2017/06/16更新3like15967view

著者:水沼 均

ダイニングテーブルの最適な長さ・高さ・置き方

この記事を書いた人

水沼 均さん

建築設計の学校で長年教師を務め、大勢の生徒さんと接してまいりました。年齢、経歴、そして住まいへの思いも大変多様で、他では得られない貴重な経験ができました。その経験を生かして、豊かな住まいづくりに役立つような記事をたくさん書いていきたいと思います。

家具の中でも、ダイニングテーブルは住まいの主役と言えるほど重要な存在です。ふだん離れがちな家族が食事の時に一堂に会する、貴重な時間を演出するからです。ここではそんなダイニングテーブルの選び方・工夫の仕方をご紹介いたします。

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▽ 目次 (クリックでスクロールします)

ダイニングテーブルは長いほど良い

ダイニングテーブルの寸法は、一般に1人あたりの幅を60センチ以上とるのが目安と言われています。したがって4人掛けなら幅120センチ以上となります。

けれども実際には、もっとたっぷりととる方が使い勝手はうんと良くなります。日本人の平均的な体格がかつてよりも大きくなっていることや、家庭料理の種類が多岐にわたってきて、食器も大型化していることが1つの理由です。

下の写真のダイニングテーブルは4人掛けですが、長さを非常にたっぷりととったものになっています。テーブルの上に鉢植えなどを置くゆとりも生まれています。テーブルを眺めているだけで、なんだか時間の流れがゆったりとする感じがしませんか?

ダイニングテーブルの長さはどれくらいあればいい?

ゆったりとした良いダイニングテーブルの長さは、4人掛けなら140センチ、できれば150センチくらいあるとベストです。さらに4人家族ですと来客などを想定して、6人掛けのテーブルにできるのが望ましいでしょう。長さは180〜200センチくらいとれると大変使い勝手の良いダイニングテーブルになります。

下の2つの例は両方とも6人掛けのダイニングテーブルを用いています。ダイニングのスペースをたっぷりととっているので、ダイニングテーブルはあまり長大には見えませんが、実際には180センチ以上の長さがあるのではないでしょうか。
一級建築士事務所 スタジオロク「R.107 renov.」
6人掛けのダイニングテーブルは、短辺に1人ずつが座る囲み型がよく見られますが、部屋の広さにゆとりがあるときには3人掛けの対向の方が便利で使いやすいと言えます。あまりテーブルが長いと会話がしづらいという見方もありますが、BGMやテレビを大きな音にしていなければまず大丈夫でしょう。

伸縮自在でカッコいいダイニングテーブルがあった!

下の写真は、大人数の来客が多い住まいのダイニングテーブルです。ふだんは6人掛けですが、左右の側板部分を展開することで、2倍近い長さにすることができます。
下の写真はテーブルを最大の長さにした状態です。なんと、最大10人もの人が着席することができます。

伸縮できるダイニングテーブルは家具店でもよく見かけますが、デザイン的にここまで洗練されたものは私自身見たことがありません。

ダイニングテーブルとキッチンカウンターとの位置関係

キッチンカウンターを対向式にしてダイニングテーブルと並べると、家族のふれ合いが一段と増えて楽しい住まいになります。

そのときカウンターとテーブルをどう並べるかで、住まい方の雰囲気はかなり変わってきます。1つは下の写真のように、カウンターとテーブルを一文字形に並べる方法です。写真のように、調理者と着席者は互いに横を向いて会話をすることになりますが、調理者からテーブルまでの距離は近くなります。
シャルドネ「ビンテージ感溢れるスキップフロアの家」
また下の写真のように、カウンターとテーブルをT字形に並べる方法もあります。この場合調理者からテーブルまでは少しだけ離れますが、調理者の真正面に着席者がいて、身近に声をかけられる利点があります。

一文字形とT字形、みなさんのご家庭ではどちらがマッチしそうですか?
シャルドネ「天井高4.5mの吹き抜けリビングのある平屋」

ダイニングテーブルとキッチンカウンターとの高さ関係

さて、キッチンカウンターとダイニングテーブルを横に並べることにすると、デザイン的には両者の高さを揃えて一文字につなぎたくなりますよね。

下の写真はカウンターとテーブルの高さを揃えて、1枚のカウンタートップで収めたシャープなデザインの例です。横長のパノラマウインドーとのマッチングが絶妙ですね。
アトリエハコ 七島幸之+佐野友美「トールハウス・フルハウス」
また、下の写真はダイニングテーブルの高さを可変にしたものです。キッチンカウンターの高さはだいたい85センチで、立って作業や飲食をするのにちょうど良い高さですが、これを活用して、テーブルの高さをカウンターに揃えてバースタンドの雰囲気を演出しています。そしてディナータイムには、テーブルの高さを通常の70センチ程度にして、使いやすさを両立させています。

ダイニングテーブルと窓との位置関係

ダイニングテーブルの向きを考えるとき、せっかくですから窓との位置関係をぜひ検討なさってみると良いでしょう。

下の写真では、日差しと緑の豊かな窓に向けてダイニングテーブルを置いています。この向きで置きますと、着席者全員が横手に庭を眺めることができます。
鈴木 道子「松ヶ崎の家2」
下の写真でも同じように、窓に向かってダイニングテーブルが置かれています。そのため、部屋の中でもテーブル面付近が特に明るい魅力的な場所になっていることがわかります。

この例ではまた、テーブルの高さに合わせて窓を設け、出窓まで設けてあります。鉢植えや飾りとともに景色を見ながら食事ができる、実にすてきなダイニング空間ですね!
ダイニングテーブルは住まいの中でもっとも大切な家具の1つです。テーブルを選ぶ際には、ぜひ長さや高さ、そして置き方を検討なさってみてください。

そして、できれば住まいの計画段階から設計者と打ち合わせて、どこにどんなサイズのテーブルを置くか、キッチンや窓との位置関係をどうするかなどを決めておきましょう。

あなたの住まいにはどのようなテーブルとダイニング空間がいちばんマッチしているでしょうか。ご家族みんなで語り合ってみましょう。
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水沼 均さん

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