2017年11月11日更新

インテリア(壁/床)

珪藻土とは?漆喰との違いとメリット・デメリット

「自然素材で家を建てたい」「リフォームで珪藻土を使いたい」など、無垢の木材や左官壁を使った自然派住宅への関心は高まっています。中でも消臭や清涼作用などが期待できる珪藻土を、住まいの素材として使ってみたい方は多いのではないでしょうか。ここでは、珪藻土とはどのようなものなのか、良く聞く漆喰とは何が違うのか、また、珪藻土を使うメリットとデメリットなどについて紹介します。

※事例画像はあくまでもイメージです。


珪藻土とは?

珪藻土の原料は、植物性のプランクトンの一種である珪藻の死骸などがとても長い年月をかけて堆積され、化石化したもので、多孔質といって、スポンジのように無数の穴を持つ特殊な土になります。無数に開いているこの穴が、臭いを吸収したり、室内の調湿をしたりなどの効果を発揮してくれるのです。

また、吸音性、遮音性、耐火性にも優れており、昔は珪藻土から「七輪」や「かまど」が作られていました。

珪藻土は世界中に産地があり、日本でも秋田県や石川県、大分県などが産地としてよく知られています。

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珪藻土と漆喰は何が違うの?

住まいに塗り壁を採用しようとする場合、比較されるのが「珪藻土」と「漆喰」です。どちらも普通によく使われているようなイメージがありますが、何が違っているのでしょうか。

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珪藻土と漆喰の大きな違いは「原料」です。漆喰は一般的に、消石灰と天然素材から作る糊、麻などを練り合わせたものになります。消石灰とは強いアルカリ性の性質を持ち、真っ白でグラウンドのライン引に使われたりしていました。

一方、珪藻土は上述のように、植物性プランクトンの一種の珪藻に、つなぎとなる糊などを加えたものになります。

原料の違いの他に、漆喰と珪藻土ではその原料の特徴である「硬くなるための過程」の違いがあります。

漆喰は、練り合わせた材料を塗った後、空気中の二酸化炭素を吸着して、炭酸カルシウムに変化しながら硬くなっていき、仕上げで見る塗り壁の姿になっていきます。自分で硬くなっていくイメージですね。

珪藻土は、そのもの自体はサラサラしていて粘りが少ないため、乾燥するとまた崩れてしまいます。壁として硬く形成するには、「つなぎ」が必要になり、セメントや粘土、樹脂成分を加えることで、硬くなるようにしています。

このように、珪藻土と漆喰の大きな違いは、原料が違うということと、「つなぎ」が必要かどうかということになります。また、この「つなぎ」が必要であるということにより、珪藻土を選ぶ際には、特に成分にも興味をもってほしい部分でもあります。

なぜなら、「つなぎ」として使われるものは、100%天然のものではないこともあるからです。

しかし、「つなぎ」が加えられているなら、漆喰の方が良いのでは?と思われるかもしれませんが、消臭や調湿の機能は珪藻土の方が力を発揮します。また、塗り方のパターンや色などのバリエーションが非常に多いもの特徴になっています。

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珪藻土のメリットとは

珪藻土は無数の穴が開いていることから、その穴に臭いが吸着してくれるという優れた消臭効果があります。また、夏場など室内に余分な湿気がある時は湿気を吸収してくれ、逆に冬場の乾燥の季節は室内に蓄えている湿気を放出してくれるなど、吸放湿作用にも優れています。

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また、その素朴な素材感は、一般的なクロス壁とは違う、独特の雰囲気を作り出してくれます。

照明の灯りの柔らかな表情や、しっとりとした空気感、室内に入った時の清々しい清涼感は、本当のくつろぎを感じさせてくれるはずです。

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珪藻土は、比較的厚塗りの施工のため、塗り方のパターンや加える素材のバリエーションを豊富に対応が可能です。

例えば、うろこや波、扇のようなゆらりとした仕上げのパターンの他、専用の型をつける「くし」を横に引いた、くし引きや市松の模様を表現したスクエアパターン、細かい型をたくさんつけるスパニッシュパターンなど、塗り方はとてもたくさんあります。

また、「わら」や「麻」「色ガラス」を珪藻土に加え、あえて素材をむき出しに仕上げてアクセント壁にする仕上げの施工方法もあります。素朴な表情は、古民家や大正ロマン風などのスタイルにも似合いますね。

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珪藻土のデメリットと注意点

珪藻土は、その原料は粉のため施工してからしばらくは、表面の余分な粒子が落ちてくることがあります。新築で家を建てた場合、最初は巾木の上にポロポロと落ちている姿をみることがあるかもしれません。いずれ、表面が落ち着いてくると、それ以上は落ちてくることはないでしょう。

珪藻土は、自然素材でもあるため、乾燥によるヒビや割れが出てくることがあります。しかし、それは珪藻土だけが要因とは言えない部分でもあります。建物の揺れによって、構造体の中で局所的に力が加わる場所が出てきます。そういった部分ではどうしてもヒビが出てくることがあります。

例えば、部屋の入隅部分は壁が90度にぶつかっている場所ですので、力が加わりやすい部分になり、この入隅にヒビが入るケースは多くなっています。また、「木」が経年変化により自然に痩せることで「木部との接点」はごくわずかな隙間が出来たりすることがあります。

珪藻土は「つなぎ」が必要な原料のため、その加えるものにより、珪藻土の本来の機能が低下する場合があります。

珪藻土の含有率が全体の50%を下回ると、調湿機能などが漆喰よりも低下するとも言われており、住まいの塗り壁として採用する際には、その製品の原料や効果などについて、知っておくことも必要です。

珪藻土と漆喰の費用はどれくらい?

一般的には、珪藻土の方が漆喰より価格が低い場合が多いでしょう。また、バリエーションも豊富です。

例えば、珪藻土の1平米あたりの設計価格や約2,000~5,000円とした場合、漆喰は1平米あたり、約3,000円~5,000円程度が目安になります。

珪藻土の場合、「つなぎ」となる素材に何を使っているかということや、珪藻土そのももの含有率がどの程度高いかということも価格に違いが出てきます。

また、「つなぎ」は合成樹脂成分を使う場合が多いですが、樹脂成分が多いと、伸びもよく、ムラも出にくいなどのメリットがあるため、左官工事の職人さんとしては施工が容易な材料になり、左官工事費そのももも標準的な費用で済むことになります。しかし、「つなぎ」の樹脂成分を少なく、珪藻土の純度が高いと、塗り壁の扱いは難しくなる場合もあり、手間がかかる材料として、左官工事費が高くなることもあります。

判断が難しいところではありますが、「素材重視」で選べば、同時に施工の工事費も高くなる傾向がありあますので、よく検討したいところです。

新築やリフォームで塗り壁を使いたいという方にとって、珪藻土は機能的にもコスト的にもおすすめできる素材です。しかし、珪藻土の左官材料という点では、あまりにも多種多様に出てきているのが実情で、「つなぎ」が天然か樹脂かでも費用も施工の難易度もかわります。もちろん、樹脂が良くないということもありません。しかし、「全てが天然だと思っていたのに」という誤解が生まれないために、表面だけではわからない、珪藻土の原料について調べて検討してみることも良いかもしれません。

この記事を書いた人

GOKURAさん

自然系の家づくりに永く携わり、住まいに関する様々な経験をしてきました。「永く愛着が保てる住まい」のために、これから家づくりやリフォームをはじめる方々にとって、お役に立てるような情報をお届けしていきたいと思っています。

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