2023/09/20更新0like1684view

著者:岩間光佐子

快適な洗面・脱衣所の空間づくりに大切なこと。プランニングのポイントは?

この記事を書いた人

岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

家族が朝夕に使用する洗面。一般的な住宅の場合、洗面まわりのプランニングは、洗顔や歯磨きをする洗面室と浴室に隣接させて脱衣所を兼ねるケースが多くみられます。ここでは、多目的に使用する洗面・脱衣所をプランニングする際のポイントをまとめました。

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どのような機能が必要か、優先順位を明確に

洗面室をプランニングする際は、まず、家族構成やライフスタイルを考慮して、わが家に必要な機能を明確にすること。例えば、洗面だけなのか、洗面と脱衣を兼ねるのか、また、洗面と脱衣に加え洗濯の機能も必要なのかなどを整理してみましょう。

洗面と脱衣だけであれば、洗面に必要な機能に着替えやバスタオルなどの収納できる場所も確保するプランニングを。洗濯室も含めるのであれば、洗濯機置場の確保、洗剤やハンガーなどを収納するスペースも必要でしょう。

洗面だけでなくメイクや身だしなみを整えるスペースを兼ねるのであれば、鏡台の要素も必要になります。化粧品の収納や使いやすい鏡や照明などがあると便利です。日々のライフスタイルから、誰が・いつ・どのように使うのかをしっかりとイメージしておくことが重要です。

全体の間取りと同時、配置・広さを検討

洗面室を住まいのどこに配置するかはとても重要。プランニングする際は、住まい全体の間取りと同時に検討できるといいでしょう。例えば、寝室や子供室から行き来しやすい方がいいのか、LDKから近い方がいいのか、洗濯の場としても利用するのであれば、洗濯物干し場への動線も考慮しておきたいものです。隣接するケースが多い浴室、トイレやキッチンなどの水回りは、日常的な生活動線だけでなく家事動線にも関わるので十分に検討するようにしましょう。

一般的な洗面脱衣所の場合、洗面化粧台と洗濯機、ある程度の収納スペースを確保すると1坪(おおよそ2畳ほど)の広さが必要となります。1.25坪程度あれば、広めの洗面化粧台、ゆとりある収納をプランニングできるでしょう。
大家族で朝の身支度などで混雑するのであれば、カウンターを広めに取ったり、洗面ボウルをふたつ設けても。室内物干し場としても利用したいのであれば、広めスペースを確保したいものです。

わが家に適した洗面スペースに必要な機器を選ぶ

洗面・脱衣所に必要な基本的な機器は、洗顔や歯磨きのための洗面ボウルと水栓、鏡など。造作でカウンターを設け、洗面ボウルを設置、鏡を設けるなどオリジナルのプランもみられますが、一般的に多く取り入れられるのは、メイクや身だしなみ整えやすい機能をプラスした洗面化粧台でしょう。メーカー商品にも、広さや間口サイズに合わせて選ぶことができる、多様なアイテムが豊富にそろっています。

一般的な洗面化粧台は、洗面ボウル(+カウンター)を載せた収納キャビネット、水と湯を使うことのできる水栓金具、鏡、照明、コンセントなどで構成されています。大きく分けると2つに分けることができます。

カウンタータイプ(システムタイプ)

カウンタータイプは、システムキッチンのようにカウンターや洗面ボウル、扉材、水栓金具など、自由に組み合わせることが可能です。

洗面器一体タイプ(ユニットタイプ・据え置き型)

洗面器との一体タイプは、収納キャビネットに、洗面ボウルが直接取付けてあるもので、間口に合わせて、60cm、75cm、90cmなど、いくつかのサイズがそろっています。
いずれのタイプも、すっきりとしたシンプルなデザインも多く、家具のようなスタイリッシュな商品も増えています。

お手入れしやすく、清潔さを保つことができる内装材を

洗面・脱衣所の床や壁材は、清潔さを保つことができ、掃除のしやすい素材を選ぶことが重要です。

床は、耐水性や耐薬品性、耐傷性などを持つものを。素足になる脱衣所は、足触りがよく滑りにくくクッション性のある素材がいいでしょう。また、洗濯スペースと兼ね備える場合は、水に強いことはもちろん、 汚れにくい素材が向いています。
床材として用いられることが多いものは、フローリングやクッションフロア(CFシート)など。フローリングにも水回りに適したタイプが多く選びやすくなっています。塗装する場合は、耐水性や汚れ防止、耐傷性などが高められたもの、洗剤や漂白剤などに耐えられる性能を持ったものがあります。また、クッションフロアは、耐水性に優れ、汚れも付きにくく落しやすい素材。適度な弾力性があるのが特徴です。

壁材は、クロス(壁紙)やパネル、塗壁、タイルなどがみられます。多く用いられるのはビニールクロス。防水、汚れ防止や防カビ・抗菌、調湿、消臭などの機能を持たせたタイプなどもあります。水や汚れに強くお手入れしやすいパネルや調湿性、断熱性などに優れている塗壁も向いています。デザインバリエーションも豊富なタイルを用いるのもいいでしょう。

使い勝手を左右する収納スペース

さまざまな役割を持つ洗面・脱衣所は、使い方に合わせた収納プランが重要です。造作で引き出しや棚などを設けたり、洗面化粧台に合わせ収納ユニットを取り入れてもいいでしょう。

洗面室はライフスタイルにもよりますが、洗剤やシャンプー、洗濯洗剤や浴室洗剤だけでなく、タオルや下着類などの収納スペースが必要になるケースも。脱衣(汚れモノ)の一時収納、洗剤などのストック分を収納するスペースがあると重宝します。事前に収納するモノをリストアップして、出し入れしやすいプランを検討することも大切。また、子供の成長など、現在だけでなく将来的な変化にも配慮しておきたいものです。

最近の洗面化粧台は収納スペースにも、使い勝手や収納力は高まっています。収納しているものがわかりやすく、奥のものを出し入れしやすい引き出し式のフロアキャビネットが多くみられ、デッドスペースである蹴込み部分や上部収納の使いやすい工夫が施されています。収納するモノに合わせた細かな仕切りを設けたタイプや鏡の内部収納にも細かな工夫がみられます。

快適さや安全性を高めるために

湿気が溜まりやすい洗面・脱衣所は換気も重要なポイント。浴室と合わせ、さらには住まい全体を考慮した換気計画が必要です。換気扇はもちろん効果的な通風を確保できる窓を設けたり、ドア(扉)には、開放しておきやすい引き戸や通風機能を持つタイプを取り入れてもいいでしょう。

また、冬の寒さを和らげる暖房プランも十分に検討を。特に高齢の方は、温度差によって健康を害する(ヒートショック)要因となるため、充分に配慮しておきたいものです。床暖房や温風式の足元暖房などを取り入れてもいいでしょう。

ショールームやモデルハウスを上手に活用する

限られたスペースの中で、多くの機能が求められる洗面・脱衣所。それぞれの機器やアイテムはできる限りショールームで実物を確認することが大切です。洗面化粧台などは、扉を開閉したり、水栓金具を操作するなどして使い勝手のチェックを。素材感やボリュームなどを確認しておくようにしましょう。

ショールームでは、浴室(システムバス)と隣接させた洗面室の空間展示が多くみられます。空間の広さや収納のつくり、設備機器の取り入れ方、デザインなどぜひ参考にしてください。

〈場所・特徴ごと〉
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