2024/02/15更新0like2299view

著者:SUVACO編集部

専門家フィーチャー

「暮らしやすく整った住まいは人生を変える」FILE・代表:石川敬子さん

家づくりのプロに聞きたい「10のこと」シリーズ。

今回は、オリジナル家具やキッチンを取り入れた空間づくりが魅力的なFILE(ファイル)の代表・石川敬子さんの「10のこと」。

「お客さまは建築というよりも、暮らし方やインテリアを含めた内装全体を素敵にしたいと考えている方が多いんです。家事や収納の仕方などトータルで見て、お客さまと同じ目線でお手伝いをしています」と語る石川さん。

お客さまとの打ち合わせはプランニングが必要な内容であればほぼ全てに参加し、スタッフとの抜群のチームワークで、細部までこだわった端正で美しい空間を形にされています。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

京都府出身の石川さん。現在は、京都市と東京・田園調布にオフィス兼ショールームを構え、新築やリノベーション、家具などのインテリア・収納計画など暮らし全体のデザインをしています。

(参考関連記事)|リノベりす
人気リノベーション会社・FILE代表 石川敬子さん宅を訪問!(前編)
人気リノベーション会社・FILE代表 石川敬子さん宅を訪問!(後編)

「両親や祖父母は住宅系の仕事をしていたわけではないですが、今思うとインテリアを大事に考えている人たちでした。祖父母の家は建築家さんの設計でガラスブロックが使われていたり、実家は海外製の機器やマントルピースがありました。
2年に1度くらいは部分的に手を入れて、その時の暮らしに合わせた家づくりをしていましたね」(石川さん)

そんな環境から自然と暮らしを整えることに興味を持つようになり、小さな頃から片付けや整理がすごく好きな子供だったそう。小学生の時には持っていたカセットテープのケースや紙のデザインがバラバラなのが気になり、すべてのカセットテープを同じもので購入しなおしてダビングし、弟さんをびっくりさせたエピソードも聞かせてくださいました。

石川さんは「住む人の好みや暮らしに合った本当に安らげる空間づくりをしたい」という想いから1991年に京都でFILEを創業されています。
FILE リノベーション会社:代表・石川 敬子さん

FILE リノベーション会社:代表・石川 敬子さん

Q1. 日常でふと感じる職業病(こだわりや癖)は?

どこに行っても家具やインテリアの配置やバランスが気になり、人のお家でも片付けたくなります。常に、こうしたらもっといいのに!というのを考えてしまう癖がありますね。

整った環境で過ごすかどうかは、そこで暮らす人自身に影響すると感じることがあります。
FILEでは中学受験をされるお子さんがいらっしゃるご家庭のリノベーションも多く、お客さまから「家を整えたおかげで、子供が志望校に受かりました!」と言われることも。整頓された環境では頭の整理ができて勉強がはかどるのかもしれません。
自分が仕事をするときも、綺麗に片付けてから取り組むようにしています。

Q2. 家づくりに関する知識で負けないこと、得意分野は?

生活に合わせた家事動線や整理収納の計画をたてることは、趣味も兼ねているので自信を持っています。

お客さまの現状のお住まいや収納するものなどをすべて拝見させていただき、どういった生活や行動をされているかを確認した上で、リノベーションや新築の計画に活かしています。
普段綺麗にされていても、生活していると何がベストかわからなくなってしまうことも多いので、客観的な目線でアドバイスするようにしています。

Q3. 休日の過ごし方もしくは、仕事で活かせる趣味は?

愛犬の散歩以外、家にいるときにはほとんどの時間、料理をしています。
一時期は有名レストランにたくさん行って食材の合わせ方や美しい盛りつけをひたすら学んだりしていましたが、最近は作ってばかり。先日は魚の目利きやさばき方、お寿司の握り方を習いに行きました。

京都のショールームにはカフェを併設していて、料理は材料からすべて自分で選びメニューの提案もしています。家具の工場の近くの畑で自然栽培をしているので、そこで獲れた野菜も使っているんです。
お客さまとも料理の話をしたり、キッチンの使い勝手やオーブンなどの機器類の使い方やどんな料理が作れるかという話をしたりと、仕事にも活かされていると思います。

京都のショールームに併設しているカフェ「FILE natural food works」の店内(画像提供:FILE)

京都のショールームに併設しているカフェ「FILE natural food works」の店内(画像提供:FILE)

Q4. 好きな家具とその理由は?

家具の彫刻家で知られる「フィンユール」の家具が好きです。

椅子はデザインや使い心地、強度などをしっかり考えるとひとつのものを作り上げるのにかなりの年月を要しますので、現在オリジナルデザインは一種類となっています。田園調布のオフィスでも、デンマークの有名デザイナーのものを中心に、色々な椅子をそろえてお客さまにも実際に見たり座ったりしていただいています。

Q5. 好きなアーティストは?

ドイツの木工芸家「エルンスト・ガンペール」です。

器をひとつの木からつくっていて、生きたままアートにしている感じがすごいなぁと思います。日常使いするようなものはあまり出ていないので、自社のショールームやダイニング、キッチン周りに飾って楽しんでいます。

エルンスト・ガンペールの作品(石川さん私物)

エルンスト・ガンペールの作品(石川さん私物)

Q6. 長年の愛用品 or 仕事のお供・必需品は?

