2020/11/26更新1like3141view

著者:SUVACO編集部

専門家フィーチャー

「多くのモノに見て触れて培った直感力が武器」建築家:直井 徳子さん

家づくりのプロに聞きたい「10のこと」シリーズ。
直井建築設計事務所の世界観には、奥さまでもある直井 徳子さんの直感的なセンスが生きています。「良いか・悪いか全ては私の直感!なんです」と語られた頼もしい言葉は、直井さん自らが培ってきた感性の賜物。

「居心地いいところで仕事がしたかった」と語る直井 徳子さんの「10のこと」。自身の心地よさを追い求め、実践しているからこそ、クライアント(施主)それぞれの「居心地の良い住まい」を実現することができるのでしょう。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

Q1. 日常でふと感じる職業病(こだわりや癖)は?

居心地の良さにとても敏感!
私自身、すごく直感的な人間で、居心地の良さは、その方それぞれなので、言葉で表現することは難しいですね......。

ひと言に「心地よさ」と言ってもそれぞれの感じ方は異なるので、正解がないところが難しいのですが、家づくりにおいて住まい手の心地よさはすごく重要です。
その雰囲気を掴み取ることが、お客さまの家づくりにおいてとても大切だと思っています。

Q2. 家づくりに関する知識で負けないこと、得意分野は?

直感、センス。
この言葉に尽きるのですが、私の中で
「何かがおかしい」「どこかプロポーションがしっくりこない」......。っていう感覚を大事にデザインに反映しています。
とにかく、若い頃からいろいろなもの見て、触れてきた経験を積み重ねて、身体が覚えてきたんだと思います。その感覚を事務所内に共有し浸透させた結果、『NAOIイズム』になっていると思います。

Q3. 休日の過ごし方もしくは、仕事で活かせる趣味は?

趣味はイタリアで暮らすことです。
5年ほど前から、2拠点生活をしています。イタリアのヴェネツィアと日本を行き来して過ごしています。現地では、特別なことをしているわけではなく、会社のスタッフの理解と協力もあり、日本にいる時と変わらずにオンラインでやりとりをしながら日本の仕事をしています。

建築の仕事は、1年〜1年半ほどかかるので、その期間でデザインを考えて、日本で確認するっていうペースが保てています。

自分の作品もそうですし、社会情勢みたいなことも含めて客観視できて、すごく視野が広がっていますね。
うちの建築事務所のテーマである「普遍性」という考え方を見直すことにもつながっています。
年間の半分を過ごす、ヴェネツィアのカナルグランデ運河からの景色(撮影:直井さん)

年間の半分を過ごす、ヴェネツィアのカナルグランデ運河からの景色(撮影:直井さん)

なぜヴェネツィアに?と言われると、これも私にとっての居心地の良さにつながるのですが、ヴェネツィアには車が1台もないんです。目の前で動くものは人の歩きと水上バス。その動きの速度というか、東京の忙しい風景と打って変わって、水辺をゆったりと水が流れるようなリズムがすごく心地いいと感じますね。

現地の人は狭い島のなかで暮らしているので、人との距離感の取り方がすごく上手だなぁって思います。日本人との違いで言うと、「本音と建前」みたいな気づかいもなく、かといってお互いを思い合っていないわけではなく...私にとっては自由で自然体で過ごせるんですね。
子どもから大人まで顔を合わせれば自然と挨拶ができる気さくな人たち(撮影:直井さん)

子どもから大人まで顔を合わせれば自然と挨拶ができる気さくな人たち(撮影:直井さん)

Q4. 好きなインテリア家具・ブランドは?

イタリアモダン家具ブランド:“Molteni&C(モルテーニ)

巨匠アントニオ・チッテリオがデザイン・監修したイタリア高級家具ブランド :“FLEXFORM(フレックスフォルム)

ラグジュアリーだけど気取ってないところが好きです。
作られてる感がない、デザインが好きです。

イタリアではさまざまな職業が職人・マエストロとして、とても評価され尊敬されています。
デザインに関しても、イタリアは新しい建築を作ることがなかなかできないので、建築学科を卒業した人が、必ずしも建築家となっているわけではなく、建築以外の分野で何かしらのデザイナーとなっている場合が多いと聞きました。
そのため家具のデザイナーも、工学的なことや建築の歴史をしっかりと学んだ人が携わっていることが多いんです。その裏付けが、デザインとして表現された時の違い・魅力になっているのだと思います。

Q5. 好きなアーティストは?

名前や肩書きにこだわらないので特定のアーティストというよりは、日々の生活のなかで長年使われてきたものがすごく好きです。

「必要美・機能美」がしっかりと備わったものが好きです。デザインを目的としていなくても、結果それがアートとして昇華されているものにとても魅力を感じます。

Q6. 仕事の必需品は?

2拠点生活の必需品!
『iPad Pro』
コレは2拠点生活で手放せないアイテムです。

5年前まですごくアナログで携帯はガラケーでした(笑)。離れて仕事をするようになったことを機に使うようになりました。

ペンでデザインのスケッチ描いたり、日本から送られてきたものに修正の赤入れをしたり......日本とのやりとりは全てコレで完結しています。
日本とイタリアでデータを送って、指示を書く。最終的にはスタッフがCGで仕上げてクライアントに提案する流れ(画像:直井さん)

日本とイタリアでデータを送って、指示を書く。最終的にはスタッフがCGで仕上げてクライアントに提案する流れ(画像:直井さん)

Q7. オススメの家づくり関連の書籍やウェブメディア・イベントは?

ホームデザインを通じてライフスタイルを提案するインテリア誌“「I'm home」
家づくりを考えている方だけでなく、読み物としてビジュアルだけでも楽しめるのでどんな方にもオススメしたいです。


建築デザインウェブマガジン“「dezeen」
世界中の最新の建築の情報が入手できます。どうしても、雑誌の掲載まではすごく時間がかかるので、やっぱりウェブは最新の情報をいち早く取り入れることができますね。

Q8. お気に入り住宅事例は?

「House in Yawara」
独立して初めて手がけた自邸なので、素直に作れました。
いたらないところはあるかもしれませんが、そこも含めて愛着もてるかな。

「普遍的なもの、いつまで経っても飽きのこないもの」。これは、未だに私たちの建築の軸としてつながっています。

Q9. 素敵な出会い・忘れられないお客さまとの思い出は?

プロジェクトが終わる頃には、全員他人じゃないような気になっています。
どの方も、本当に出会えてよかったと思える方ばかりなので、毎回が素敵な出会い、忘れることはありません。

Q10. 最後に、「うちの家づくりのココがすごい!」と思うところは?

一緒に作っていく過程を楽しんでもらえると思います!夫でもある代表(直井 克敏さん)と私は意見が違い、スタッフはチームの一員としてクライアントとの絆を作っていきます。現場の職人さんとも仲良し。それぞれが、個性を尊重し、自由に楽しみながら仕事をしています。チームワーク、出来ていくなかでの良い雰囲気、クライアントとの絆など、目に見えないものが、完成した後も生活を豊かにしていってくれると思います。
対応業務 注文住宅、リノベーション (マンション)
所在地 東京都千代田区
主な対応エリア 全国
目安の金額

30坪 新築一戸建て4,200〜7,500万円

60平米 フルリノベ1,800〜2,700万円

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