2022/12/23更新0like1407view

著者:tennto1010

多くの人が経験する「実家の片付け問題」悩みを解消する向き合い方とポイントは?

メディアでも取り上げられることが多い「実家の片付け」問題。世代を問わず、親が溜め込んできた膨大な持ち物を前に愕然とした経験を持つ人は少なくないでしょう。実際に自分自身もこの問題の渦中にいる一人です。そこで今回は、片付け問題の解決につながる「物」との関係のつくり方や、実家リノベのポイントについて考えます。

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空き家問題とも関連 片付かないままの実家

実家の片付けは、親の生前に行うのか、死後の整理なのかで大きく異なる点はありますが、いずれの場合でも、親が人生をかけて積み上げたものを仕分けるなり、処分なりをすることは、想像以上に心に負担がかかるものです。

特に、家族との別れを経験した場合は、空き家の整理というステップに気持ちが踏み出せず、思い出の家をそっとしておきたいという悩み末の行動が、増え続ける空き家問題につながってしまうというのがやるせない現実です。

片付けの最初の障壁「もったいない」

ものにあふれた実家がめずらしくないのは、親世代には共通に物を大切にする習慣が身についているためでしょう。とかく「もったいない」と、あらゆるものに対して捨てることに罪悪感をもってしまうのは当然のこと。でも、本来の役割を果たしていない無駄なものを持ち続けることの方が、様々な意味でもったいない行為なのだ、と考えを切り替えることも必要です。

本当の「もったいない」の意味とは

たとえば、使われない物に占有されているスペースは床面積全体の何%を占めて、住宅価格のいくら分に相当するのか?不要なものにいくら分の家賃を払っていることになるか?などと、シビアにお金に換算してみると、いかがでしょうか?
不要なものがもたらす「もったいない」はあらゆる場面でみつかります。窓がふさがれて光も風も入らない、探しものに時間を費やす、物につまづいて不自由な暮らしを強いられる、片付いていない部屋にイライラする……など、全てがもったいない!ですよね。

過去への強すぎる執着や未来への過剰な備えが、現在進行形の生活を押し潰しているとしたら、それは今の自分を大切にできていないという意味で、とてももったいないことなのです。

片付けがうまくいくコツと心構え

実家の片付け特有のコツや心構えを知っておくと、親との関係においてもスムーズに作業をすすめることができます。どこから手をつければ良いか分からない場合には、ストック食材の整理などで、スッキリした!という小さな成功体験を重ね、片付けに前向きになる好循環をつくっていきましょう。

片付けの基本原則

まずは、高齢の親の安心・安全な暮らしを守ることが大前提です。安全な生活動線を確保し、落下の危険性のあるものなどは迷わず撤去します。
そのうえで、今現在の暮らしとのつながり度合いによって、
①よく使う物
②時々使う物
③判断がつかないもの
④不要な物
などで分類し、整理や処分に進みましょう。迷いが残るものを今すぐに手放す必要はなく、迷っていると分類したこと自体が大きな前進です。

使用頻度が高いものは、必要な時にすぐに手が届く場所に置く、しまい込まずに見える化して持ち物量を常に把握できるようにするなど、片付けの基本は普段の暮らしと変わりありません。
竹浪 由里「第二の人生を夫婦で楽しむ光と風が通り抜けるマンションのスケルトンリフォーム」

押し付けは厳禁

片付けの原則以上に大切なのが、実家の片付けの主役は親だという大前提を忘れないことです。自分の持ち物の処分を決められるのは本人のみ。家族といえども、価値観が異なる者どうし、また別のライフステージを歩んでいる者どうしで、判断を押し付けないことが鉄則です。

思い出の品を再活用

思い出の家具などを再利用できれば、家族や家とのつながりを絶たずに、後に続くメンバーと共に新たな思い出を塗り重ねていくことができます。
たとえ、残すものがたった一つだけだとしても、多くの思いを引き受けてくれるかけがえのない品になることでしょう。

物との別れの儀式

物を処分したことを後悔しないためには、別れの儀式も有効です。私自身も、処分するものの思い出を家族と語り合ったり、「お世話になりました。ありがとう」と唱えるなどの自分なりの別れの儀式をして処分を決めたことで、罪悪感が和らいでいくのを実感しました。

片付けを見据えた実家リノベのポイント

セカンドライフを見据えてのリノベーションや二世帯住居へのリノベーションを行う場合、バリアフリーなどの計画が先行しがちですが、あわせて将来の片付けに困らない間取りを検討することも大切です。SUVACOの住宅事例を参考に見ていきましょう。

親の安全と健康の確保がすべて

片付けがスムーズにできる仕組みづくりが、室内で起こるさまざまな危険を回避し、安心・安全に暮らせる家には欠かせません。すっきりと片付くことで空気がよどみなく流れ、心と体の健康を守ることにもつながっていきます。

物置化する部屋の消滅をはかる!

子供が独立した後に残った個室が物置化しているケースは大変多く見られる現象です。個室の広さを過信して、中途半端な置き家具を無計画に買い足している惨状、想像できますよね。
マンションの間取りに多い玄関横の洋室を大容量の収納につくりかえ、もとのキッチン横の洋室クローゼットはパントリーを新設した事例です。必要な場所に収納場所を設けることによって、あるものが一目で見渡せるため、持ち物の把握が楽になります。必要な場所に、必要なものに手が届く収納は、しまい込む問題を軽減できます。
玄関と洋室だったスペースを、土間空間としてつなげた事例です。持ち物をしまい込むことがないようオープンな収納に刷新されました。採光も十分に確保されているためか、物置感がなく日々の整理もスムーズにすすみそう。フラットな玄関土間は、外部とのアクセスがストレスフリーで、身支度も楽に整うため、アクティブシニアにも最適です。

小上がり+収納の合理派リノベ

畳の小上がりを利用した収納スペースの確保も、和室の新設が同時が叶うことから親世代に受け入れられやすい方法の一つです。楽に腰を下ろせる40cm程度の高さをしっかり取れば、危険な段差ではなく、楽な動きをサポートする段差になります。
東急Re・デザイン(旧 東急ホームズ)の戸建てリフォーム「程よい距離感で、家族がつながる。安心の二世帯住宅へ「まるごと再生」」
帰省先で大掃除を手伝うついでに、今までと少し違う視点で、物との対話をしてみるのもおすすめです。実家の片付けが、家族の新たな思い出を育むひとときにできると理想的ですね。
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