2017/03/11更新0like4676view水沼 均

建築家になるには?〜勉強、修業、資格、実務、独立へと至る長い道〜

SUVACOには大勢の建築家が登録をしていて、設計した住まいの写真を大量に見ることができます。建築家の方たちは知識が豊富で優れたセンスを持っていて、いつも感心します。独立したプロフェッショナルになるために、彼らは果たしてどのような道を歩んできたのでしょうか。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

建築家ってなに?

建築家とは建築士資格を持ち、建築士事務所登録をして建築物の設計・監理を主業務としている人たちのことです。自らの設計事務所を立ち上げている設計専門家です。

下の写真は、設計事務所を主宰している建築家ご夫妻のワークスペースです。模型や専門書で書棚がぎっしり埋まっています。

建築家とは実務力とセンスとまごころを持った人

では、建築家とはどのような能力を持った人たちなのかを見てみましょう。

まずプロの専門家ですから、設計全般をこなす実務能力を持っています。機能的なプランニングができる、技術的なことがわかる、法的なことがわかる、コストプランニングができる、などです。

そして実務能力に加えて、センスの良い建築が作れなければなりません。建築家は造形力も持っていて、センスの良い家を創ることに長けた人たちなのです。

さらに建築家は、住み手を何よりも大切にするまごころを持っています。住み手に優しい家を作ること、住んで楽しい家を作ることのできる能力を持っているのです。

下の写真は鎌倉に立つ住まいです。いかにも景色の良さそうな、ほのぼのとしたスケール感に満ちた良い住まいですね。建築家の確かな力量とセンス、そしてまごころがストレートに伝わってくる力作です!
徳田英和「西鎌倉の家リノベーション」
また、下の写真はLDKでの家族団らんの様子です。ダイニングをうんと広めにとってハンモックやピアノを置いています。間仕切りも極限まで減らして、家族のつながりを強めています。建築家が実にさまざまな工夫をしていることがわかります。

まずは学校で建築をみっちり学ぶ

このように建築家はとても幅広い能力を持った人たちですが、これらの力を身につけるためにどのようなトレーニングを受けているのでしょうか。

まず、大学や専門学校などの学校に行って建築学の勉強をします(学校は必須義務ではなく、他分野から建築家に転向する人もいます)。

学校では厳しいトレーニングが待っています。設計の演習課題で大量の図面を描き、模型を作ります。さらにそれらと並行して建築構造、環境工学、材料学といった技術分野の勉強もしなければなりません。

下の写真は設計事務所で作られた模型です。こうした模型をていねいに迅速に作れるように、学生時代から繰り返しトレーニングを受けます。
そして建築家をめざす学生たちは単に設計演習課題をこなすだけでなく、センスの良い設計、建て主に配慮した設計をめざさなくてはなりません。学校には大勢の建築家が教師として来ていて、入学まもないころからプロへの道を説いて厳しい指導をします。実際、学校を卒業するだけでもけっこう大変なんですよ。

下の写真は設計事務所で作られたプレゼンテーション用図面です。色使いや陰影など、たいへんセンスが良くてわかりやすい図面ですね。さらによく見ると細部に至るまで、すでに使い勝手や技術的な事がらなどが十分に検討されていることもわかります。
鷲巣 渉「1500万円で「人生を楽しむ家」のアイデア集」

社会に出て設計実務の経験を何年もこなす

学校を卒業すると設計事務所や建設会社設計部などに就職をします。ここでも厳しい毎日が待っています。建て主さん、関連業者さん、官庁の方など多くの人たちと接して仕事を良質に、スケジュールどおり進めなければなりません。建築家の卵たちは、この「修業期間」中に社会人としての常識や建築家としての良識などを叩き込まれるわけです。

そして建築士資格試験にチャレンジ。一発で受かりたい!

こうして実務の経験を積みながら、かたわらで建築士の資格試験にチャレンジします。しかし、受験をする前には7年間もの実務経験が必要と定められています(大学建築学科卒は2年間)。

試験の難しさもさることながら、受験までに必要な長い実務経験が建築士試験のハードルを高いものにしています。

資格を取ってもまだ実務経験が必要だった!?

こうして難しい試験に合格して建築士資格を取得すると、いよいよ建築家への道が見えてきます。独立のためにはまず建築士事務所登録を行います。ところが、ここにもさらなる関門が待っています。

建築士事務所登録をして独立するためには、建築士試験に合格したのちに3年間以上の実務を経験しないとならないのです。つまり7年間の勤務を経て建築士試験に一発合格したとしても、その後さらにもう3年間勤務しなければなりません。足かけ10年という長い歳月です。

建築家は若手でも、すでに十分な経験と競争と苦労をしている

建築家は若手の人でも、独立直後からすでに十分な実務能力を持っています。これはひとえに、法律で定められた実務経験年数が長いからなのです。

もちろん実務能力だけではありません。学校や設計事務所で大変な競争をしてきた人たちですので、デザインセンスも優れています。そして苦労もたくさんしてきていますので、人間的にもまごころある、優しい人たちが多いと言えます。

建築家はこんなやりがいが大好き

さて、こうして数多くの苦労や経験を積んでやっと独立していく建築家ですが、実際建築家たちにとってのやりがいはどんなところにあるのでしょうか。

建築家にとっていちばんのやりがいとは、設計した住まいを建て主さんに気に入ってもらえること。そしてもう一つは、新たな建て主さんから「この人に設計してほしい」と自分を選んでもらえることです。
いかがでしたでしょうか。建築家になるのはかなり大変な道のりであることが、おわかりいただけたかと思います。

でもその苦労はすべて、建て主さんの住まいというはっきりとした形で結実していきます。この家で長い間建て主さんのご一家が住まわれるのだということが、常に建築家に大きな充実感を与えてくれるのです。
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この記事を書いた人

水沼 均さん

建築設計の学校で長年教師を務め、大勢の生徒さんと接してまいりました。年齢、経歴、そして住まいへの思いも大変多様で、他では得られない貴重な経験ができました。その経験を生かして、豊かな住まいづくりに役立つような記事をたくさん書いていきたいと思います。

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