2017/01/16更新0like13512viewYUICHI ISHINO

庶民的なイギリス人の家ってどんな感じ?400年の歴史を一気に学べるジェフリー博物館に感動

いったい「この国の普通の住まい」ってどんな風なんだろう――。そんな疑問に答えてくれる博物館がロンドンのアートな地区にあります。その名もジェフリー博物館。今回はここに潜入してきました。英国ならではの デザインやライフスタイルなど、ちょっとした暮らしのヒントが見つかるかもしれません。

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▽ 目次 (クリックでスクロールします)

イギリスの家の「普通」について考える

「庶民的なイギリス人の家ってどんな感じ?」 

……言葉尻だけをとればお坊ちゃまの上から目線な質問にも聞こえなくないですね(笑)。が、大人になってイギリスに来るまで、この国のことをなにも知らなかった私にとってこれは長い間ひっかかっていた素朴な疑問で、ある日なにげなく友人に聞いてみたのでした。

「それならJeffrye Museum(ジェフリー博物館)に行くといい」

たぶん「ざっくりしすぎて答えるのがめんどうやな」とでも思ったのでしょう。ご覧の通り丸投げの返答。それ以上の情報はまったくなく、これではRPGの村人の助言と同じです(笑) 仕方なくさっそく検索してみると、サイトの説明に「Museum of the home」とあります。なるほど、なんとなくここなら答えが見つかりそうです。そういったわけで、期待に胸をふくらませながらJeffrye Museumへと冒険に出かけました。ちなみに、博物館にあるカフェのごはんがおいしいらしく、直前になって「私も行く」と友人も仲間に。現金なやつ……。

アートな地区にひっそりたたずむ博物館

Jeffrye Museum は、ヒップスター文化が根づくエリア・Hoxton(ホクストン)にあります。このあたりはギャラリーやオシャレなカフェが多くアートな地区として知られており、流行に敏感な若者にも人気。写真にもある通り駅のロゴサインも他とはちがってなんとなくオシャレです。
オーバーグラウンドの駅、Hoxtonのかっこいいロゴ

オーバーグラウンドの駅、Hoxtonのかっこいいロゴ

駅の高架下にはオシャレなパン屋さん(Fabrique)も。2.5ポンド(400円くらい)と、結構なお値段がしますが、味は格別

駅の高架下にはオシャレなパン屋さん(Fabrique)も。2.5ポンド(400円くらい)と、結構なお値段がしますが、味は格別

さて、駅から歩くこと約3分、コの字型の特徴的な建物が目の前にあらわれます。これぞJeffrye Museum。実はこの建物は、かつての救貧院(18世紀初頭に貧しいお年寄りのために作られた住施設)をリノベートしたものだそうで、シンプルで控えめなデザインからは独特な雰囲気が感じられます。

余談にはなりますが、Jeffrye Museumに限らず火力発電所をリフォームしたテートモダン(国立近代美術館)など、イギリスはこういう建物の再利用が本当に得意だな、と本当に感心します。
広々とした博物館の前庭

広々とした博物館の前庭

博物館の正面。もとは救貧院だった

博物館の正面。もとは救貧院だった

イギリスの中流階級と住まい

それでは、さっそく中へ。ちなみにロンドンの美術館・博物館は一部を除いてほとんどが入場料無料。Jeffrye Museumも例外ではなく、写真も自由に撮ってOKです。

まず、最初の部屋に入ると博物館の説明が。ここでは、1600年代~2000年代まで、400年にわたるイギリスの中流階級(ミドルクラス)の住まいについて学べるとのこと。年代ごとに当時の様子を忠実に再現した「部屋」が展示されており、まさにぼくの疑問を解決するのにぴったり。

イギリスの場合、どちらかといえば一般の興味は貴族文化に傾きがちなので(日本でもNHKで放送されている『ダウントンアビー』などはその典型です)、中流階級の生活にフォーカスされた内容が体系的に知れるだけでも貴重。村人の助言は正しかった!

