2020/10/18更新0like438viewSUVACO編集部

専門家フィーチャー

「自然光を最大限に生かす“白”が好き」建築家:石川 淳さん

家づくりのプロに聞きたい「10のこと」シリーズ。

この連載では、さまざまな住宅のプロたちに共通の質問10個を投げかけることで、なかなか見えづらい素顔や住宅に対する思いを引き出せればと思っています。一体、どんな答えが返ってくるのでしょうか? 家づくりの依頼先を検討する際の参考にしていただけるとうれしいです。

記念すべき第1回は、優しい笑顔と時々、思わずクスっと笑ってしまうユーモアが見え隠れする建築家・石川 淳さん。「私の建築の特徴は、外はシンプル、中は複雑になんです」と話す石川さんならではのこだわりを感じる「10のこと」。この言葉の意味が、短いながらもこの記事の中にしっかりと刻まれている気がします。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

Q1. 日常でふと感じる職業病(こだわりや癖)は?

街中を歩いていて建物を見た時に、どういう法令をクリアすればこの形やデザインができるのか?と、作る目線で見てしまう。

Q2. 家づくりに関する知識で負けないこと、得意分野は?

人に勝るほどの得意や知識はありません。

ただ、作品をつくる過程で、「自分らしいかどうか?」という点を守り、作風を積み重ねることにおいては、人よりもがんばっています。
常に、自分だったらどう考えるか?を自身に問いながら、「自分らしさ」を忘れないようにしていますね。

Q3. 休日の過ごし方もしくは、仕事で活かせる趣味は?

休日は少ないですが、美術館に行ったり、街並み散策したり旅行へ行きます。

趣味というより実用ですが、仕事上、写真撮影はします。
旅行で写真を撮ったり、竣工写真を自分で撮ることもあります。
カメラは、ずっとキヤノン派です。いち早く建築用の煽りレンズを出したのはキヤノンだったので、おそらく多くの建築写真家から支持されていると思います。

クルマの運転も好きなので、自分で遠方の現場まで自走することもあります。(趣味というほどではないですが)昔は九州や青森まで自走して建築を見に行きました。7月には鳥取へ自走していきました。

思い出の旅を一つあげると、ポルトガルに訪れた際、「アルヴァロ・シザ」の弟子にあたる建築家「エドゥアルド・ソウト・デ・モウラ」が改修した修道院の建物に宿泊しました。古いものを活かしつつ、イヤらしさみたいなものは一切削ぎ落とした美しい内装を堪能しました。
ポルトガルの旅先で宿泊した「サンタ・マリア・ド・ポウロ修道院」(撮影:石川さん)

ポルトガルの旅先で宿泊した「サンタ・マリア・ド・ポウロ修道院」(撮影:石川さん)

Q4. 好きな住宅設備・建材は?

白のクロス、白のビニル床タイル、白の外壁塗装を好みます。柄や模様の無い仕上げが好きです。ワンポイントで木部は黒のオイルステインでテクスチャーを感じさせる程度が好みです。

材料は主張させず、なるべく、造形や空間の構成などに目が行くようにしたいです。

また、都市で唯一手に入る自然である「光」を生かすには白の仕上げに勝るものはありません。夕刻の光が白の壁や天井を青く照らす様子など、季節や時間で、室内の変化を楽しめます。

例えば濃い木目の壁などにすると、木の色の反射で室内が常に黄色っぽく反射して木目に支配されてしまいます。そのような空間が好きではないです。

美術館の壁が白いのは作品が主役になるようにです。同じように施主の持ち込む家具や品々が主役になるべきと考えます。

そのほかにも、前記の仕上げは安く手に入ります。施主の希望予算に納めるのもプロの重要な仕事です。

Q5. 好きなアーティストは?

中島みゆき
中島みゆきさんの歌は心に染みいります。特に好きな曲は、「時代」ですね。

北野武
多岐にわたり活躍されてますが、どんなジャンルにおいても北野さんは我々世代の「神」でしょう。(笑)

クリスト(ブルガリア出身 美術・環境芸術作家)
クリストは1991年の茨城の「アンブレラ」を見てシビレてしまった。現地にクルマを止めて、実際に歩きながら回ったことを思い出します。

Q6. 長年の愛用品 or 仕事のお供・必需品は?

