もうひとつ子ども部屋が必要になった。
集中できるリモートワーク部屋が欲しい。
理由はそれぞれですが、家族が快適に暮らしていくには、空間を分けたい!部屋数を増やしたい!と思うときがあります。
そんなとき「室内窓」を取り入れて間仕切るのも1つの答え。今回は、部屋を増やしたい人の目線で「室内窓」を検討します。
▽ 目次 (クリックでスクロールします)
そもそも室内窓って?
既製品?それとも造作?
どんなメリットがあるの?
注意点も知っておこう!
実例を見てみよう!
そもそも室内窓って?
室内窓とは、室内の空間に設置された窓のこと。内壁に室内窓を作ることで採光や通風が良くなったり、内装をオシャレに見せることができます。マンションなどの集合住宅のリフォームでも、条件はありながら、設置工事できる可能性は高いと思いますので、管理組合やリフォーム会社に確認しておきましょう。
タイプは2つ!開閉窓とFIX窓
室内窓は大きく分けると「開閉窓」と「FIX窓」の2つのタイプがあります。
・開閉窓…開け閉めができる窓。空気を入れ替えたり、家族とコミュニケーションをとることもできます。
開閉窓には主に3種類があります。
1. 両開き窓:窓の両側が開く一般的なタイプ
2. 突き出し窓:押すと上に向かって開くタイプ
3. ランマ窓:天井の近くにあり、傾けて開閉させるタイプが多い
・FIX窓…開閉できない、はめ殺しタイプの窓。明るさだけを確保したいときやインテリアのアクセントにしたいときにおすすめです。
ガラスだけでなくアクリルも
室内窓はガラスやアクリルをはめ込んで使うのが基本です。ガラスのデザインにもいろいろあって、通常の透明ガラスだけでなく、くもりガラスやストライプ柄などのデザインガラスを選べる場合もあります。オシャレな雰囲気になるだけでなく、プライバシーの確保や視線が合う気まずさを避けることもできます。
また場合によっては、割れたときに危険性の低いアクリルを選ぶこともできます。価格的にも低めに抑えることができるかもしれませんが、アクリルは傷がつきやすかったり、安っぽく見えてしまうこともあります。ご自宅の状況や家族の好みを考慮して選ぶようにしましょう。
既製品?それとも造作?
最近はいろいろなメーカーが室内窓専用の既製品を出しています。リフォームで採用できるものはある程度限られてきますが、うまく取り入れれば費用を抑えることもできます。
主なメーカーの特長
・リクシル…流行りをうまく取り入れるリクシルらしいスタイリッシュな「デコマド」など。通常の室内窓のほか、床から頭の上まで届く大きなサイズもあり。
・パナソニック…重厚感あるブラック系とホワイト系の窓枠が選べて、ガラスの種類もチェッカーガラスなどのアクリルも選べる。
・YKK AP…さすが窓・サッシの会社!シンプルなタイプから「アクリルブロックFIX」などデザイン性の高いものまで揃えている。
・ウッドワン…ウッドワンといえば無垢材!無垢の木の室内「MOKUサッシ」など。木質カラーのバリエーションが豊富。
・DAIKEN…「室内窓 マドモ」があり、スモークガラスタイプなども選べる。
造作にする場合
一方、なかなかイメージやサイズに合った室内窓が既製品では見つからない……というときは、造作するという方法もあります。費用は既製品よりも少し高くなってしまうかもしれませんが、配置から大きさやデザインまで希望通りの室内窓を設置することができます。
オーダーしてからかなりの時間がかかってしまう場合もありますから、発注する前に施工会社にはしっかり確認しておくようにしましょう。
どんなメリットがあるの?
それでは、室内窓にするとどんなメリットがあるのかを考えてみましょう。(ご自宅で部屋を増やすために、空間を室内窓で間仕切ったら……と想像してみてください。)
開放的な空間
LDKに隣接したミニマムなベッドルーム。
直接ではなく、キッチン側からの自然光を優しく取り込んでいます。
採光・通風
見通せるだけではなく、実際に光と風が通るようになります。室内窓を通じて自然光を採り入れることができ、風の通り道もできるので換気にも効果的です。
見た目がオシャレ
室内窓にはインテリアのアクセントになるようなデザイン性の高いものも多いですし、シンプルなタイプでも大きさや設置の仕方を工夫すれば、部屋全体を雰囲気よく、オシャレに見せてくれる効果があります。
コミュニケーション
たとえば、仕事部屋とリビングの間に室内窓があれば、リビングにいる家族の様子に目を配りながら、仕事をすることができます。同様に子ども部屋とリビングなどの間に室内窓があれば、リビングからでも子どもの様子を見守れますし、子どもも適度に集中して勉強することができます。
注意点も知っておこう!