それにしても17世紀からミドルクラスという概念があり、それが住まいのスタイルやデザインにまでしっかりと結実しているという事実には驚きを隠せません……。
こちらは1630年代の部屋(最初の展示)

こちらは1630年代の部屋(最初の展示)

こちらは1800年代の部屋(途中の展示)。前の写真に比べて部屋が少し華やかになった印象。インテリアのデザインも違いがくっきり

こちらは1800年代の部屋(途中の展示)。前の写真に比べて部屋が少し華やかになった印象。インテリアのデザインも違いがくっきり

これは1990年代~2000年代の部屋(最後の展示)。テレビはソニー(笑) このように、一定の間隔で特徴のある年代ごとに展示がずらりと並びます

これは1990年代~2000年代の部屋(最後の展示)。テレビはソニー(笑) このように、一定の間隔で特徴のある年代ごとに展示がずらりと並びます

イギリスの住まい――「椅子」が語る年代ごとのデザインの違い

展示を通して、各年代のデザインの違いを大まかに把握できることがこの博物館の魅力なのですが、なかでも楽しく学べたのが「椅子」のデザイン。すべての年代を見渡せるようコンパクトに展示されているので、一目で違いがわかります。
最初の部屋に展示されている年代ごとの椅子。時代の移り変わりとともにデザインも大きく変化

最初の部屋に展示されている年代ごとの椅子。時代の移り変わりとともにデザインも大きく変化

実際に座れる椅子もいくつかあります。これは16世紀のデザインのオーク材の椅子。木材の感覚がとても心地いい

実際に座れる椅子もいくつかあります。これは16世紀のデザインのオーク材の椅子。木材の感覚がとても心地いい

こちらは19世紀のデザインの椅子。ちょっと高級感があります。ふかふかクッション

こちらは19世紀のデザインの椅子。ちょっと高級感があります。ふかふかクッション

このほか、よく使われる木材の種類についての詳細な解説があるなど、かゆいところに手が届いています。「住まい」に関心のある人であれば、かなり充実した時間を過ごすことができるはず!( ぼく自身は、なんだかんだで3時間半ほど滞在してしまいました)
イギリスの住まいによく使われる木材の種類。上からオーク材、ウォルナット材、マホガニー材、ビーチ材、スプルース材。

イギリスの住まいによく使われる木材の種類。上からオーク材、ウォルナット材、マホガニー材、ビーチ材、スプルース材。

観光の穴場。ロンドンに来たなら「住まい」好きは要チェック

最後に、友人の目的でもあったカフェとお土産ショップの紹介を少し(笑)。

実際、出不精の友人がわざわざついてくるのもうなずけるほど、食欲をそそるランチメニューが揃っていた印象です。私はビーフ・ブルギニヨンという牛肉の煮込みを注文しましたが、なかなかいけました。ショップも、かわいいものからオシャレなものまで、さすが博物館の品ぞろえ、といったところ。休日でもあまり混雑することはないようなので、住まい好きは「要チェック!」のロンドン観光の穴場です。
食器やデザイン本、オリジナルグッズも充実

食器やデザイン本、オリジナルグッズも充実

イギリス料理は「まずい」という常識をくつがえす!?

イギリス料理は「まずい」という常識をくつがえす!?

なお、今回詳しく書けなかった、各年代のイギリス中流階級の住まいとそのライフスタイルについては、後日、別記事で紹介したいと思います。

【データ】Jeffrey Museum(ジェフリー博物館)
■住所 136 Kingsland Road, London, E2 8EA
■電話 +44 (0)20 7739 9893
■URL http://www.geffrye-museum.org.uk/
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この記事を書いた人

YUICHI ISHINOさん

ロンドンに暮らす編集者/Webプロデューサー。各媒体を通して現地の旬の情報を発信しています。

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