たいして長く使っている物はないですが、クルマは32年、HONDA社の『CR-X』という車種に乗ってます。

メンテナンスも大変で、もう部品が製造されていないので正規ディラーと物好きな爺さんが経営する町工場、自身でオークションで探したり……(笑)そんな感じです。

意匠性だけでなく、この車の「機械的な設計」という点がとても明解なところに惹かれています。

スポーティーな車をどう設計するかを考えた、「コーダトロンカ」(空気抵抗を軽減する車体)というデザインが特徴です。サスペンションの形式においても、レーシングカーに使われるようなグレードのものを大衆車に取り入れています。かといって、余計なことはしていない。あっさりとシンプルにやるべきことだけを取り入れている……そんな点が好きな理由です。住宅の現場は狭い場所も多いので、小さい形状も乗りやすく、意外に荷物もしっかり積めるので使いやすいです。
かれこれ愛車歴32年にもなる車。いろいろな意味でこれ以上にグッとくる車に出会わない……(撮影:石川さん)

かれこれ愛車歴32年にもなる車。いろいろな意味でこれ以上にグッとくる車に出会わない……(撮影:石川さん)

Q7. オススメの家づくり関連の書籍やウェブメディア・イベントは?

一般の人にお勧めするなら……『建もの探訪』(テレビ朝日)、ヨイショ抜きにSUVACOさん。

あまりメディアを見過ぎないのが成功の秘訣と思いますね。
いろいろな情報を詰め込むと、細かい要素だけどんどん重なってしまいます。全体感で見たときに、一つひとつの要素に合う・合わないが生じるので、取捨選択が必要になります。なかなか捨てられずに悩んでしまう方も多いようです。

Q8. お気に入りの住宅事例は?

これは、独立のきっかけになった住宅です。

友人の家で、フリープランの建て売りをデザインしてほしいと言われて設計しました。この家があらゆるメディアに紹介されて、設計依頼をもらうことになり、結果なりゆき的に独立しました。

木造3階建ての住まいで、1Fから2F、1Fから3Fへ行く動線が別になっていて交わっていないという特徴があります。つまり、2Fと3Fの行き来は、一度1Fに降りるという構成です。この構成に至ったのは、ワンちゃんを飼っている友人が、「ケースバイケースでほどよく愛犬との距離を保てる場所が欲しい」とは言っても、個室に封じ込めるわけではなく、目が行き届く家を望んだことがきっかけです。2階は天井高を下げ、そこにワンちゃんを入れておくと、3階からも見下ろせるエリア分けをしました。

当時、ペットを主題に空間や動線を考えた住まいという点が、新しかったと思います。
外観のミニマムな形状も、建築のなかでは繰り返し取り入れられたデザインではあるのですが、しばらくなかったため、久しぶりのリバイバルという感じでご注目いただけたのかなと思います。

Q9. 素敵な出会い・忘れられないお客さまとの思い出は?

とある有名な女優さんの家を設計しました。

Q8.であげた家を雑誌でご覧になって、独立前の私に電話(勤め先の電話番号を雑誌に載せていました)をくれました。

大変ストイックな施主で、さすが日本を代表する女優さんでした。
ここでは書き切れないほどのエピソードがあります。

「施主の要望を実現する」という当たり前のことを学んだ仕事です。
いろいろな無理難題をいかに工夫を凝らしながら期待に応えるかという経験は、それまでの勤め先での、『新建築』に発表するための仕事とは大きく異なり、新しい挑戦でした。

しかし、施主が出家してしまって今は売りに出ていますが。(笑)

Q10. 最後に、「うちの家づくりのココがすごい!」と思うところは?

すべて私が主要部分の図面を書いています。施主との打ち合わせもすべて私が行います。
事務所を大きくするつもりもありません。 

この芸風を気に入ってくれればご依頼ください、とまでは言いませんが、共感してくれるお施主様ばかりが集まるところがすごいところだと思います。
対応業務 注文住宅、リノベーション (戸建、マンション、部分)
所在地 東京都中野区
対応エリア 茨城県 / 栃木県 / 群馬県 / 埼玉県 / 千葉県 / 東京都 / 神奈川県 / 山梨県 / 静岡県
目安の金額

30坪 新築一戸建て2,250万円〜

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