住宅ローンの審査に落ちたら、悲観的になったりしてしまいますね。そうならないために「住宅ローン審査に落ちたときに取るべき行動と対策」について考えておきましょう。
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審査に落ちた理由は何かをまずは分析する
審査に落ちたときにすべきことは?
たとえ落ちてもあきらめずに再度申し込むことが大事
審査に落ちた理由は何かをまずは分析する
結論から言うと、住宅ローン審査に落ちてしまった本当の理由を100%知ることはできません。しかし、落ちた理由を推定することは大切です。
■自分で分からない場合は関係者に聞く
どうして住宅ローン審査に落ちたのか、自分では分からない場合は関係者にも聞いてみましょう。融資を申し込んだ銀行担当者や次に申し込もうとしている銀行担当者に「どうして融資に落ちたと思いますか」と聞いてみましょう。
住宅ローン融資は、銀行の窓口担当の職員ではなく、審査専門部署の職員や第3者機関で審査をおこなっているために、詳細を知らない場合がほとんどですが、たくさんの事例を取り扱っているため、経験から「こんな理由ではないか」との仮説を持っているはずです。同じ理由で不動産会社の営業マンにも聞いてみる価値はあるでしょう。
■よくある審査に落ちる理由は
審査に落ちた理由として次のようなことがあげられます。
・返済負担率が高い
・完済時年齢が高い
・勤続年数が短い
これらのいずれかに当てはまる場合、審査に落ちている人が多いようです。
■個人情報に問題がある場合
審査に落ちた理由を特定するために、「個人信用情報」を確認するのも有効です。自分の個人信用情報は、自分で閲覧することができます。
銀行が審査する際に利用する信用情報機関は「全国銀行個人信用情報センター(KSC)」保証会社が審査する際に利用する信用情報機関は「CIC」「JICC」となっています。どの信用情報も基本的には同じ内容が記載されますので1カ所に照会すればよいですが、念入りに調べたい人は「全国銀行個人信用情報センター(KSC)」「CIC」をチェックすることをおすすめします。
審査に落ちたときにすべきことは?
審査に落ちてしまたら、次のことを検討すべきです。
■審査に落ちた金融機関でもう一度審査をトライするなら
再度同じ金融機関に住宅ローンの申し込みをするならば、条件を変える必要があります。具体的には次のいずれかを試してみることになるでしょう。
・借入額を下げる
・自己資金を増やす(頭金を増やす)
・夫婦、もしくは親子合算で借りる(ペアローンや親子リレーローンを組む)
・借入期間を短くする
・勤続年数を1年以上に延ばしてから申し込む
・申し込みのタイミングを見計らう
「申し込みのタイミングを見計らう」というのは、住宅ローンの申し込みには繁忙期があり、2月~3月と8月~9月がそれにあたります。この時期は申込が殺到するので審査が厳しくなる傾向にあります。ただし3月に関しては、審査が甘くなる場合もあります。万が一、決算の目標に未達の場合は、目標達成のために審査基準を下げるところもあるからです。
前回の申し込みが繁忙期の2月~3月で住宅ローン審査に落ちたのであれば、次の申し込みは閑散期の5月~8月にするなど、時期をずらしてみましょう。
■ほかの銀行で融資を受ける場合
審査に落ちてしまった金融機関とは別の金融機関に申し込もうとする人は、次の方法のいずれかを試してみましょう。
・取りあえず3社~5社は申し込む
住宅ローン審査基準には金融機関ごとに、若干のばらつきがあります。そのため複数の銀行の住宅ローンに申し込みをしましょう。1社、2社の住宅ローン審査に落ちたとしても、4社目、5社目で審査通過することも決して珍しくありません。
申し込みをする際は、業態の違う金融機関に申込むことです。ひと口に銀行と言っても
・メガバンク(都市銀行)
・ネット銀行
・流通系銀行
・地方銀行
・フラット35(住宅金融支援機構)
があり、それぞれ経営方針も住宅ローン申し込みの要件も異なります。ただし、同じ業態だと同じような審査基準になりがちです。3大メガバンク3社に住宅ローンの申し込みをするよりも、メガバンク1行、ネット銀行1行、地方銀行1行の3行に申し込んだ方が審査の基準が異なる分、審査通過の可能性が高くなるのです。
・金利が高い住宅ローンにも申し込む
審査に通るのであれば、低金利の住宅ローンを選ぶのは当然ですが、金利が低ければ低いほど審査は厳しくなります。金利が低いと、銀行の収益性が低いので許容できる貸し倒れ率の幅が小さくなり、金利が高いと銀行の収益性が高いので許容できる貸し倒れ率の幅が大きくなるのです。
そのために数社の金融機関に審査を申し込む際に、低金利を2行、やや低金利を2行、やや高金利を1行選んで申し込みするというのも方法の1つです。
・フラット35に申し込む
住宅金融支援機構の「フラット35」が、住宅ローン審査の中で一番「甘い」と言われています。それは、民間の銀行と審査基準が違うからです。民間銀行は貸し倒れ率を下げるのが目的で、完済まで継続して返済ができるかどうかを審査しますが、「フラット35」は、「安定した質の高い住宅供給」が目的で、一定レベルの品質の住宅かどうかを審査するという違いがあります。
つまり「フラット35」は、融資する物件がフラット35の技術基準をクリアしているかどうかが重要になるのです。借りる方の信用力は二の次ということでしょう。
団体信用生命保険も任意加入です。健康状態に問題があり、団信に入れず民間銀行の住宅ローン審査に落ちたという方でも、フラット35なら審査通過の可能性があります。
・給与振込み口座を狙っている銀行に変える
銀行は住宅ローン審査のなかで「自行の銀行を利用しているか」「自行の銀行口座が給与の振込口座になっているか」を考慮します。とくに自行の銀行口座が給与の振込口座になっている場合は、住宅ローンの支払いが滞ったときに、給与から資金を回収しやすいというメリットがあります。振込手数料などの収入も期待できるので、優先的に融資をしてくれます。
自行の銀行口座を給与振込口座にしている場合は、金利を優遇してくれる場合もあります。公共料金の引き落としが自行の口座から行われている場合も同様です。
ほかにも
・定期預金の利用
・定期性積立の利用
・カードローンの利用
がある場合も、銀行側のメリットになるために審査に通る確率が上がります。ただし、カードローンだけは借入が増えてしまうマイナス面もあるので、審査を通すための利用はおすすめしません。
次に申し込みたい住宅ローンが決まっているのであれば、まずはその銀行に口座を開設し、給与振込み口座として、3ヶ月ほど経ったら住宅ローンに申し込むというのも1つの方法です。
たとえ落ちてもあきらめずに再度申し込むことが大事
住宅ローン審査に落ちてしまっても諦めないで、もう一度審査に申し込んでみましょう。銀行の住宅ローン審査基準は、予想以上に各銀行に差があります。複数の住宅ローンに申し込んでも、全滅してしまうようであれば、個人信用情報に問題がある可能性が高いです。個人信用情報を確認し、審査に通らない情報を見つけて改善しましょう。