注文住宅を建てる際、畳の部屋をつくりたい!という人は、以前より少なくなりました。
そんな中でも、畳は、本格的な和室から畳コーナーまで、一定の需要と根強い人気がある建材です。
今回は、家づくりの際に畳を取り入れるなら、知っておきたい畳についての基礎知識と、選び方のポイントを解説します。
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▽ 目次 (クリックでスクロールします)
畳の基本名称
畳の種類と特徴
畳の選び方の4つのポイント
畳の基本名称
畳の仕様を決める際、さまざまな「畳の専門用語」が飛び出すことがあります。
その際に困惑せず、確実にお好みの畳を実現できるよう、知っておきたい用語を解説します。
畳の表面ことです。
植物のイグサや、和紙、化学繊維などの素材があり、繊維状にした素材を編んで作られます。
素材の産地や、編み方などによって、グレード分けがされています。
素材の色合いや、製造方法により部屋の雰囲気が大きく変わりますので、一番こだわりたい部分と言えます。
畳の縁の長手(長い方の縁)部分に取り付けられる布で、さまざまな色・柄があります。
そもそも、畳はへりなし・へりありを選ぶことができます。
へりなしの畳は、すっきりとした印象になるため、近年人気を集めています。
畳床(たたみとこ)
畳の土台のこと畳表で覆うように縫い付けられます。
素材によって、自然素材(ワラなど)と、化学床(ポリエチレンフォームやインシュレーションボード)があります。
また、丈夫で虫に強い化学床を、柔らかかつ香りのいいワラで挟むように生成された、ハイブリットタイプもあります。
産地
畳の産地は、畳表に使われるイグサの産地に応じて、主に国産か中国産に分けられます。
国産の方が耐久性は高く、耐用年数も長いことから、高級品として扱われます。
中国産は、一般的に国産に劣る品質ですが、安価なため普及しています。
畳の種類と特徴
住宅に使われる畳の種類と特徴を解説します。
畳の長辺に畳縁がある、最も一般的なタイプの畳です。
畳縁の色合いや素材、柄により、部屋の雰囲気を変えることができます。
畳の縁取りがない畳で、琉球畳(りゅうきゅうだたみ)とも呼ばれます。1枚の大きさが半畳サイズのものが多いですが、1畳サイズのものもあります。
すっきりとして、洋風な空間にも合うことから、畳コーナーでよく使われます。
ダイケン畳
畳表の素材が和紙で、大建工業から販売されているものです。イグサに比べて耐久性・耐虫性に優れ、変色しにくい特徴があります。
いろいろな織り目や色合いを選ぶことができるため、シンプルなものから、個性的な畳空間まで、お好みの雰囲気を実現できます。
建材畳
畳表の素材が化学繊維で耐久性に優れ、イグサの畳に比べて擦れや水、日焼けに強い特徴があります。
「セキスイ畳」とも呼ばれます。
色染したイグサを織り、畳表にしたものです。
イグサの香りを楽しみつつ、個性的な畳が欲しい場合におすすめです。
黄金色に染めたものを「黄金畳」と呼びます。
畳の選び方の4つのポイント
いろいろな種類の畳の中から、暮らしに合った畳を選ぶために、知っておきたい4つのポイントを解説します。
1.見た目のイメージ
畳自体の色合いや、縁の色は、お部屋の印象に大きく影響します。
縁があると、格式のある純和風のイメージに。縁がないと、カジュアルなイメージになります。
部屋をどのような雰囲気にしたいのか、理想のイメージに近づけられるよう、畳選びを行いましょう。
畳の部屋をどのように使うか次第で、畳選びも変わってきます。
例えば、子どもが遊ぶ空間として使う場合、子どもが転んでもいいようにクッション性の高いものや、汚れやこすれに強く、清潔を保ちやすい化学繊維のものが適しています。
高級品や、天然素材を生活空間で使うと、使い方や汚れが気になってストレスになるかもしれません。
客間の場合、目が細かい高級な畳を選んだ方が高級感のある落ち着いた空間になります。
用途に応じて、気持ちよく使える部屋になるよう、畳選びも工夫しましょう。
3.畳床は何にする?
畳床の素材によって、虫への強さ、クッション性、防音性、畳自体の重さが変わってきます。
畳床が、昔ながらの天然素材で作られた畳は、環境に優しく、香り高く、調湿性やクッション性に優れ、肌ざわりが良く、耐久性に優れます。
一方で、虫に弱く、重いです。
ポリスチレンフォームとインシュレーションボードの建材畳床は、安価で虫に強く、軽く、断熱性に優れますが、調湿性や耐久性、クッション性は天然素材に劣ります。
使う部屋の用途や、こだわりに応じて、適した畳床を選択しましょう。
4.予算
畳の価格は、使われているイグサの長さ(長いほど高級)、イグサの本数(多いほど高級)、イグサの量(多いほど高級)、表面のイグサの種類(国産が高級)、畳床の種類(天然素材が高級)などによってことなります。
高級な畳ほど、見た目が美しく、耐久性に優れ、日焼けしにくい特徴があります。
普及品の畳は、1畳あたり10,000円程度で手に入りますが、中級品は20,000円程度、高級品になると30,000円以上が相場です。
小まめに表替えのメンテナンスができる場合、普及品にした方がリーズナブルで、長く美観を保てます。
メンテナンスができない場合、中級品以上にした方が長持ちしますので、かえってリーズナブルと言えます。
畳がある暮らしは、ふとした瞬間に感じるイグサのいい香りや、畳独特の心地よさなど、日常のあちらこちらで安らぎを感じられるものになります。
住まいに畳を取り入れる際は、長く快適に使い続けられるように、予算やこだわりに応じて、適したものを選べるといいですね。