一般的に、マイホームを購入の際は住宅ローンを借り入れ、さらに団体信用生命保険に加入します。団体信用生命保険は、住宅ローンの契約者が返済中に亡くなったり、高度障害の状態に陥ったとき、ローンの残額を肩代わりしてもらえる住宅ローン専用の保険です。この内容についてご紹介します。
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団体信用生命保険とは?
保障内容は?
注意すべきポイントは?
団体信用生命保険とは?
住宅ローンは、長期の場合30年以上にわたり返済します。その間、ローン契約者に何か起こったら、残された家族は借金を支払わなくてはなりません。住宅ローンは数千万の支払いとなるので、家族に住宅ローンを払い続ける経済力がなければ、マイホームを手放すことになってしまいます。
総務省の「家計調査年報(家計収支編)平成28年(2016年)」によれば、2人以上の勤労者世帯のうち、住宅ローン返済世帯の毎月の生活費は平均319,208円、住宅ローンの返済額は92,945円となっています。残された家族が今までの同等の生活水準を保つことは厳しいと言えそうです。
団体信用生命保険(以降、団信と呼びます)はこのような事態を避けるためにできた保険です。ローン契約者に万が一のことがあった場合、保険会社から金融機関へ住宅ローンの残額分が支払われるので、残された家族は住宅ローンの返済に困ることはありません。
保障内容は?
通常の団体信用生命保険は、ローン契約者が死亡もしくは高度障害状態のときに住宅ローンを肩代わりします。そこに、以下のような特約が付いています。
・三大疾病特約付団体信用生命保険
ローン契約者が死亡・高度障害状態になったときに加えて、「三大疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞)で所定の状態になったときにも、住宅ローンが完済されます。
・八大疾病特約付団体信用生命保険
ローン契約者が死亡・高度障害状態になったときに加えて、三大疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞)と五疾患(糖尿病、高血圧性疾患、肝硬変、慢性膵炎、慢性腎臓病で所定の状態になったときにも、住宅ローンが完済されます。
■基本的には病気やケガによる保険金支払いはない
団体信用生命保険では保険金が支払われるのは、基本的に死亡・高度障害状態のときです。特約をつけると、三大疾病や八大疾病で所定の状態に該当したときにも保険金を受け取ることができます。
しかし、病気やケガにより長期的に働けない状態になっても、一部の団体信用生命保険を除いて保険金は支払われません。収入が減ってもサポートはありませんので注意が必要です。
注意すべきポイントは?
次に、団体信用生命保険で注意すべきポイントをご紹介しましょう。
■健康状態が悪いと加入できない
団体信用生命保険は一般の生命保険と同様に、契約時は健康告知が必要になります。団体信用生命保険の健康告知は一般の生命保険よりも告知項目が少ないため、比較的に加入しやすいといえますが、病気の種類や症状、経過によっては、団信に加入でません。糖尿病は加入できない既往症の代表例です。
団体信用生命保険への加入が借り入れ条件になっている住宅ローンの場合、「健康状態が悪く団体信用生命保険へ加入できないために、住宅ローンの審査に通らず、借り入れができない」となる恐れがあります。
■団体信用生命保険に入らないほうが得になることもある
団体信用生命保険の保険料は「ローンの金利に上乗せ」という形が一般的です。基本的には年齢や健康状態に関係なく、保険料や保障内容が設定されます。民間の生命保険では年齢や健康状態に応じて、保険料や保障内容は大きく変わってきますので、こちらの保険のほうが有利になる場合があります。
フラット35なら団信への加入は任意なので、民間の保険を選ぶのもひとつの方法です。若い人は保証料がもともと安いですし、「非喫煙割引」など、特約も豊富です。
■ムダな保険料を支払う可能性がある
団信保障内容とすでに入っている民間の生命保険の内容が重複している場合があります。団信加入が必須ならば、生命保険を見直しをしましょう。
住宅ローンを組む場合、団信の役割は非常に大きいです。団信に加入しない場合は、民間の生命保険できちんとサポートができているか確認する必要があります。また、加入しようと思っても、健康上の理由などから加入できない場合があるので、加入要件を確認しておきましょう。