2024/08/01更新0like1091view

著者:SUVACO編集部

【専門家解説付き】張り方・樹種・仕上げで表情が変わる。そのフローリングのこと教えて下さい!

木目の美しさと質感が人気の木質系フローリング。
今回はそんな木質系フローリングを使った住宅事例の中から、ちょっと気になるフローリングを集めて、専門家にお話を伺いました。
床材選びの参考にしてみてください。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

木質系フローリングの2つのタイプ

フローリングには一枚板を使った「無垢フローリング」と合板を重ね合わせてつくる「複合フローリング」の大きく2つのタイプがあります。
最初にそれぞれのフローリングの特徴・機能をご紹介します。

無垢フローリングとは

無垢フローリングは、天然の木から切り出した1枚の板を床材として加工したもの。
時間がたつほどに艶や色が変化し味わいを増す無垢フローリングは、床材としてとても魅力的で、家づくりでも採用される方が多い建材です。

複合フローリングとは

複数の板を張り合わせた合板の表面に天然木を薄くスライスした突板やプリントシート等の化粧材を張り合わせたものです。
また、それぞれのより詳しい特徴やメリット・デメリットについて、以下の記事に掲載されているので、合わせてご覧ください。
(参考記事|SUVACO)
無垢フローリング・複合フローリング床材の種類と特徴、選び方

ぬくもりと懐かしさを感じられる無垢のパーケットフローリング

【素材】オーク無垢材のパーケットフロア(ウッドハート)

普通のフローリングと違い、寄木細工で作られたパーケットフローリングは昔の学校のようなレトロな空間をつくるのにぴったりです。
コンクリート現しの壁・天井とインダストリアルなアイテムを組み合わせて無骨な印象になりそうなところを、無垢材のパーケットフローリングで柔らかくあたたかな空間に仕上げています。

この事例を手がけた専門家

リノベーションスタジオKULABO

リノベーションスタジオKULABO

リノベーション会社

無垢材には特有の肌触りとそこから感じる温もりがあります。
こちらの事例ではマンションということもあり、床からの温もりと窓から入ってくる風を同時に感じることで、自然に包まれているような気持ち良さを感じることができました。
またパーケット型のフロアは、昔の学校を思い出して、どこか懐かしい気持ちにしてくれる、良さが詰まった床材です。

パッと目を引くデザインが美しい ヘキサフローリング

【素材】ヘキサゴン ブロック(TIMBER CREW/ティンバークルー)

スタイリッシュなデザインの木質フローリングを採用された住まい。
施主が希望したパーケットフロアをさまざまなメーカーで調べて、TIMBER CREWのヘキサゴン ブロックにたどり着いたそうです。

現しのコンクリート壁に施されたストライプ状のマスキング塗装ともマッチして、美術館のような空間に。

この事例を手がけた専門家

G  ARCHITECTS STUDIO 田中亮平さん

G ARCHITECTS STUDIO 田中亮平さん

建築家

4LD+Kと分かれた空間をワンルームへリノベーションするにあたり、大きなワンルームの一体感を演出しつつ、それぞれの空間の特徴に合わせて素材をあつらうことで空間に抑揚をつけることを考えていました。
例えば、北側のダイニングはしっとりした落ち着いた空間が望ましかったので、濃い茶色の素材感を基調としています。
一方で、南側のリビング・寝室は明るく開放的な場所と位置付けていたので、主たる空間に相応しい床材として明るいオークの色調でかつ華やかなヘキサゴンパターンのフローリングとしました。

南側の光を受けて互い違いの木目がその立体感をより際立たせています。

幅広のフレンチヘリンボーンでモダンな空間に

【素材】アッシュ床暖房対応フローリング  特注グレー色(無垢材)(マルホン)

