2024/02/06更新0like1133view

著者:岩間光佐子

住まいに憧れの「吹き抜け」を取り入れたい!メリット・デメリットやプランニングのポイント&注意点

この記事を書いた人

岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

新しい住まいには、明るさや広がりを感じることができる吹き抜けを取り入れたいと、希望する方も多いではないでしょうか?ここでは、吹き抜けのメリット・デメリット、プランニングの注意点、設備機器の選び方のポイントをまとめました。

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吹き抜けとは?

天井を高くゆったりとした空間を演出してくれるする吹き抜け。新築やリフォームを検討中の方には、気になるプランのひとつでしょう。本来、吹き抜けとは、多層階の建物で、2層以上の高さにまたがって設けられる空間やスペースのこと。取り入れ方によって多様な空間づくりが可能です。

一般的な住宅で多くみられるのは、1階の玄関ホールや階段スペース、リビング・ダイニングなどに設けるプランではないでしょうか。また、2階リビングでも屋根形状(斜面形状)を利用して高さを確保、ロフトなどを設けた吹き抜けとするケースもあります。

条件によっても異なりますが、吹き抜けプランとすることで、たっぷりとした光や風を取り込み、明るく開放的な空間となることが大きな魅力となっています。

吹き抜けのメリットは「開放感」と「明るさ」

周辺環境や敷地条件、住まい全体のプランニングにもよりますが、一般的に、吹き抜けのメリットには、広々とした空間が実現できることと、上部からの光が取り込めること、上下空間のつながりが生まれることなどが挙げられます。

1. 広々とした空間が実現

吹き抜けを設けるメリットとしては、なによりも広々とした開放的な空間が実現できること。天井高となることで、縦方向にも広がりが生まれ、ゆったりとした心地よさを感じることが可能です。梁や小屋組みなどを現しにしたり、屋根形状を活かしたりすることで、変化のある空間を作り上げることもできるでしょう。

2. 上部の窓から光を取り込める

吹き抜けプランとすることで、天井近くのハイサイドライトやトップライトなど、上部に窓を設けることが可能。上からの太陽光をたっぷりと取り込むことができるのも大きな魅力でしょう。例えば、南面の隣家が迫っているなど、敷地条件の良くない場合でも上からの光によって明るい空間を実現できます。同時に、光だけでなく、上部から風を取り入れることも。家中に空気が通り抜けることで、夏場でも快適に過ごすことができるでしょう。

3. 上下階の空間につながりも

吹き抜けを設けることで、上下階につながりが生まれ、家族の気配を感じることもできるでしょう。例えば、吹き抜けのLDK空間に、2階の子供スペースが面している場合は、下の階にいながらでも子供の様子を感じることも可能に。子供からも親の姿が確認できるので、安心感を得ることができるのではないでしょうか。

デメリットは「空調計画」と「高所のメンテナンス」

吹き抜けのデメリットとしては、空調計画の難しさや音の問題、高所部分のメンテナンスなどが挙げられます。

1. 暖房や冷房効率

空間のつくりや基本的な住まいの性能にも関わりますが、大きな空間となるため、暖房や冷房などの空調プランの難しさがあります。冬場の寒さ、夏場の暑さなどに不安を感じる方も多いかもしれません。大きな空間の快適さを確保するためには、ある程度のエネルギー消費が必要になり、どのような空調機器を用いるのか、光熱費も含めて検討することが大切です。

2. テレビなどの生活音

上下階につながりが生まれることは、気配を感じるというメリットと同時に、生活音が聞こえてしまうというデメリットもあります。例えば、1階のLDKのテレビやキッチンの音が2階に届いてしまうこともあるかもしれません。

また、音だけでなく、キッチンの料理のにおいが上階まで回ってしまうということも。美味しそうと感じるか、臭いが気になるか、メリットとデメリット両面があるでしょう。

3. 高所に設ける機器などの操作・メンテナンス

高所に設ける窓の開閉や掃除の方法も気になるところです。窓サッシやブラインドなど高所用の商品や機能を持つアイテムなどを選ぶ、天井や壁面なども含めて、掃除やメンテナンスの方法を検討しておくことも必要でしょう。照明器具などの交換なども考慮しておきたいポイントです。

プランニングの注意点

吹き抜けを取り入れる際に限ったことではありませんが、プランニングのポイントとしては、採光や通風、断熱性、空調計画などが挙げられるでしょう。

採光・通風、操作性を考慮した窓プラン

吹き抜けプランに限らず、窓プランは家づくりの中でも重要なポイントのひとつです。まず、条件や建物に適した断熱性能を持つ窓サッシを選ぶこと。その上で、上部からの採光や通風を考慮して、窓の形状やスタイル、配置を検討することが大切です。

また、開閉のしやすさ、掃除のしやすさなどにも配慮を。チェーンで操作できたり、リモコンで開閉できる高所用の窓もあるので、使い勝手や使う人を考えて選ぶことが大切です。

空間に適した空調プラン

住まい全体の断熱性を確保すると同時に、吹き抜けのある空間スペースに適した冷暖房機器を取り入れることが基本。空調計画は、専門的な知識が必要になるので、実際の家づくりの際には、設計担当者からの提案を検討することになるでしょう。十分に説明を受け、イニシャルコストだけでなくランニングコストを含めて確認するようにしましょう。

また、吹き抜けの空気を滞留させないためには、シーリングファン(部屋の空気を撹拌する天井などに設置するファン)などを設置するのもひとつの方法です。
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生活音を考慮。照明計画は早めに

音に関しては、家族構成やライフスタイルを考慮して、上下階のつながり方を検討するようにしましょう。吹き抜けに面した部分を開放的にしすぎない、扉や室内窓を設けるなどの工夫も考えられます。

また、照明計画は早めに検討が必要です。空調と同様に設計担当者からの提案を確認することになりますが、吹き抜けのある空間での過ごし方をイメージしてプランニングを。テレビを見るのか、読書をするのか、子供が学習スペースとするのかなど、ソファやテーブルレイアウトと一緒に考えるといいでしょう。ペンダントライトを下げたり、複数のダウンライト、梁に設置するプランも考えらます。電球の交換など、自分でできるのか、電気工事者にお願いするのか、メンテナンス方法を事前に確認しておくことも重要です。

周辺環境・家族構成、住まい全体で検討を

当たり前のことですが、吹き抜けという、ひとつのプランだけを取り上げてその良し悪しを述べるのは難しい面もあります。敷地条件や周辺環境などによってもプランニングは変わってきますし、家族構成やライフスタイルによっても住み心地は異なるもの。吹き抜けだけでなく間取り全体で考えることが重要なのは言うまでもありません。

その上で、吹き抜けのメリットを活かし、デメリットをどのように解消し改善させることができるかを、設計担当者としっかりと検討することが大切でしょう。間取りだけでなく、適する設備や建材などを組み合わせ、立体的に考えることがポイントです。

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