクサポートを組み合わせて調理も後片付けも楽に。 [Wサポートシンク] LIXIL

■お手入れのしやすさ
システムキッチン全体でも清掃性は高まっています。シンクも同様で、素材そのものだけでなく、表面加工や形状など、汚れや傷がつきにくく、掃除のしやすいシンクが揃っています。

最近、多くみられるのが、排水口の形状や設置位置などの工夫。シンクと排水口部分を一体構造とすることで、継ぎ目がなく掃除がしやすいタイプ、ゴミが集めやすく捨てやすいカゴなどもみられます。また、水栓からの水流によって、排水口(カゴ)にゴミがスムーズにまとまるように、シンク底の形状や角度などに工夫を施したタイプも増えてきています。
コーナーに設けられた排水口に向かって水が流れる設計のシンク。野菜くずなども一緒に押し流せるので、シンクをきれいに保つことができる。 [すべり台シンク] TOTO

コーナーに設けられた排水口に向かって水が流れる設計のシンク。野菜くずなども一緒に押し流せるので、シンクをきれいに保つことができる。 [すべり台シンク] TOTO

■静音設計
最近では、キッチンがダイニングやリビングと同じ空間のプラン、オープンなキッチンプランが増えていることから、音に配慮されたシンクも。水の流れる音などに配慮した、静音設計のシンクも一般的となってきています。

ショールームで素材感、色合い、使い勝手を確認

シンクを検討するには、普段の調理や片付けなどの動きをイメージしながら、適する形状や素材を選ぶこと。ラックやプレートなどはオプションの場合もあるので、必要であれば確認することも大切です。素材や色などは、カウンタートップと同時に検討を。組み合わせによってイメージも異なるので、キャビネットの扉材と合わせてコーディネートするようにしましょう。
シンクだけでなくカウンターや水栓金具などとのコーディネートも意識したい。[リシェルSI  ハイブリッドクォーツシンク] LIXIL

シンクだけでなくカウンターや水栓金具などとのコーディネートも意識したい。[リシェルSI ハイブリッドクォーツシンク] LIXIL

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ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

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