2021/03/17更新0like3357view

著者:岩間光佐子

有効に活用できるファミリーライブラリーの考え方とプランニングのコツ

この記事を書いた人

岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

家族みんなが利用するファミリーライブラリー。家族の本をまとめて収納する、家族がシェアする書棚スペースのことです。コロナ禍、家にいる時間も増え、家族が集まる場としても活躍するのではないでしょうか。ここでは、ファミリーライブラリーを検討する際の注意点とさまざまな施工例をみていきます。

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ファミリーライブラリーとは

ファミリーライブラリーとは、文字通り家族の図書館のこと。ホームライブラリーと呼ばれることもあるようです。家族それぞれが所蔵する本を1カ所にまとめ、みんなが利用できるようにしたスペースで、造り付けの本棚をプランニングすることもありますし、既製の本棚を組み合わせて設置することもあるでしょう。

単に書籍を並べる本棚を設けるだけでなく、プランニングによっては、読書スペースやワークスペースを設け、くつろぎやコミュニケーション、仕事の場として活用することも。コロナ禍、家にいる時間も増え、宿題や仕事をしたり、家族が集まる場としても活躍するケースもあるようです。

メリットは、家の中の書籍を1カ所にまとめることで住まい全体がすっきりすること、本を通じて家族のコミュニケーションが取れること、親子それぞれの嗜好を知ることができたり、興味を持った本をすぐに読むことができること。また、常に本が身近にあることで子供が自然に読書好きになった、という声も聞かれます。

有効活用できるプランニングのポイント

ファミリーライブラリーを取り入れるのであれば、単に収納場所を設けるだけでなく有効活用できるようにプランニングしたいもの。せっかく設けても使いこなせなくては宝の持ち腐れです。検討する際には、以下のようなポイントに注意しましょう。

■誰が、いつ、どのように利用するのか、目的を明確にする
まず、何のためにファミリーライブラリーを設けたいのか、誰が・いつ・どのように利用したいのか、をイメージすること。目的を明確にしないと、ただ本棚スペースを確保しただけとなってしまいます。家族全員が使うのか、子供が中心なのか、家族構成や暮らし方に合わせて優先順位を考えるようにしましょう。
■書籍の収納を目的とするか、読書スペースも含めてプランニングするか
プランニングに大きく影響するのが、本棚のみなのか、読書スペースや勉強スペース、ワークスペースなどを設けけるのか、ということ。椅子やテーブルなどを配置するのであれば、ある程度の空間を確保する必要がありますし、照明計画も大切になってきます。
■将来を含め収納する書籍の種類や量を把握する
事前に確認しておきたいのは、どの程度のボリューム、スペースを確保すればいいか、ということ。現在手持ちの書籍の量やサイズなどを把握することが必要です。また、書籍は年々増えていくもの。将来的にどのくらい増えるのかをイメージをして、余裕あるスペースを確保するようにしましょう。棚板は可動式にしておいた方が、将来的な変化に対応できるでしょう。
■出し入れのしやすさに配慮する
書籍に限らず、収納の基本は、「出しやすくしまいやすいこと」。本棚であれば、書籍のサイズに合わせた棚が必要です。特に奥行きは、深すぎると使いづらいため、収納する書籍に合わせて検討すること。また、本棚全体の高さなどにも配慮することが大切です。高い所まで棚を設けるのであれば、はしごや脚立などが必要でしょう。子供に好きな絵本を読み聞かせたい場合であれば、絵本の表紙が見えるような収納方法も考えられます。
■安全性や掃除のしやすさも検討しておきたい
注意したいのは、地震への対応。書籍が確実に落下しないようにするのは難しいかもしれませんが、落ちにくように前面にバーやワイヤーなどを設ける方法も考えられます。既製の本棚であれば、転倒防止策を講じておくようにしましょう。基本的には重い本は下に、軽い本を上に収納する方が安心です。

また、奥行きが深すぎると本の手前にスペースが生まれ埃も溜まりやすいもの。掃除のしやすさにも配慮したいものです。その他、プランニングによっては、窓からの日差しで本が日焼けしてしまう場合も。窓の向きにも注意が必要です。

ファミリーライブラリーのプラン例

■リビング壁面を利用する
本棚を設ける場所として多くみられるのがリビングの壁面。本棚だけでなくCDなどを収納したり、部分的に飾り棚を設けるプランもみられます。リビングはお客様を招く場にもなるので、一部に扉を付けたり、ぎっしりと詰め込みすぎないなど、雑然としないつくりや収納方法としたいものです。
■リビングの一角に読書スペースを設ける
くつろぎの場であるリビングの一角を利用して、本棚と読書スペースを確保するプランもみられます。例えば、畳スペースと本棚を組み合わせることで、家族みんながリラックスして使用することができるでしょう。
若原一貴「汐見坂の家」
■廊下を利用する
廊下の壁面を利用するプランも考えられます。子供室や寝室などプライベート空間につながる廊下などに設けることで、毎日行き来しながら楽しむことが可能。動線や視線を意識して、収納方法を検討するといいでしょう。
■階段を利用する
階段の形状・スタイルにもよりますが、壁面や手すりなどは、本棚として利用できるスペースです。踊り場などを活用してもいいでしょう。階段を上り下りしながら楽しんだり、階段に座って読書を楽しむことも。読書スペースも兼ねるのであれば、座りやすさも考えた少し広めの階段としてもいいでしょう。
戸川賢木「螺旋×shelf ※螺旋階段を活かした狭小3階建住宅」
■小屋裏を利用する
小屋裏スペースに本棚を設け、読書スペースとすることも考えられます。こもりながらの読書は子供にとっても楽しいものでしょう。上り下りがしやすいような階段、採光や通風を確保できる窓など、居心地のよい空間を生み出す工夫をしたいものです。
■間仕切りを兼ねても
空間の間仕切り壁を本棚としても。廊下とリビング、子供部屋などに取り入れてもいいでしょう。両面から出し入れできるようなオープンな棚も考えられます。
社会環境の変化や新型コロナウイルス感染症などによって、生活スタイルや住まいへの思い、家での時間の過ごし方などが変わってきています。じっくりと読書をしたり、子供に読み聞かせをしたり、改めて本との時間を大切に感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。家族の時間を過ごす場として、家族のコミュニケーションの場として、ファミリーライブラリーを取り入れたプランは増えていくかもしれませんね。
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岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

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