仕事のお供は、物ではないのですが…スタッフたちです!
お客さまとの打ち合わせが終わった直後に、いつもスタッフと設計打合せを30分から1時間ほどします。間取りなどは既存図面に上から書きますが、家具などはこんな使い方で、脚があって引き出しがあるデザインで…と思ったことを口頭で伝え、スタッフに図面やパースなど形にしてもらっています。
設計、CG作成、家具職人など10年以上の長い付き合いのメンバーも多く、口頭での説明でイメージを汲み取ってカタチにしてもらえるのでたくさんの物件に携わらせていただけています。

信頼するスタッフと(画像提供:FILE)

信頼するスタッフと(画像提供:FILE)

また、愛用品でいうと「トスカーナのクリスチャンヌ・ペロション」(イタリア)の食器です。
東京にオフィスを構えた頃に買った器で、一番長く使っています。ずっと使っているけど飽きない魅力がありますね。

Q7. オススメの家づくり関連の書籍やウェブメディア・イベントは?

具体的にこれ!というものはないのですが、美しいと言われるものに触れることはとても大切だと考えています。美術館や色々なホテルに泊まったりすることも、家づくりに活かせるのでは。

私自身もレストランに行ったときなどは、お料理だけでなく内装なども見るようにしています。お料理が美味しくて内装が素敵でも、椅子がもっとこうだったら...!と細かいところまで自分の使用感を意識することで、お客さまの家づくりにも活かせているように感じます。

Q8. お気に入りの住宅事例は?

最近手掛けた葉山の別荘リノベーションの事例です。

こちらのお客さまはご相談当初は家具にあまり興味をお持ちではなかった様子でしたが、ショールームで見ていただいてから家具をアートとして捉えて、計画に取り入れてくださいました。来客があると皆さん「家具がとてもいいね!」と言っていただけるそうで、家における家具の重要性を改めて感じました。

家具選びをお客さまと一緒に楽しんだ葉山のリノベーション事例(画像提供:FILE)

家具選びをお客さまと一緒に楽しんだ葉山のリノベーション事例(画像提供:FILE)

Q9. 素敵な出会い・忘れられないお客さまとの思い出は?

お客さまは長くお付き合いしている方が多く、30年近くになる方もいます。
ハワイや宮古島に旅行に一緒に行ったり、ショールームにシェフに来ていただいて皆さんを呼んでランチをしたこともあります。

ご自身で教室をされている方もいて、お客さまのお花の教室に別の方が行かれていたり、発酵系の教室を始められた方にショールームの場をご提供して食事をつくって一緒に食べたことも。そういった場に、スタッフが混ざっていることも多いです。
お付き合いのなかで新たにご相談をいただいたりすることも多く、暮らしのパートナーのような感じになっているかもしれません。

Q10. 最後に、「うちの家づくりのココがすごい!」と思うところは?

前にも少し触れましたが、FILEはスタッフが本当にすごいと思っています。
それぞれ得意なことが活かせるバランスの良い組織になっているんです。お客さまと生活のことについて話すのを苦手にしている人は、図面を書いたりサンプルをとったり、そういったことに長けているなど…。
みんなが私が口頭で伝えたことやイメージしたことをちゃんと形にしてくれて、ギリギリの変更や無理な相談もお客さまのためになることと思えれば全員、嫌な顔ひとつせず対応してくれることが本当にすごい!と思いますしありがたいです。

オーダー家具はショールームスタッフがデザインすることが多い一方で、置き家具などのオリジナル商品は、工場のスタッフもデザインし、つくり手になっています。自分が作ったものを買っていただけることがうれしい、お客さまに喜んでいただけることが自分たちの喜びだという人たちです。

実際、FILEの家具を見た建築家の方に「ここまでのクオリティの仕事はなかなかできない」とおっしゃっていただけたことも。私自身、動いて形にしてくれているスタッフの姿を見ていても、なかなかここまでの作品はできないなぁと思います。
クオリティにこだわり共にFILEの世界観を作り上げてくれる現場の様子(画像提供:FILE)

クオリティにこだわり共にFILEの世界観を作り上げてくれる現場の様子(画像提供:FILE)

FILEのカバー画像
対応業務 注文住宅、リノベーション (戸建、マンション、部分)
所在地 東京都大田区 (ほか全3拠点)
主な対応エリア 埼玉県 / 千葉県 / 東京都 / 神奈川県 / 京都府 / 大阪府 / 兵庫県 / 奈良県 / 和歌山県
お気に入りに追加

SUVACOは、自分らしい家づくり・リノベーションをしたいユーザーとそれを叶えるプロ(専門家)とが出会うプラットフォームです。

家づくりについて学ぶ

「自分らしい家づくり」に大切な、正しい家づくりの知識が身につくHowTo コンテンツ集です。

専門家を無料でご提案

家づくり・リノベーションはどこに頼むのがいい?SUVACOの専任アドバイザーが全国1,000社以上からご希望に合うプロをご提案します。

住宅事例をみる

リノベーション・注文住宅の事例を見たい方はこちら

家づくりの依頼先を探す

リノベーション会社や建築家、工務店など家づくりの専門家を探したい方はこちら

会員登録を行うと、家づくりに役立つメールマガジンが届いたり、アイデア集めや依頼先の検討にお気に入り・フォロー機能が使えるようになります。

会員登録へ

同じテーマの記事

同じテーマのQ&A

住まいの記事 カテゴリー一覧

専門家探しも、家づくりのお悩みも
SUVACOのアドバイザーに相談してみよう

専門家紹介サービスを見る