いいことだけではなく、デメリットも知っておく必要があります。ご自宅の状況に本当に室内窓が適しているか、よく検討して判断しましょう。
設置不可の場合もある
場合によっては、希望する場所に室内窓を設置できないこともあります。すでにある壁に室内窓を後付けする際は、柱や補強資材が入っている箇所には設置不可の可能性が高いです。また、新たに壁をつくり室内窓を設置するときも、とくにマンションの場合などは構造上や重量の問題に注意が必要です。
費用
室内窓の設置には、当然、費用がかかります。それに見合うだけのメリットが手に入るかを冷静に検討しなければなりません。一般的にはサイズが大きくなればなるほど窓自体の金額も設置する費用もかかります。複数の施工業者から相見積もりをとることがオススメです。室内窓の施工実績が豊富な地元業者に依頼できれば、ある程度は費用を抑えることができそうです。
光・音・気配
設置の場所によっては、室内窓を通して入る光や聞こえてくる音、また室内窓の前を行き来する気配が気になってしまうことがあるかもしれません。プライベート空間とリビングをつなぐ室内窓の場合、家族のライフスタイルや動線なども踏まえて設置や場所を検討しましょう。
実例を見てみよう!
それでは、実例とともにプランやデザインを見ていきましょう。
リビングと寝室を壁で分け、室内窓を設けています。
上部に造作した大きい室内窓。扉がなくスムーズな動線。白い壁とフローリングに優しいカラーの木製フレームが素敵です。
仕事部屋とリビングを分け、デスクと一体型の室内窓を設置しました。
家の中での夫婦の距離感を大切に「ふたりでくつろぐ時間」と「ひとりになりたい時間」を両立させた、どこか素朴でタイムレスな雰囲気の住まい。
重厚なイメージのインテリア、ワークデスクに合わせた開閉可能な室内窓、仕事に集中することも家族の様子を伺うこともできるワークスペースとなっています。
リビングと子ども部屋を分け、FIXタイプの室内窓をつけています。
子どもに目を配れて安心ですし、リビングから見える子ども部屋の照明やモビールが、いいアクセントになっています。
室内窓は立派なインテリア
子供部屋のリビング側とキッチン側に、デザインの異なる室内窓のある住まい。
こんなに可愛らしい室内窓を見たら、向こう側のお部屋も期待大です。
リビングと寝室を引き戸タイプの大きな室内窓で分けています。
寝室に降り注ぐたっぷりの自然光がリビングも明るくしています。カーテンもつけているのでプライバシーも確保できます。
ダイニングと趣味の部屋を壁で分け、室内窓を設置しています。
ホワイトのレンガ調の壁に黒いアイアンのフレームがインテリアのアクセントに。模様の入ったガラスもオシャレです。
ダイニングとスタディスペースを大胆な室内窓で間仕切りました。
本棚とデスク&チェアを置いたスペースとダイニングを、インパクト大の室内窓で分けています。大人のちょっとした調べ物も子どもの宿題も、スムーズにやる気になれる動線です。
リビングと趣味の部屋を壁で分け、室内窓を設置しています。
室内窓の場合は、外に面した窓よりも劣化を気にせずにフレームを選べる楽しさがあります。北欧風の部屋に木製のフレーム、ブルックリンスタイルのインテリアにブラックアイアンのフレームなど、雰囲気に合わせた演出が人気となっています。
室内窓といっても、開き方から大きさ、デザインなど実にいろいろなバリエーションがあります。WEBサイトやカタログで見るだけでは、質感などつかみにくいところもありますから、ショールームや完成見学会へ見に行くなどの方法で実物を目で見て確認しましょう。
その上で、ご自宅に設置した場合に調和が取れるか、空間を上手に分けられるか、欲しかったもう一部屋を実現できるか、を考えてみましょう。