2021/10/14更新0like7334view

著者:岩間光佐子

一戸建てに屋上を設ける際のプランニングの注意点&実例集

この記事を書いた人

岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

コロナ禍、家で過ごす時間を大切にする方が増えてきています。家族のコミュニケーションの場としてアウトドア空間であるデッキやベランダを設けるケースも多くみられます。また、より開放感のある屋上スペースを利用したいと考える方も多いでしょう。ここでは、一戸建てに屋上を設ける際のプランニングの注意点と参考になる実例をご紹介します。

SUVACOが専門家をご提案

家づくり・リノベーションはどこに頼むのがいい?SUVACOがご要望に合ったプロを提案します。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

屋上とは?設けるメリットは?

屋上とは、日常的に出入りできる主に最上階の陸屋根のスペースのこと。コンクリート造の住宅などでイメージすることも多いかと思いますが、木造でもつくることは可能です。階下の屋根がバルコニーになっている場合はルーフバルコニーと呼ばれ、最上階とは限りません。いずれも開放的なプライベートスペースとして、コロナ禍、注目されているようです。

屋上を利用するメリットは、多様な使い方ができるスペースであること。都市部などの密集する地域でも遮るものが少ないため、眺望を楽しむことができること。狭小敷地で庭をプランニングできない場合などでもアウトドア空間を確保できること、などが挙げられるでしょう。

たとえば、セカンドリビングやダイニングとして、子供やペットの遊び場に、家庭菜園やガーデニングを楽しむ、流行のキャンプ気分も味わう、もちろん洗濯物干場としても利用可能です。ライフスタイルに合わせて、さまざまなプランが考えられます。

網田一久「8匹の猫と姉妹の暮らす家~のび工房~」

屋上プランの基本&注意点

屋上をプランニングの際には、注意しておきたいポイントがあります。まず、屋上は、勾配のない水平な屋根(陸屋根・ろくやね)となるため、通常の勾配のある屋根に比べ防水などに注意が必要です。構造や排水等の専門的な部分に関しては設計担当者などにしっかりと説明を求めること。また、常に厳しい自然環境、風雨にさらされるので、定期的なメンテナンスが必要になります。費用を含め事前に確認することも重要でしょう。

もちろん、安全面も配慮したいポイントです。幼いお子さんがいる場合には特に注意を。適した高さの手すりや塀を設けるなど、落下防止対策を施すようにしましょう。また、家族だけのスペースですが、マンションが近隣にあるなど周辺環境によってはプライバシーが保ちにくい場合もありますし、屋上での話し声やBBQの煙などが近所迷惑となるケースもあります。

その他、地域によって使用できる期間が短い場合も。暑さや寒さ、台風、花粉や蚊なども快適に使うことができない原因になるものです。また、雪国では積雪に対する強度、構造が必要になることもあるので、気象条件なども含めて検討することが大切です。

D-LINE リノベーション「理想の立地と理想の間取り。 リノベで憧れの空間を手に入れる!」

参考にしたい屋上プランの実例

家族が在宅する時間が多くなっている今、庭やベランダ、デッキなどのアウトドア空間の快適さを高めたい、と望む方が増えてきているようです。参考にしたい屋上プランの実例をみていきましょう。

セカンドリビング&ダイニングとして

家族がくつろぐ場として屋上を利用する方も多いようです。お気に入りの椅子やテーブルなどを設置することで、くつろぎの時間が実現します。在宅ワークでの気分転換の場などにもなるでしょう。

子供とのコミュニケーションの場。キャンプやピクニック、プール遊び

子供と過ごす場として設置するケースもみられます。おうちキャンプやピクニック気分を楽しんだり、子供用プールなどを置いて遊ばせるなど、アウトドアを楽しむことが可能です。

お風呂を楽しむ

露天風呂を楽しみたいと浴槽をプランニングするケースもみられようです。給排水や電気工事が必要になりますので、早めに検討することが重要です。
並木秀浩「庭と共に時を刻む家「Garden on garden」」

眺めを楽しむ

周辺環境に恵まれているのであれば、眺めを楽しむためだけに屋上スペースを確保したい、ということもあるかもしれません。限られたスペースでも、ほっと一息つける空間は大切です。屋内からの行き来がしやすい工夫がポイントでしょう。
徳増俊博「北諸県郡三股町 F邸」

屋上庭園やガーデニング

屋上に庭園をつくりたい、ガーデニングを楽しみたいなど、屋上緑化などへのニーズも聞かれます。屋上という人工の地盤面に緑化する場合さまざまな制約があります。荷重や防水、防根など、専門的なプランニングが必要ですので、早めに設計担当者に相談することが重要です。

洗濯物干し場として利用

実用的に洗濯物干場として利用したい場合もあるでしょう。大物の洗濯物を干すスペースとしては利用価値も高いスペースです。洗濯機置き場との行き来のしやすさ、物干し竿や雨除け、ハンガーや洗濯ばさみなど細かなモノの収納スペースの確保など、家事動線を考慮してプランニングすることが大切です。

屋上にあると便利なアイテムと設備機器

屋上をプランニングする場合、スペースを確保するだけでなく、その使い方に合わせた機器やアイテムなどを検討することが大切です。

たとえば、くつろぎの場として利用するのであれば、日差しを遮る日除けを設置しておくのもいいでしょう。パラソルやオーニング、シェードやタープなども考えられます。また、アウトドア用の家具も必要かもしれません。屋外使用が可能なチェアやテーブルなど、さまざまな商品がみられます。

西和人「『緑中の谷』屋上ジャグジーのある楽しい住まい」
夕方や夜間にも利用するのであれば、照明プランも考えておきたいもの。使い方に合わせて実用的な照明だけでなく、ゆったりとした時間を過ごすことができるように間接照明などを取り入れてもいいでしょう。BBQなども楽しむのであれば、水道設備やシンクなども設置しておきたいもの。屋外用のコンセントなども設けておくと重宝します。

どのようなプランとしても、日々使用する際には、安全面での配慮を。幼いお子さんがいる場合は落下を防止するため、踏み台になるようなモノ、椅子などは日常的に置かないこと。また、台風や強風時には屋上のモノが飛ばないように注意することも必要です。もちろん、落ち葉やカビの掃除など、防水や排水などにダメージを与えないようなお手入れも忘れずに行いたいものです。
お気に入りに追加

この記事を書いた人

岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

SUVACOは、自分らしい家づくり・リノベーションをしたいユーザーとそれを叶えるプロ(専門家)とが出会うプラットフォームです。

家づくりについて学ぶ

「自分らしい家づくり」に大切な、正しい家づくりの知識が身につくHowTo コンテンツ集です。

専門家を無料でご提案

家づくり・リノベーションはどこに頼むのがいい?SUVACOの専任アドバイザーが全国1,000社以上からご希望に合うプロをご提案します。

住宅事例をみる

リノベーション・注文住宅の事例を見たい方はこちら

家づくりの依頼先を探す

リノベーション会社や建築家、工務店など家づくりの専門家を探したい方はこちら

会員登録を行うと、家づくりに役立つメールマガジンが届いたり、アイデア集めや依頼先の検討にお気に入り・フォロー機能が使えるようになります。

会員登録へ

同じテーマの記事

同じテーマのQ&A

住まいの記事 カテゴリー一覧

専門家探しも、家づくりのお悩みも
SUVACOのアドバイザーに相談してみよう

専門家紹介サービスを見る