レトロな空間をつくりたいときに人気の「ヘリンボーン張り」ですが、こちらの事例では、広々とした空間に幅広の床材をフレンチヘリンボーンで張ることで、モダンな空間に仕上げています。
グレーに塗装された床材がインテリアとも馴染み、とてもおしゃれでラグジュアリーな空間に。
同じヘリンボーンでも素材の大きさ・色・張り方の違いで雰囲気ががらりと変わることがわかります。

この事例を手がけた専門家

株式会社クラフト

株式会社クラフト

リノベーション会社

キッチンなどがモダンな印象のデザインなので、プレーンな印象のフローリングよりもエイジング系や木目の質感などのインパクトが出るようなものをご希望でした。
さまざまなフローリングを検討した結果、特注のグレーの色味が合うアッシュのフローリングに落ち着きました。

本来であれば床暖パネル上に一枚捨張りをする必要があるところを、東京ガスの床暖パネルの根太ピッチとサイズが合うフレンチヘリンボーンのため、ダイレクトに張れて床の段差が出ないというメリットがある床材です。
一枚板のダイニングカウンターや斜めに変形したリビングの形状、moooi(モーイ)の照明などとも相まって存在感がとても際立ちました。

計算できない色むらでつくるオリジナル空間

【素材】国産朴木(ホウノキ)無垢材(押田木材)

1枚の板でも明るい色と深い色までくっきりと分かれた色むらが面白いこちらの床材は無垢の朴木(ホウノキ)という樹種だそう。
朴木は木目が細かく均質なことが特徴で、刀の鞘(さや)などに使われる木材です。
同じ材を使っても、同じ床は2度と再現できない無垢床ならではの魅力が溢れたオリジナル空間が完成しています。

ほかにアカシアも絡み合ったような木目で個性的な空間をつくってくれます。「無垢材」といってもその樹種で空間の雰囲気がガラリと変わるので、ぜひお気に入りの樹種を見つけてみて。

この事例を手がけた専門家

株式会社ウィル空間デザイン

株式会社ウィル空間デザイン

リノベーション会社

お施主様は肌触りの良さ、表情豊かな独特な雰囲気、そして柔らかさを基準に床材を選定されました。朴木(ほうのき)は、その独特の雰囲気と見た目の美しさが目に留まったそうです。朴木は建材として使用されることが少ないため一旦は迷われましたが、その滑らかな手触りと温かみのある感触が大きな決め手となりました。その足触りの心地よさに大変満足されています。

国産朴木(ほうのき)フローリングの魅力は、自然の美しさと心地よい肌触りです。明るくナチュラルな色合いで空間を明るく広々とした開放感を演出してくれます。時間が経つと、温かみのある色合いに変化し、さらに魅力が増していくのも魅力です。

手触りは非常に滑らかで柔らかく、裸足で歩いても心地よい感触が得られます。
適度な強度と柔らかさのバランスが良い一方で、硬い木材ではないため、傷がつきやすい点には注意が必要です。

表面加工で空間に心地よいリズムを

【素材】ヨーロピアンオーク スプーンカット仕上げ (マルホン)

表面をスプーンで削り取ったような、スプーンカット加工のフローリング。
素足で触れたときの心地よさが好きという方も多いそう。
表面の凹凸が特徴的で光があたると陰影ができ、空間に心地よいリズムが生まれます。

フローリングの表面加工は他にも、浮造り、ツキノミなどさまざまあるので、気になる方はぜひ調べてみては。

この事例を手がけた専門家

リノベーション東京

リノベーション東京

リノベーション会社

リビング(洋室)から見える一角に縁側のように設置したスペース。
洋室から見えても、和室っぽくなり過ぎないようにデザイン性の高いスプーンカットを選びました。
スプーンカットの上を素足で歩いたときの肌触りがとても気に入っているとお施主様からも感想をいただいています。
また、このスプーンカットの縁側の下には間接照明も入れましたので、夜もとても雰囲気が素敵です。

古材の梁を再利用。古民家にふさわしい唯一無二のフローリング

最後になかなか真似できない唯一無二のフローリングを採用された事例をご紹介します。

【素材】松の梁を加工(古材)

