2024/10/09更新0like1142view

著者:SUVACO編集部

【専門家解説付き】隠す?見せる?暮らしにあわせたリビング収納

家族のくつろぎの場であるリビング。心地よく快適に暮らすためにはすっきりと片づいていて、使い勝手もよいことが重要です。
事前にしっかりと収納計画をたてておくことで、必要なものをさっと取り出せて、すぐに片付けられるようになり、「きれいな空間」を保ちやすくなります。

ここでは、住まいやライフスタイル、インテリアに合わせてさまざまなリビング収納を取り入れている住宅事例を専門家のコメントと合わせてご紹介します。

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▽ 目次 (クリックでスクロールします)

「隠す収納」で生活感を感じさせない空間をすっきりと保つ

家族が集まる場だからこそ、気がつけば日々の生活用品があつまり雑然とした空間になりがちなリビング。
「隠す収納」で、すっきりとした空間を実現した事例をご紹介します。
見せる収納が苦手!生活感を感じさせない空間を作りたい!という方におすすめです。

シンプル空間を追求した「隠す収納」

一見、板張りに見えるリビングの壁。実は、7つの収納と3つの個室へつながる扉となっています。
扉の開閉は、切り欠いた部分を手掛けにすることで、すっきりと直線的なラインをキープ。
シンプルさを追求した、究極の隠す収納ですね。

この事例を手がけた専門家

nu(エヌ・ユー)リノベーション

nu(エヌ・ユー)リノベーション

リノベーション会社

家づくりのキーワードは、“line”。
玄関からリビングまでを横断する直線的なラインが美しいクローゼットは、取っ手を付けずに扉の一部を切り欠いた手掛けでミニマルさを実現させました。
指のサイズに合わせた幅23mmの手掛けは、扉をストレスなく開閉することができ、閉めている時に中の荷物が見えない絶妙な寸法で設計。
収納であることを感じさせない美しい佇まいが、お施主さまの求める“生活感を感じさせないミニマルさを追求したLDK”の世界観を引き立てます。

小上がりになったキッズスペースの下にたっぷりの収納スペース

リビングダイニングの隣室を小上がりのキッズスペースとワークスペースに改修した住まい。
小上がりはごろんと横になれる畳敷きでキッズスペースにピッタリ。その下にはたっぷりの床下収納を配置されています。
リビング側は引き出しに、奥は畳を上げて収納できるようになっています。
ワークスペースとの間仕切りにはオープンシェルフと、スペースを余すところなく活用されていますね。

この事例を手がけた専門家

Co-DESIGN OFFICE(株式会社Co-DESIGN OFFICE)

Co-DESIGN OFFICE(株式会社Co-DESIGN OFFICE)

リノベーション会社

リビング中央部に「こもりたいとき」と「開放的に過ごしたいとき」に対応できる5枚の引き戸を設けました。
リモートワーク用に、書斎だけ隠したり、畳スペースまで全て隠したりと、使い方は自由自在。
小上がりにした畳の下はすべて「隠す収納」に。お子さんが飛び跳ねても下の階に音が響きにくくなるという一石二鳥のつくり。
書斎と畳スペース間は格子状のオープン収納とし、ディスプレイを兼ねた「見せる収納」として楽しめます。
空間を仕切る「引き戸」、「見せる収納」「隠す収納」といったさまざまな仕掛けのある、便利で遊び心たっぷりなお部屋になりました。

見えないけれど取り出しやすいテレビ裏の収納スペース

次にご紹介するのはテレビの背面に収納を設けた事例です。
正面からは全く見えませんが、壁掛けテレビを設置するための造作壁の裏側が収納になっています。
リビングで使うものを隠して収納しつつ、扉がないのでアクセスもしやすい、ぜひ参考にしたいアイデアですね。

この事例を手がけた専門家

インテリックス空間設計

インテリックス空間設計

リノベーション会社

リビングの壁掛けテレビの裏側にAV機材や配線などを「隠す」造作壁を設けました。
ゲーム機やリビングで使用するものなどを隠しつつ、さっと取り出せて、片付けるのもスムーズ。
一方でダイニング側には壁一面の本棚を設置。愛蔵のコレクションを見せつつ、すっきり収めることができます。
見せたいもの、隠したいものを整理しながら、使用する場所を想定しそれぞれの収納を設けることで、心地よい空間に仕上がりました。

「見せる収納」で見た目も楽しめるおしゃれな空間に

オープンシェルフやキャビネットを使って、お気に入りのアイテムをディスプレイするなど、収納自体をインテリアの一部として楽しめる「見せる収納」。
インテリア雑誌等に掲載されていることも多く憧れますが、一方で雑多に見えないよう配置・収納方法に工夫が必要でもあります。
素敵な「見せる収納」を実現された事例をご紹介します。

