コンクリート打ち放しは、人が造る石だという建築家もいます。
近代建築の巨匠と言われる、ル・コルビジェやルイス・カーンも数多く打ち放しの建築を設計しています。
日本では、安藤忠雄が有名ですね。
それだけ素のままのコンクリートというのは、魅力的な素材ということもできます。
コンクリート打ち放しの建物をつくるには、設計も施工も含めて
大変緻密な作り方をしなければいけません。
経験に裏打ちされたノウハウが必要で、誰にでも簡単に設計できるというものではありません。
メリット
素材のダイレクトな質感、メンテナンスのしやすさ(問題点が現れやすい)
デメリット
打ち放しに限りませんが、ヘアークラック(ヒビ)は必ず発生する。目立ちやすい。
設計、施工が難しい。
コンクリート打ちっ放しの型枠は塗膜でコーティングされた型枠を使います。以前は、普通合板と塗装合板でコスト差が出ていましたが、東北大震災以降、型枠が極端に品薄となり、今現在、ほぼ同じ値段となっています。そうすると、コンクリートを下地としたタイル張りなどの建物より、コンクリート打ちっ放し+撥水剤(またはフッ素などのクリア塗装)のほうが安くできる時代となっています。このことがメリットだと思います。
デメリットとしては、ひびが入った時の補修がデメリット。大きなひびにたいしてはモルタルで補修しますが、ミミズが這った後のようになり打ち離しの表情が台無しになってしまいます。お金をかければ、ひびの補修をした後、全体にモルタル薄塗りを掛け、さらに「化粧打ち放し」に見せる補修方法を使えば、元々の力強さには及びませんが、打ち放しに見える補修ができます。
内部での使用は要注意です。断熱材が入らないので、外周部には向きません。また半年は水分を放出しつづけるので、その間は入念に風通しをしないとカビが発生しがちになります。コンセントやスイッチのボックスもコンクリートに打込むので、やり直しがきかず、現場が動き出す前にフィックスする必要があります。制約がいろいろありますので、コンクリート打ちっ放し経験がある設計者に依頼したほうが無難でしょう。
恐らくですが、「コンクリート打放し」と言って、ご質問者様と私がイメージしているモノは違うものだと思います。
街中のおしゃれな商業施設や、雑誌やテレビに出ている住宅など、多くの「コンクリート打放し」と言われているものは、厳密に言うと「打放し」ではないものが多いです。
コンクリートの壁とは、型枠と言われるベニヤ板の間にセメントと水と砂利と砂を混ぜたものを流し込んで作ります。
流し込んで固まったら型枠を剥がして完成、と言うのが「打放し」です。
コンクリートは「生コン」と言われるようにナマモノです。
そう均質にきれいなコンクリートが打てるとは限りません。
壁の大きさや、開口部の配置、施工の季節やコンクリートの強度によって、その仕上がりは常に変わってきます。
どうなっているかは型枠を剥がしてみないとわかりません。
型枠を剥がして一発勝負が「打放し」なのですが、なかなかそううまくは行きません。
ですので、実際は諸々の表面補修を行っています。
補修と言うと、そんなに気にはなりませんが、実際は表面にコンクリート模様の絵を描いているのです。
これでは、もう「打放し」とは言えないと思います。
私は、一発勝負の潔さこそ、コンクリート打放しの存在意義だと思うのですがいかがでしょうか。
ご質問の趣旨とは違ってきてるとは思いますが、こういう見方も参考にしてみて下さい。
メリットとしてはコスト面で下げれる場合があります。また部屋の雰囲気がクロス仕上げなどと違って無骨な感じに仕上がるので、無骨な感じが好きな方にはおすすめの仕上げになります。デメリットとしては、最上階の天井や外気に接する壁をあらわし仕上げにしてしまうと、もろに熱が蓄熱されるので非常に暑くなります。