築500年の古民家をリノベーションされた住まい。この住まいにふさわしいフローリングにと、古材の梁を加工。幅広で美しいフローリングが実現しました。

この事例を手がけた専門家

水谷嘉信建築設計事務所/中庭のある家 水谷嘉信さん

水谷嘉信建築設計事務所/中庭のある家 水谷嘉信さん

建築家

この旧家は、築500年と兵庫県下でもっとも古い古民家です。
それに相応しいフローリングを捜し求めて、何と関西から群馬県まで行くことになりました。
古材の地松の梁を見つけて、長さ4m、幅30cm、厚み40mmの無垢板のフローリングに仕上げてみました。
風合いはともかく古材の存在感は何とも言えないもので、この旧家に相応しいものに仕立てることができました。

床材選びのポイント

多くの事例を手がけ、さまざまな床材を見てきた専門家に床材を選ぶときのポイントを伺いました。

リノベーションスタジオKULABO

リノベーションスタジオKULABO

リノベーション会社

床材はたくさんのメーカーがあり、非常に選定が難しい箇所かと思います。選定の際は、お好みの部屋の雰囲気を決めた上で、価格や色・触り心地などを確認しながら商品を選定していくと、自分たち好みの床材に出会うことができるかと思います。
G  ARCHITECTS STUDIO 田中亮平さん

G ARCHITECTS STUDIO 田中亮平さん

建築家

今回ご紹介したお住まいのお施主さんは元々別の床材がご希望でしたが、あらゆる製品を比較する中で、唯一無二のデザインの特注フローリングに巡り合いました。設計者・デザイナーにご自身のイメージを伝えてみてください。大手メーカー以外の選択肢の中からもきっと意中のものが見つかると思います。
株式会社クラフト

株式会社クラフト

リノベーション会社

フローリングは樹種ごとに、カラー・木目模様・質感がさまざまです。また張り方によってもイメージが変わります。上品で落ち着いたオーク、個性的なチーク、華やかなカリンなどそれぞれの特徴を知って、ご希望のインテリアに合わせてセレクトしましょう。
株式会社ウィル空間デザイン

株式会社ウィル空間デザイン

リノベーション会社

複合フローリングを選ぶ際は、メンテナンスのしやすさ、デザイン、カラー、予算を考慮しましょう。
掃除が簡単で表面が強い製品を選ぶと傷が付きにくく、美しさを長期間保てます。インテリアや家具に合う色や模様を選び、明るい色は部屋を広く、暗い色は落ち着いた雰囲気を演出します。
品質と価格のバランスが取れた商品を選ぶことも重要です。
リノベーション東京

リノベーション東京

リノベーション会社

先ず、床暖房対応や下階への遮音・ペットと暮らすため傷に強い床など、機能面で考えます。本物志向と高質感、風合いで選ぶなら、無垢材や挽板・突板の合板フローリングでしょう。リーズナブルなシート系でもデザインや耐久性の良いものが沢山あるので、是非ショールームで一度ご覧ください。
水谷嘉信建築設計事務所/中庭のある家 水谷嘉信さん

水谷嘉信建築設計事務所/中庭のある家 水谷嘉信さん

建築家

古材を使えば、乾燥していて中身は新材と遜色変わりないのですが、何とも言えない独特の存在感があります。この旧家に相応しいものに仕立てることができました。
ひと言でフローリングと言っても、その色・デザインはさまざまで、どんなものを選ぶかで空間の雰囲気まで大きく変わりますね。
ご自身がつくりたい空間の雰囲気を探して、どんなフローリングにするべきか、ぜひ専門家に相談してみましょう。
専門家探しをお手伝いする「専門家紹介サービス」では、SUVACOのアドバイザーがフローリングをはじめ、何でも相談しやすいあなたにぴったりの専門家をご紹介します。
ぜひお気軽にご相談ください!

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