勾配天井に合わせた壁一面の大容量シェルフ

リビングの壁一面に造作された大容量の壁面収納。
勾配天井に合わせておうち型になっていたり、窓の部分は開けられていたり、テレビ置き場も設置されていたり、造作ならではの工夫がたくさんです。
「どこに何を飾ろうか…」考えるのも楽しそう。

この事例を手がけた専門家

/360° 納谷 新さん

/360° 納谷 新さん

建築家

切妻の天井に沿って、壁一面に棚を計画しました。
設けられた棚はオープンだったり、扉が付いたりしています。
設計の段階でクライアントに持ち物を聞き、ここに収めるべきものをセレクトし、見せるもの見せないものに分けました。
それらは実用的なものだったり、装飾品だったり、コレクションだったり多種多様に渡っています。
さらにはテーブルも備え付け、ちょっとした事務作業もできるように。
ここはこの家のある意味ステーションのような場所になりました。

まるで造作。既製品を活用した壁面収納

壁一面に設置されたオープンシェルフ。
こちら『無印良品』のスタッキングシェルフを活用したものだそう。
モジュールの組み合わせでリビングの壁一面にぴったりあっていて、まるで造作収納のよう。
下段に入れた引き出しパーツには細かいものも収納できて使い勝手が良さそうです。

この事例を手がけた専門家

空間社

空間社

リノベーション会社

シンプルなハコだから、自分らしさを詰め込める。
そんな『無印良品』の考え方にトリビュートしたリノベーション事例です。
以前は造りつけの収納が上手く活用できずにモノがあふれていたというLDK。
リビングの壁一面に、無印良品の「スタッキングシェルフ」を設置しました。
この製品はモジュールを組み合わせてさまざまな機能をもたせられる棚で、こちらではテレビボードと本棚の役割を果たします。
さらに、オプションパーツを組み合わせて、こまごました日用品を効率よく収められる引き出し収納も設けました。

キッチンカウンターのリビング側を本棚に!

リビングに対面するキッチンのカウンター下がたっぷり収納できる本棚になっています。
低い位置なので、子供の絵本などを収納するのにもぴったり。

この事例を手がけた専門家

アネストワン

アネストワン

リノベーション会社

「しっかりと収納スペースを設けたい」というご要望をいただき、本好きなご家族のために、キッチンカウンター下のスペースを有効活用して、家族で使えるシンプルな本棚を作りました。
低い位置にあるので、お子さまが自分で絵本を選んだり、読んだ後にしまったりすることもできます。
また、本の大きさに合わせて位置を変えられるよう、棚板は可動式にしています。そこに納める本の変化に柔軟に対応する、長く愛用できる本棚になっています。

階段下収納の新しいカタチ!「隠す」と「見せる」で空間にアクセントを

階段下を収納として有効活用するアイデアはすでにありますが、こちらの収納は「スペース」ではなく、階段そのものが収納家具のようになっています。
一部はオープンに、一部は扉で隠されていて、見せたいものを飾りつつ、隠したいものはすっきりと収納できるのもうれしいポイントです。

この事例を手がけた専門家

ALTS DESIGN OFFICE(アルツデザインオフィス) 水本純央さん

ALTS DESIGN OFFICE(アルツデザインオフィス) 水本純央さん

建築家

収納というと、クローゼット・納戸・押し入れといった名前を持つスペースをつくるのが一般的。しかし、収納を確保するための閉鎖的で限られた空間により、リビングなどの生活スペースを犠牲にしているのではと考えました。
そこで、どこに何を収納するべきかということを考えながら、「収納という空間」をただ単に設けるのではなく、収納に「+αの機能」を持たせることを試みました。階段が収納の一部になり、収納が勉強机となり、椅子が収納となる。「+αの機能」を持つ収納を点在させることで、空間には余白が生まれていきます。物を片付けるだけの収納空間に付加価値(+αの機能)をつけることで、今までにない伸びやかな空間設計を試みた住宅となりました。

暮らしにあった収納で素敵なリビングに

リビングの収納は、それぞれのライフスタイルや家族構成に応じてさまざまな選択肢があります。家づくりをする際には依頼先にこんな空間にしたい、と伝えるのと同時に、リビングで普段使うものについても伝えておくと収納計画を立てやすいかもしれません。
信頼できる依頼先を見つけて、細かい部分までじっくり相談することが大切です。

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