スイッチ一つ、蛇口を捻るだけでお湯が供給されることは、ごく当たり前になりました。
かつては瞬間湯沸かし器やガス風呂釜が主流でしたが、その数も少なくなりつつあります。
今回はそうした給湯についてお伝えしたいと思います。
適した温度と給湯に際する留意点
湯は用途により適した温度がありますので、まず最初に紹介したいと思います。
飲料用90~95度、浴用40~45度、シャワー43度、洗面手洗い用40~42度、台所(炊事)45度となり、混合水栓で調整される場合は、浴用以外60~70度で給湯することにより設備や経費の負担を抑制することができます。
給湯で負担となる割合が高いものは"浴用"であることから、給湯を選択する場合には必要とするだけの湯を供給できる性能を持つものを選択する必要があります。台所、浴室の双方で同時に湯を使用した場合に、給湯量が低下することからも余裕を持たせておくと良いでしょう。
1日に1人当たり使用する湯の量は75~150リットルと言われています。
そうしたことから、複数人で住まわれている場合には、最大の150リットルを人数で掛けることにより要求される給湯量を把握することができます。
給湯方式
家庭で使われる給湯方式は、局所給湯方式がほとんどであり、ガス、石油を燃焼させ水を沸かす瞬間湯沸かし器で馴染みの「瞬間式」、深夜の割安な料金を利用した電気温水器である「貯湯式」、太陽熱を利用した「太陽熱温水器」、ヒートポンプで集熱する「ヒートポンプ式」、ガス発電・給湯暖房をシステム化したタイプや家庭用燃料電池を使用したタイプも登場し、環境に配慮した商品も多く販売されています。
ただ給湯するだけでなく、暖房や発電を兼ねた高効率で経済的な方式が登場していることからも、ご家庭で電力やガスをメインに使用されるのか、若しくは寒冷地等で燃料を使われるのか、そうしたことも含め使用する環境に応じた選択をされることが重要になります。燃料電池などを使用したタイプは初期費用が比較的高額となることから、コスト面や対応年数も考慮した検討が必要です。
差し込む朝日を感じながらシャワーを浴び、湯船に浸かる至福の一時。
また、一日の疲れを癒す安らぎの場でもある浴室は、給湯を考える上で重要な場所です。
地域や家族構成、湯を使われる時間帯などを考慮して加温が必要になることも念頭に検討されることが大切になります。